表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

5/62

05 武器屋

 「ほら、ここ、ここ。男の子なら、目を輝かして、喜んじゃう武器屋さんだよ。やったぁでしょ。少しは元気でてきたよね」


 「え、何すんの?」


 「何するって、これから冒険するんだから、防具を揃えないとね。どう、どう、この鉄の鎧とか鉄兜なんて、いいんじゃない?」


 「あっちのオリハルコンがいいな」


 「あーー、目ざとく見つけたねー。なんでこんなときだけ、そっち見るかなー。神様びっくりだよ。恐れ入りましただよ。でもね、それはダメなんだなー。冒険者の決まりがあってね。いきなりのいい装備は、ブブーってブザー鳴っちゃうね」


 「ふわぁーー、じゃ、いいやオリハルコンで」


 「なんで、そうなるのかなー、神様の言うこと聞こえてる? 君から肯定の言葉を聞くのは嬉しいけどさ。そうじゃないでしょ。ね、ブブーってブザー鳴るって言ったでしょ、オリハルコンは」


 「神様って、貧乏なの? ちゃんと働かないと!」


 「ないわー、それはないわー。君には言われたくないねー、それだけは。今も、それこそ、額に汗して、背中にだらだら油汗出てるよ。神様は働き者だよ」


 「でも、オリハルコン買えないじゃん。やっぱ貧乏なんだ」


 「いや、いや、いや、なんか誤解してるなー。買えないんじゃなくて、買わないんだよ。うん、うん。そそそ、それ、それだから」


 「ごまかしてる?」


 「あれれー、なんかとてつもなく失礼だね。そんなことあるわけないじゃないか。じゃ、ね、もう、それ買おう! オリハルコンの防具、買っちゃうおうね。君が勇者だもんね。でも、夕飯は抜きだからね」


 「はー、疲れた」


 「疲れたのは神様だよ。もう、あちこち変な汗だらけだよ。君は、何もしてないでしょ? まいったね、これは。本当にお茶目さんなんだから。でも夕飯はいらないんだね」


 「今日も、いっぱい頑張ったし、どこで寝るの?」


 「だからさー、まだ、防具、買っただけだよ。まだまだ、お天道さんも真上で働いているのに。『もう寝るの?!』って言われちゃうよ。そりゃ、夕飯抜きだから、寝たい気持ちも分かるけどさ」


 「へー、お昼寝しないんだ、神様?」


 「なんで、お昼寝すること前提で、話が進んでるのかなー。するよ、神様もう400年も生きてるから、爺さんだからね。お昼寝大好きだよ。でも、まだ、ダメ。まだ、寝ないよ。ギルドに行って冒険者登録してこないとね」


 「じゃ、ま、そういうことで。行ってらっしゃーい」


 「はぁーい、行ってきまーす。って違うでしょ!! 自然な流れだったから騙されそうになっちゃったよ。君が登録しないと意味がないんだから。ほら、行くよ!!!」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ