39 融合
「ギャーー、助けてーー! ビカム君、さっさと起きて玉藻御前を倒してよー! 神様、足が疲れたよー! もう逃げられないよー! はぁ、はぁ! また来たー! もうダメだ、ビカム君を置いて逃げるしかない! バサッ!!」
「フハハハハハハハ! バカ勇者め!! いよいよ年貢の納め時だな・・・クックックック。これで妾も魔王様の寵愛をさらに・・・。さらばだ、バカ勇者! 新大陸の肥やしとなれ! ズドーーーーン!! フハハハハハハハ」
「あちゃーーーー! 踏まれちゃったよ! 10メートルもある怪獣に踏まれちゃったよ! 終わりなの? これであえなく終了ですか? 新大陸の肥やしとなったバカ勇者の転生記! にタイトル変えなきゃなんないの?」
「ぐぅーぐぅーぐぅー」
「へっ! あれれれれれ、なーんだ、全然、大丈夫みたいだね! でも、あれでも寝てるってのも凄いね! おっと、そんな場合じゃないね。ちょっとHP見てみるよ! えっと・・・1億7999万9000って・・・うん。大丈夫だね!」
「あれっ? あれっ? なんだこいつ!! 今、踏みつけたのに、なんでペチャンコになっていない!! くそっ! ならばもう一度! ズドーン! フハハハハ! って、あれ? なんなんだ、このバカ勇者め!! ズドーン!」
「玉藻御前、怒りの連続踏みつけしてるね。まあ、そうなるね。でも、あんなの1回のダメージ1000だね。で、2000万はさっきのかー・・・アホだね! まあ、いいや。神様、逃げ回って損したよ! さっさと捨てればよかったよ!」
「くそっ!! グリグリしてやる! つま先で、グリグリしてやる!! 飛び跳ねてドンドンしてやる! このバカ勇者、エロガキ、変態勇者、キモ勇者め!!」
「あーーなんか攻撃してるほうが焦ってるね! まあ、あいつ起さなきゃ大丈夫だろうから放っておこうね。でも困ったねー。こんな大きなやつ神様は倒せないしなー! さすがにビカムを回収はできないしねー。うーん、どうしようかー」
「旦那ー、お困りのようだすな! そんなときこそ! うちらに一声だす!」
「困っている人を助ける! うんうん、これこそ天使! ザ・天使だな」
「あれっ? 何、何? お前ら復活したの? 昇天したんじゃなかったの? なんかエラそうだけど、こんなデカいヤツを倒せるの? お前らって1メートルもないじゃん! そんな小さい体で、どうやって倒すんだよ?」
「ひゃっひゃっひゃっ! 神様はアホだすなー!」
「にっひっひっひっ! ほんとにアホだよなー!」
「・・・・なんか、いろいろムカつくけど、まあ、いいや! なら、なんとかしてよ! 早くやってよ! ビカムがつま先で、グリグリされてるからさー。玉藻御前を倒して、回収してきてよ! ほんとに、やっつけて、いいからさー!」
「こういうときは~~~~・・・・・・・・・・・逃げるだすよ!」
「そそそ、ピューーーーーって!」
「「それーーー!」」
「ふざけんな!! バカ天使!!! 逃がすわけないだろ!! いい加減にしろ!! もう、羽もいでやるよ!! バサッバサッ! バサッバサッ!」
「痛たたたたた! ひどいだすな! もう少しで、本当に羽がもげるところだっただすよ。こんなにかわいい羽を掴むのは、反則だすよ!」
「あーーいてぇ!! ひどいよなー! もう少しで、神様の赤ちゃんにされるところだよ! 危なかったよ!」
「赤ちゃんって、キモイよ! お前らさー、どうしようもないバカだし、ビカムに嫉妬するし、昇天するし、ほんとーーーに、役に立たない天使だね!! どうなってるんだよ、天使界は! これはもう、ミカエル君に意見しないとな!」
「えっとー、それはなしだすよ。そういうのは、考えちゃだめだすよ」
「そうだよなー。なんかこう方向性っていうか、やり方っていうか、歪んでるよなー」
「あれっ! なんだ、そっか、そっか! じゃ、ま、そういうことで、ちょっと電話してくるわ! ピューーーとね!」
「ち、ちょ、ちょっと待つだす! それは、ちょっとマツダスタジアムだす! なんちってだすよ!」
「そそそ、今、働こうと思ったのになー、言っちゃうだもんなー! それはないよなー!」
「へぇーーー! そう。それなら、玉藻御前をやっつけてくれるんだね? まあ、そしたらさ、神様はできた上司だし、立派な人だからさ、ミカエル君に連絡するのを、少しは考え直そうかなーーー」
「なんかムカつくけど、仕方ないだす! もう、あれ、やるだすよ、シャムネコ! うちらの『融合』! これなら、あんなヤツ目じゃないだすよ!」
「そうだな! ほんとにムカつくけど、やるか! あれを! ついに、出しちゃうか! エリート天使たちの『融合』だからな、半端ないぜ! よしっ、行くぞ!」
「おうだす!」
「You go! ポカッ!」
「あっ、痛て!」
「You go! ポカッ!」
「あっ、痛て! って、てめーら何してくれちゃってんだ! 神様の頭をポカポカ叩きやがって、ふざけんなよな! それ、なんだよ! そんなんで倒せるわけないだろ!!! いい加減にしろよな!」
「あれ、行かないだすよ! おかしいだすなー!」
「だよなー! あっ、そっか、英語が分かんないのか。こりゃ、また失礼しましただね!」
「もうーーーダメ! もう怒った!! 怒りの限界点、越えたね!!! ピポパッ! もしもし、ミカエル君、あのさーおたくのバカ・・・」
「おっと、いけないだすよ! プチッ! ツーツーツー!」
「可愛い冗談じゃないですかー? またまた、すぐに怒るんだからさー!」
「てめー! ピポパスマホ取るなよなー! 何、勝手に切ってんだよ! 神様がイタ電したみたいになるだろ。ビカムはまだ寝てるからいいけど、この状態で、精神攻撃されたら、やばいんだから! って、玉藻御前が聞いてたよ!」
「フハハハハハハ! そいうことか、さすがはエロ勇者! エロさ加減が半端ないな! 魔王様! 魔王様! 狐耳美女のご用意を・・・さすれば、妾が止めを刺して、あとかたもなく塵としてみせましょう! クックックック!!」
「ぎゃーーーーーー! ばれた! ばれたよ! どうすんだよ! バカ天使! なんとかしろよ!」
「それ、神様のせいだすよ! うちら知らないだすよ!」
「だよな! 上司の尻拭いを部下にさせるのはサイテーだよなー!」
「うーん、狐耳美女・・・」
「まずい、まずいよ! ビカムが起きそうだよ、反応してるよ! どうしよう。どうすればいいんだよ。ねぇ! ねぇ! この展開、どう乗り切ればいいの? 教えてよ! って、誰も聞いてないか! 屑天使はいるけど無視ね!」




