59 魔力砲
「ほんとに、あの真・王のやつ。許せないよね。なーにが、勇者よ、よくぞ参いられた、だよ! ふざけんなだよ!! エクスカリバーをビカムに渡したのも手首切らせるためかよ! そこまで仕組んでたのかよ!」
「激怒してるだすな!」
「このじじい。こんなんで敵の本拠地に、乗り込んで行って大丈夫なのか?」
「ち、ちょっと待って! か、神様、落ち着いてください」
「そうだよ! お姉ちゃんの言う通りだよ!」
「神様ぁ~。怒っちゃダメですよー」
「・・・うーーん。そうだね! そうだったね! 神様がこんなに激怒してちゃダメだよね! うんうん。君たちは本当にいい子たちだね。ありがとう。少し落ち着いてきたよ。まずは、ビカムをどうするかを、きちんと考えないとね」
「このじじい。うちらの言うことは聞かないのに、自分の女の言うことだけは聞くだす!」
「ほんとだな。さすが囲っていただけあるな!! まさにエロじじいだな!」
「うるさいよ! 飛べないバカ天使は大人しくしてろ! ・・・それでビカムさん、やはり男に戻ろうね! 男でも強さは変わらないし、このままずっと女のままだと物語が壊れてしまうからね。さっ、これを食べてください」
「仕方がないな! ぱくぱく、もぐもぐ。ぐぅーぐぅーぐぅー」
「あれっ! 普通に言うことを聞いただす! これは、これで何がどうなっただす!」
「ほんとだな! 素直に食べて、光輝いてあっさりと戻ったな。ビカムに何があったんだろうな? まさかこんなに素直だとは、びっくりだな」
「うんうん。ようやくビカムも普通の人になったんだよ! これは嬉しいことだね!! よしっ! じゃ、起こそうね! ビカム君、起きて、朝だよー。本当は朝じゃないけど、みんなで魔王とその一味を倒しに行くよー!!」
「うーん。えっ! ここどこ? あんた誰?」
「えっ! って、神様がえーーーーーーだよ! まさか、まさか、全部忘れちゃったの? ついにあのバカマニュアルの言ってた大技が出ちゃったの? それはなしでしょ。なし、なし、なし、二十世紀梨だよ。なんちってだよ!」
「何をどこまで忘れただす? このバカ勇者は!」
「名探偵シャムシエルちゃんの推理だと、すっからかんと一から千まで、忘れているな! うんうん」
「バカ天使のくせに、何、生意気言ってんだ! お仕置き! ズギャン!」
「ギャーーーーーーー! な、なんで、うちらへのお仕置きを覚えてるだす! 羽がもう片方の最後の羽が!!」
「ギャーーーーーーー! 本当だよ! 神様のことは忘れて、なんでだよ! 俺の愛する最後の羽が・・・・これじゃ、完全に赤ちゃんじゃねーかよ!」
「クックック! 御取り込中、失礼しますよ! そこのバカ勇者! どうやら、大切なことを忘れたそうだな。クック。じゃ、ま、そういうことで! 永久にこの地から消滅してもらおう! いくぞ! サタン! レビィアタン!」
「ルシファー! 俺様は準備OKだ。いつでも撃てるぞ! ガハハハハハ!」
「エネルギー充電120%! 最大魔力放出可能、一帯、全部、吹っ飛ばす! カッカッカッカ!」
「なっ! ぎゃーーーー。七つの大罪のルシファー、サタン、レビィアタンだ! なんだこいつら!! やばい!! 空からいきなり現われて、3匹で魔力を溜めてこっちを狙ってる! ビカム! なんとか、なんとかしてくれよ!」
「うん?? なんだあの空飛んでるやつらは! ウザいなー!」
「ウザいなーじゃないよ! あいつらさっきのやつの仲間の魔王の手先だよ! 七つの大罪のうちの3匹だよ! あんなでかい魔力砲を撃たれたら、ここいら一帯が吹っ飛んで、みんな消滅しちゃうよ!」
「ぼく、このお鍋で、お姉ちゃんを守るよ! ブルブルブルッ」
「何言ってんの! ほら、早く、こっちきて、お姉ちゃんが守るから!」
「うぐぐぐぐっ! これは困ったのー。妾は棺桶に隠れるかのー」
「「「か、神様ー、助けてー! 死にたくないよー!!」」」
「みんな、大騒ぎしてるね! あんな3つのゴミにさ!」
「いやいやいや! お前状況分かってんの?? なにそれ? それは余裕? 余裕ですか? それならさっさとゴミを片付けてください!! 神様から、お願いしますよ! お願いしますから!!!」
「うーん。今、やったら正当防衛にならないじゃん! 捕まっちゃうよ!」
「お前、何いってんだよ! お前の頭は、何がどうなったんだよ! 魔王の手先相手に正当防衛も何もねーよ! おまわりさんも捕まえねーよ!! さっさとやれよなー! それに神様は偉いから大丈夫だよ! 言うことを聞きなさい!」
「へぇーーー! あんた偉いんだ! そっかー!」
「クックック! バカ勇者め! 念仏は唱え終わったか! 我ら3人の最大魔力砲の前では、念仏を唱える時間さえないからな! ギャハハハハ!!」
「ルシファー、遊びはそこまでだ! そろそろやるぞ! さっさとバカ勇者を消滅させて! 城へ凱旋しようぜ!」
「そうだたったなサタンよ!! 行くぞ!!! ルシファー高慢魔力砲!!! ボゴッーーーーーーーー!」
「よしっ! 行けぇー! サタン憤怒魔力砲!!! ピキピキゴァーーーーーーーー!」
「これで終わりだ!! レヴィアタン嫉妬魔力砲!!! ドゥワドッーーーーーーーー!」
「ぎゃーーーーーーーーー!! 撃ってきた! 撃ってきたよ! 全部こっちに向かってくるよ! 終わるの? これで終わってしまうの? って、ビカムが動き出した! なんかしてるよ! うわっ! なんかすごいの出してるよ!」
「正当防衛成立ね。じゃ、ま、そういうことで。ビカム極大魔法反射鏡!」
「キンッ!! ボゴッーーーーーー! えっ? ギャーーーーーーー!!」
「コンッ!! ピキピキゴァーーー! えっ? ギャーーーーーーー!!」
「カンッ!! ドゥワドッーーーー! えっ? ギャーーーーーーー!!」
「・・・・・すげぇー!! 敵の魔力砲を全部跳ね返して、そのまま敵を殲滅しちゃったよ! なんて、凄いんだよ! 勇者ビカム!! だから余裕だったんだねー! って、みんな震えて目をつぶっていて、誰も聞いてないね」




