35 勇者の仲間
「パラララッパ、ラッパー!! サキエルが仲間になった!」
「パラララッパ、ラッパー!! シャムネコが仲間になった!」
「おいおい、てめえ! ふざけんなよな! シャムネコじゃねーよ! 仲間の名前が固定されちゃうだろ! 俺はシャムシエル! シャムネコはダメ! それになんだラッパー、ってアホじゃん! やり直し!!」
「良いだすよ! そんなことは、どうでも!!」
「良くねーよ!」
「細かいだすなー、ジャムネコは! そんなんだからモテないだすよ!」
「関係ねーだろ、そんなことは! さっさと名前と音、直せよ!」
「えー、もうラッパしまっちゃっただす! 直せないだす!」
「ふざけんなよな! お前だけだよ! それで良いとか言うのは!」
「そうだすかー、神様ぁ~、良いだすよね?」
「あのさー、お前ら、さっきからラッパ吹いて何してんの? 物語の頭から出てきて何してんの? いつまでも何してんの? の四天王寺だよ、3つだけど! なんちってだよ! さっさと天界に帰れよ! いつ、誰が仲間にしたの?」
「こいつだす!」
「こいつだね!」
「うん! 僕! ビカム!」
「ふたりで示し合わせたようにバカを指すな! 何でビカムが許可してんだよ! 神様聞いてねーよ! それにバカ3人も連れて冒険できねーよ! 大変なことにしかならないよ! なんで着いてくるのかなー」
「またまた~、嬉しいくせに! ツンデレ神様なんてキモイだすよ!」
「そうだよな~! 内心はキャホーのくせにさー!」
「うん! 僕! キャホー!」
「誰を突っ込めばいいの? それさーどいつに突っ込み入れればいいか分かんねーよ! 3バカトリオ結成すんなよ!! あっ、そういえば、そんなことより狸耳娘たちはどうしたんだよ! お前らお仕事さぼって逃がしたのか!!!!」
「そんなこと、しないだすよ! サンちゃんに預けてきただす!」
「うんうん! あとはよろしくーって言ったよなー!」
「じゃ、ま、そういうことで、魔王退治はよろしくー!」
「もうさ、とりあえず、ビカムは無視ね! 話しがややこしくなるからね! で、サンちゃんって誰? 誰に預けてきたの? またバカやって敵の手に渡したんじゃないだろうな! もし、それしてたら、お仕置きだからね!」
「疑り深いなー! うちら天使だすよ! 神に仕える聖なる存在だすよ!」
「そうだよな! サンちゃんは三途の川のばあさんですよ!! いやだなー! 疑うなんて!」
「うんうん、神様ってそういうやつだからさー!!」
「えーーっと、ビカムは腹立つけど無視ね!! って、お前ら、三途の川って全員やっちゃったの? 鬼畜天使全開?? どこが聖なる存在だよ! とんでもねぇ鬼畜やろうじゃん! やっぱこいつら堕天させないとダメかねー?」
「違うだすよ! 誤解だすよ! 奴らをサンちゃんに渡しただけだすよ!」
「そそそ、じゃ、ま、そういうことで! ピューー-! ってだけだよな!」
「上手い! でも、ざぶとんは1枚だなー」
「どこが上手いんだよ! バカビカム! なにがピューーーだよ! それ逃げてんじゃん! 丸投げしただけじゃん! あとで閻魔様から苦情くるよ! 神様が叱られるよ! 何してくれちゃってんだよ! バカ天使!!」
「へっへっへっ! そこは抜かりないだすよ! バカじゃないんだから!」
「ふたりとも『吸血姫用バニーのづら』被ってましたから、バレませんよ! サンちゃん、きっとカチカチ山のうさぎかなーって思ってますね。うんうん! 何も言ってませんでしたからね!」
「え! ウサ耳姫なの?」
「やっぱバカだ! こいつらアホすぎる! 羽生えてて、全裸でバニーのづら被ってバレないのって、相手がビカムのときだけだよ! サンちゃんもそんな変なの来たら唖然、呆然で絶句するよ! 本当に使えねー天使だな! お前ら!」
「あーーー、パワハラだす! 録音するだす! 裁判沙汰だす!」
「録音OK! あとは労働基準局に持ち込んで、弁護士さん探そう!」
「おおお、さすが魔王を倒す天使! お仕事早いなー!」
「ムカつくねー! 3バカで来られると、ほんとーーーにムカつくねー! どうしてくれよう! このバカども! って、物語一歩も進んでねーよ! 情報収集もできてねーよ! ・・・・でも、さすがに神様、疲れて来たよ!」
「あんまり無理するとポックリ逝くだすよ!!」
「そうだよなー。ポックリにポックリするよなー!」
「でも、ポックリも幸せポックリかもねー!」
「何がポックリにポックリするよだよ! 幸せポックリってなんだよ! どんな意味だよ! 新しい日本語作ってんじゃねーよ! お前らのは、早く逝けっていう、悪意しか感じられねーよ!! サイテーなやつらだね!」
「アハハハハ! 神様、うちらに心配されたんで照れてるだすよ!」
「うんうん、一日一善! 今日も頑張ったなー」
「幸せポックリが照れポックリだね!」
「照れてねーよ! 悪意向けられて照れるやつなんていねーよ! 今日はまったく物語進まなかったじゃん! バカトリオ結成っていうマイナス成果だけだよ! ・・・でも、もう仕方ないね! バカども連れて進めるしかないね!」
「「「じゃ、ま、そういうことで、お休みなさーい!」」」
「なんか、ものすごく冒険のハードル上がってるんですけど・・・! ひどいよね、神様に優しくないよね、この展開!! 3人揃ってお休みとか言っるし・・・。おい、お前ら、お休みはないからね! ほら、行くよ!!!」




