表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

53/62

53 リセット

 「もう、天界に帰るだす! こんな物騒な所にはいられないだす!」


 「お、俺も、俺も、帰る! 帰るよ!」


 「あーーぁ! バカ天使が完全に逃げ腰になっちゃったよ! まあ、でも、神様もこれは意外だったよ! ここまでとはね! って、まだあの光の輪がブンブンいってるよ! あれは、いつ止まるんだよ! って、ビカムは何してんの?」


 「うわーーーーーーーーーー! なんじゃ、こりゃー!!」


 「あちゃーーー! あいつ、ようやく状況を把握したね。返り血塗れの自分を見て、叫び声を上げちゃってるよ! まいったねー! いろいろな色の返り血だから、仕方がないかもだけど。街の人も天界から戻さないとだし、大変だね!」


 「きったねーー!! もうやだ!! 帰る!!」


 「ありゃーー、ビカムまで、バカ天使と同じように帰るって、言い出しちゃったよ! どうすんだよ! って、あいつなんか取り出しているね。なに、なに、あれ? なんか羽みたいなのを出してるよ・・・」


 「それっ! 帰るぞ! 王国へ!!」


 「あっ、なんか放り投げたよ! って、えーーーーーーーーーーーーーー。それあり? あり? ありなの? おおありくいかよ! なんちってだよ! 勘弁してよ! 『ピロロロロ』とかの音楽だけ残して、あっさり消えるなよ!!」


 「ふーーー、最凶魔人は消えただすな! 命拾いしただす!」


 「ふーーー、良かった! これでハルマゲドンに巻き込まれる危険性はなくなったな! ・・・・あの光の輪もいなくなったし、もう大丈夫だな!」


 「ふーー、じゃねーよ! ビカムが消えたじゃねーかよ! あれなんだよ! なんの羽だよ。あれアイテムだよな!? あんなの隠し持ってたのかよ! そんなの知らねーよ! 聞いてねーよ! バカビカム! 勝手に使うなよな!」


 「さっき、総攻撃されてるときに、目立つキマイラの羽をむしってただす! うちは見ただす!」


 「ああ、俺も見たぜ! 名探偵シャムシエルちゃんの目は、ごまかせないからな! 普通はキマイラに羽はないんだけどな! 黄金のキマイラが巨大な天使のような羽を持ってたよな! そいつの頭を抑えて羽を抜いてたよ!」


 「なんだよ、それ! アイテムの効果は瞬間移動だよな? 王国とか言ってたから、王国に戻ったの? それって、リセットですか? これまでの苦労はなんだったの? せっかく、魔王軍を壊滅させて、次は、魔王だ! ってときにさ」


 「いや、あれは昇天だす! 絶対にそうだす! そう願うだす!」


 「そうだよな! あいつと同じ世界にいると、生きた心地がしねーよな!」


 「バカどもが、そんなの願ってんじゃねーよ! ふざけんなよな! それはリセットじゃなくてゲームオーバーじゃねーかよ! ビカムは魔王を倒すまでは昇天なんかさせねーよ! お前らが変わりに昇天してろよ! バカ天使!!!」


 「このじじい! ブチ切れてるだすな!」


 「ああ、無茶苦茶、言ってるよな!」


 「もうさ、そんなことより、どうするんだよ。ここで、王国に戻るの? また一からやり直すのかよ? ・・・・はーーぁ! まずは、住民を戻さないといけないしさ。神様、そんなに何回もワープを使えねーんだよ!」


 「おい、シャムネコ!! ピューーー!」


 「おう、そうだな!! ピューーー!」


 「こらっ! お前らどこにいくんだよ!! ふざけんなよな! 逃げんじゃねーよ! もう、ほんとに、どいつもこいつも、ろくでもないやつらばかりで、あきれるよね!!」


 「逃げないだすよ! 黄金のキマイラの羽を探してくるだす!」


 「神様は、そこで待っていてください」


 「おっ! あれっ? バカ天使が、まともに行動してるじゃないか! 少しは反省したのかねー! それなら戻れるか・・・。よしっ! じゃあ、街の人たちを戻すよ! 『う~ん、えぃ、やぁ!』はぁ、はぁ! なんとかなったね!」


 「きゃーーーーーーーー!! 血の海だ!!」


 「な、なに、なにがあったんだ!!」


 「助けてーー! キモイ、気持ち悪い!!」


 「街の人たち、騒いでるね! でも、仕方ないよね、家に隠れたしね! 何があったのかは知らないくていいし、魔王軍がいないのは、そのうち分かるだろうしね! あとは街の人たちが、自分の力で再建してもらうしかないね!」


 「キマイラの羽、取ってきただす!」


 「これで、神様も王国に戻れるな!」


 「おおお。働いたじゃん! やればできるんだねー。ほんの少しだけど見直したよ! ほんの少しだけどね! 何度でも言うけど、ほんの少しね!」


 「・・・・、じゃ、ま、そういうことで、さよならだす!」


 「・・・・、じゃ、ま、そういうことで、いってらっしゃーい!」


 「うんうん、それじゃねー! って、違うだろ! あーーそういうことね! なるほどね! ビビリ天使は、もう逃げたいのね! このまま一緒にいるとまずいとか思っているのね! ふーん、すっかりビビリーナになったって訳ね!」


 「ち、違うだす! そ、そういうことではないだす!」


 「そ、そうだよな! か、勘違い・・そう、それは勘違いです!」


 「分かりやすいねー! そう、勘違いね!! じゃ、ま、そういうことなら、ビカムのあとを追わないとねー! それが、天使の進む道だよね。君たちの存在意義はそこにあるし、神様の補佐役なら当然だよね!」


 「そ、それも違うだす! そういうことではないだす!」


 「そ、そうだよな! か、勘違い・・そう、それも勘違いですよ!」


 「アホだねー、こいつら!! まあ、逃がす訳はないし、一緒に王国に戻るよ! もう一度、一からやり直しなんて、とんでもないことになってんだから、さっさと行って、戻ってこないとね! ほら、行くよ!!!」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ