人類最強
思い付きで書いただけであり、色々と拙い所はあるかと思いますが、読んでくれるとうれしいです。
日本では、妖の存在が明るみに出ていた。妖は人々を襲い、様々な悲劇を起こした。しかし、黙ってやられているだけでは無かった。直ちに妖が住む村などを特定していき、制圧を試みるため、軍を送った。妖は、それを読んでいたのか、奇妖町と呼ばれる町へ向けて、軍勢で進撃していた。
地平線の向こうにこちらへ近づいている妖の軍勢が、男の目に映った。そして男は携帯電話を取り出し、どこかへ電話をかけた。
「確認したぜ、あれを追い返しゃあいいんだな?」
軽い口調で男はそう言う。
電話の向こう側の主はただ一言そうだ、とだけ答えた。
それを聞いた男は電話を切り、ポケットへ携帯をしまった。男の腰周りには何か札のようなものをぶら下げているだけで、他はいたって普通の服装をしていた。
やがて、男の前に妖の軍勢はやってきた。妖達は特に男の事を気にも留めていないようで、通りすぎようとした。次の瞬間、男の横を通った妖が勢いよく吹き飛んだ。別に地雷などを踏んでしまった訳ではない。男が自分の右腕を妖へ向けて振ったからだ。
その光景をみた妖達は即座に各自臨戦態勢に入った。
「悪いねえ、ここから先へ行かせる訳にゃあいかないんでねえ。ちょいと帰ってもらうぜ」
男は笑みを浮かべながらそう言う。妖達は何も言わず、男へと攻撃を仕掛けた。
その攻撃は壮絶なものだった。爪であろうものが空を切り裂く音や、爆炎が立ち昇る音、何かが大地を砕く音などが、10分以上続いた。
そして巻き起こった土煙が徐々に晴れていく。そこには妖達の前に立ちはだかった男だけが立っていた。
その周囲には妖達がうめき声を上げて倒れていた。
「命はとらねえよ、これに懲りて二度と町に攻めてくんじゃねえぞ」
ヘラヘラと笑いながらそう言う男の体はほとんど傷がついていなかった。
「お前・・何者だ・・」
妖が声を振り絞ってそう言った。
尚も男はヘラヘラしながら言う。
「俺か?回りからは人類最強って呼ばれてる」
人類最強は、その言葉を残すと、立ち去った。