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「う、うわっ! くっ、苦しい! し、死ぬ! ぎゃーーーーー!」
「あーぁ。ほんとにバカだよねー! これぞまさしく自業自得で、救いようがないよね! まーた、同じことしなきゃいけないの? しかも3匹揃ってで、どうすんだよ! まあ、玉藻御前のように相手が強くないからいいけどさー」
「ギャハハハハ! ビカムは天罰だす! これは面白い死に様がみられそうだすな!」
「そうだな! こいつには、そのくらいの罰があってもいいよな!」
「ぎゃーーー、苦しい。バカ天使め! 覚えていろよな! はぁ、はぁ」
「ギャハハハハ! ビカムが虫の息だす!」
「ギャハハハハ! それ、捨て台詞か! ざまーだぜ!」
「あれれれれ? なんで、お前らはなんともないの? なんでビカムだけ苦しんでんの?! って、えーーーなんかビカムが光に包まれているよ! 逝ったの? いきなり逝くの? HP、HPは・・・2億? なんだ、平気じゃん!」
「うちは天使ちゃんだす! お肌すべすべで、ピンピンしてるだすよ!」
「そうだよな、天使に天罰は下らないよな! 俺たちは正義の味方だしな!」
「うぐっ、はぁ、はぁ、はぁ・・・・・・。すーすーすー」
「あれっ! ビカムは寝たねー! なんだったんだあの光は! まあ、いいや! HPが減ってないから大丈夫だね! それじゃ、こいつら捕まえるよ。天使どもは、狼耳娘を取り押さえろ! 神様は、少年ね! よしっ! 行けー!」
「抑え込みだすな! それは得意だす! やるだす!」
「そうだな、横四方固めするか! って、手が届かないけどさ。キャハハ」
「キャーーーーー、やめてーー変態天使! いやーーーー!」
「お姉ちゃん!!! コックの僕が助けなきゃ! 天使のバカ! お姉ちゃんから離れろ! ポカポカポカ!」
「ギャハハハハ くすぐったいだす! このガキ! 邪魔すんなだす!」
「ギャハハハハ! 役得タイムなんだから邪魔すんなよ! ガキが!」
「・・・・なんか、微妙に悪者が入れ替わってる気がするねー! この展開だと、狼姉弟に同情しちゃうよね! まあ、でも、仕方がないよね! 悪者だしさ。ほらっ! 少年! 暴れない! 大人しくするんだよ!」
「うわーーーーーん。変態天使め! お前ら絶対に許さないぞ!!」
「やめて、その子には手をださないで! あたしはいいから、その子だけは許してあげて! その子は何も知らないんだから・・・」
「あちゃーーーー! なんだろうねー、この背徳感は!? これじゃあ、あまりきついお仕置きはできないねー。でも、勇者を狙う悪者だしなー。・・・どうするかなー。ね! ね! どうすればいいの? 教えてくれないかなー?」
「そんなの決まっているだす! お姉さんは、このまま抑え込みの刑だす!」
「そうだよな! 絶対領域は俺のものだしな!!」
「ピッピッピーー!!! はい、アウトー!! やっぱ、お前らはダメだ! ほらどけっ! もう逃げないだろうから、いいよ! 抑え込み中止! 絶対領域は俺のものとか言ってる変態は、さっさとどけよ!! バサッバサッ!!」
「痛たたたた! 何するだす! これからが、サキエルちゃんの腕の見せ所なのに・・!」
「痛てててて! ほんとだよなー! このじじい、人の役得タイムをぶち壊しやがって!」
「うるさいっ! エロ天使! お前らはそこで大人しくしてろ! 悪役天使はいらねーよ! 狼姉弟! 許してほしいなら、そこに正座! ほら、さっさと正座しないと、また悪役天使が抑え込みに行くよ。よしよし、正座したね!」
「うぇ、うぇ! お姉ちゃーん!!」
「よしよし、いい子だから泣かないの!」
『このじじい、うちらを悪役天使とか言ってるだすよ!』
『ほんとだよな! こんな可愛い天使を悪役とかよー! やっちまうか!』
「バカ天使! こそこそとふざけたこと言ってるとお前らにお仕置きするからな! さてと、それじゃ姉弟も大人しくなったし、ビカムを起こさないとね! ビカム君、起きて、朝だよー。本当は朝じゃないけど、もう起きていいよー!」
「う~ん・・・ほぇ? あれっ? あれっ?」
「寝ぼけてるねー! もう終わったからね! 君は、まーたキノコ食べて寝てたんだよ! ほら、大丈夫?! それで、何をそんなに焦っているの? 命を失いそうだったけど、HPは減ってないし、何ともなってないよ!」
「キャーーーーー、変態じじい! あ、あたしが、寝てた間に何したの?」
「へっ? おい! こらっビカム! お前、何を言ってんだ?! 何がキャーーーだよ! 誰が変態じじいだよ! また変なスイッチ入れてんじゃねーよ! 君は勇者ビカムなんだからね! これから魔王を倒すんだよ!」
「なんかこいつキモイだすね! 前からそうだったけど一段とキモくなっただすね」
「そうだよな! キノコ食って女みたいになってるな! キモッ!」
「あたしは女勇者ビカムよ! キモイのはどっちよ! この変態天使!!」
「・・・・えーーーーーーーーーーー! なになになに?? お前は何を言ってんだよ? いつものお遊戯じゃないの? それマジですか? キノコ食って性転換しちゃったの? なんなんだよ! それ! ふざけんなよな!」
「あっ、まさか・・・あんた、さっき言っていた止め刺すキノコって、TSキノコのこと?」
「うん! そうだよお姉ちゃん! 僕、それ入れたよ! TSって、止め刺すの略でしょ?」
「そう・・・『性転換キノコ』と『特製スペシャル毒キノコ』は似てるから、間違えちゃったのね・・・でも、もう仕方ないわね」
「ギャハハハハハ! そういうことだすか! 坊主でかしただす! ビカムが性転換って、これはおもしろいだすな! うちらは両性具有だからそんなの効かないだす!」
「ギャハハハハハ! そうだなー! これは傑作だし、いい傾向だな! これでビカムハーレムは終わったな! ホントに坊主はいいお仕事したじゃん! 特製スペシャルのほうだったら、俺たちも危なかったかもな?!」
「なんか失礼な天使! じゃ、ま、そういうことで、お仕置き!」
「痛たたたたた! ビカムこらっ! 羽を掴むなだす!」
「痛ててててて! 何すんだよ! こいつ女になって、前より暴力的になってるよ!」
「・・・おいおい! どうすんだよ? 全然おもしろくねーし、こんなのキモイだけだよ! ここへ来てTS? ありえねーよ!! そういうのをやるなら物語の始めにやれよ!!! って、誰も聞いてないか」




