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06 冒険者ギルド

 「来たねー、冒険者ギルド。なんか、楽しそうで、わくわく感いっぱいでしょ?」


 「ハローワークに用事ないよ? 僕」


 「いや、いや、いや、ハローワークじゃないから、ここ。それと、気になってたんだけど、なにその僕ってーのは、可愛い勇者を演出したいの? 前は俺とか言ってたのに、心境の変化?」


 「用事ないから、帰るね」


 「いや、ダメ、ダメ。どうしてそうなるのかなー。まだ来て何もしてないのに。ダメだからね、帰っちゃ。冒険者登録しないとね。ここでは、そういうルールだから」


 「あ、そっかー。神様、失業中だからお金ないんだ」


 「違う、違う、ちがーーう。なーに言っちゃってんのかなー、この僕は。今、神様は絶賛お仕事中で、人類の運命を任されている重要プロジェクトのリーダー、エリートなんだからね」


 「貧乏エリートかー、残念だね」


 「もう、いい、いいや、それで。はい、今、お金ありません。君のせいでねっ! それで、進めるよ。ほら、ほら、あのお姉さんがいいね。あそこに行って、ちゃんと冒険者になりたいんですけどって、申し込むんだよ」


 「大人一枚、神様一枚」


 「ち、ち、ちょ、ちょっと待ったーーー。ここ遊園地でも映画館でもないから。冒険者ギルドだよ。切符は売ってないから。それに神様とか分けちゃダメだよ。いろいろな意味で。買うなら大人二枚ね。切符じゃないから違うけど」


 「ふわぁー、いい働きだったよね? ドキドキしちゃった」


 「いや、いや、いや、それ働いてないし、何も進展してないし。根本的に違うよ! お姉さんの仕事を邪魔しただけだから」


 「次は神様の番だね。ドキドキするね」


 「こだわってるねー、ドキドキに。お姉さんが気に入ったのかな? 猫耳だし、もふもふだから、分かるけどさ。それに神様の順番はいらないから。まったくいらないからね」


 「へー、神様って、オタクなんだ」


 「そうだよ、オタクはもう市民権取ったからねー。って違う、違う。そういうことじゃなくてさ。これ、どこまで脱線するのかなー。もう線路を走ってないよね。大草原を疾走してるよね」


 「神様は猫耳好きっと」


 「ちょ、ちょっと、ちょっと、なに、メモってるの!! 神様の趣味を調べてどうするの? 悪いことにしか利用しなさそうだし、そういうのはやめようね」


 「へーー」


 「なんか、腹立つねー。無性に腹立つねー。今、クスッって笑ったでしょ。ね、ね、すでに悪用しはじめてるね、困ったねー」


 「もう終わったから、寝てていいよね?」


 「いや、いや、いや。何も進んでないから、一ミリも進んでないよ。君がやったのは、冒険者ギルドで、売ってない切符を買おうとしただけだから」


 「えーー、ドキドキしたよ」


 「そうだったねー。そう、そう、それした。したねー。もう、分かった。分かりましたっ。神様が登録するから。君はパーティのメンバーね。だから、ちょっと待っててね。寝ちゃダメだよ」


 「じゃ、帰っていいんだ」


 「ダメダメダメーーー。ちょーと待っててね。すぐ戻ってくるから」


 「ぐぅー」


 「ビカム君、起きて、朝だよー。本当は朝じゃないけど、冒険者登録終わったよー」


 「あ、神様、おはよう」


 「そうだね。おはようだね。よく寝てたねー。お昼寝してたねー。怖いお兄さんたちがジロジロ見てたけどね。でも、ようやく神様のことがすぐ分かるようになって嬉しいよ。苦労したかいがあったかも? だよ」


 「じゃ、ま、そういうことで、お休みなさい」


 「ち、ちょっと、ちょっと、今起きたばかりなのに。ダメダメ、お昼寝時間は終ーーーー了ーーーー。ほら、行くよ!!!」


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