第二羽 僕 友達ができたよ!
紫色の森を抜け、しばらくレンガの道沿いに歩くと海色の屋根の家が見えてきた
他に家は見当たらない。
「わあ あれがカインさんの家?」
「おうともさ!自慢の我が家だぜ!鍵開けるからちょっと待ってな」
「はーい」
しかし、周りをよく見ると雑草だらけの庭に怪しい色をしたキノコ、更には釘がとびでた歪な鳥小屋らしきものがあった …はっきり言って酷い有様だ
「おうふ…」
「開いたぞー入んな」
家の中は案外綺麗でさっぱりしていた。生活に必要最低限のものだけを置いているようだ
ちょっとした台所にタンス、テーブルと椅子、簡素なベット見受けられるのはそれぐらいだった
「まあ まず着るものだな スズメみたいなちっこいサイズのあったかな」
タンスの中は大きなサイズのものばかりでいくら探してもスズメサイズのものはなかった
カインの家なので当然と言ったら当然なのだが
「カインさんはおっきいもんねー なに食べてるの?」
「そりゃこっちのセリフだ 何食ってたらそんなちっこくなるんだ?」
「そんなにちっちゃいかな?僕五ヶ月にしては大きい方だと思うんだけど」
「…スズメには年の数え方から教える必要があるみたいだな…」
スズメは事実しか言ってないが…見た目的にはどう見ても10代なのだし
五ヶ月と言ったら人間でいうと赤ん坊である 言い張るには無理がある。
「…無いもんはしゃーない、市場に服買いに行くか!」
「いちばって何?」
「働いたりしたらもらえる金ってやつと交換で、色んな物が手に入る場所だ」
「そんなのがあるの!!人間ってすっごーい!」
「だが!スズメは留守番だ」
「ええええええ!?なんで!?」
「おまえ その下真っ裸なんだぞ!ここに来るまでは人に会わなかったからいいが
市場にはたっくさん人がいるんだ!怪しい奴がいたら通報されるぞ…衛兵にな。」
「!!!豚箱はいやーーー!」
「そうだろ?服はサイズ測ってやるから、家でおとなしくしとけ、な?」
「うん! 僕おとなしくする!」
そんなこんなで家に残ることになったスズメはカインにサイズを測ってもらった。
カインが家を出て、しばらくすると家の外から声が聞こえてきた 庭のあたりからだ
庭が見える場所にちょうど窓がある
「…家から出なきゃ大丈夫だよね」
窓をあけると、どこにも人影はないのだが確かに声が聞こえる
「だ…誰か居るの?」
茂みがもぞもぞ動いている 隠れているつもりなんだろうか?
「そこの茂み!茂みにいるんでしょ!誰ですか!」
「クックック…バレたなら仕方がない 聞いて驚け!俺の名はディーン!またの名を
草食系狼さんだああああ!!」
茂みの中から出てきたのは怪しい色をしたキノコを持った狼でした
「わああああ!!狼だああああああ食べられるぅぅぅぅぅ!!」
「おーい話し聞いてたか? 草食系だっつの、肉は食べませーん」
「なんだ 草食系なら安心だね!僕はスズメ!ところでディーンはここで何してたの?」
「そりゃーこのナウな狼に大人気のキノコ、若竹丸を採取してたのよ」
そう言ってディーンと名乗った狼はスズメにあの怪しい色をしたキノコを突きつけてきた
「若竹丸っていうのこれ?そんなに美味しそうじゃないよ?」
「美味しいから食べるんじゃないんだなこれが!こいつには魔力ってのが詰まってんだ」
「まりょく?」
「魔法の力ってやつさ!中にある魔力を吸い出して飲むと一時的にいろんなもんに化けられ るんだぜ!」
「へー… そんなのがあるんだ」
「ちっちっち!驚くのはまだ早い!この若竹丸の魔力をを100個一気に飲むとなずーっと化 けたもんでいられるんだ!」
「ディーンさんは若竹丸を集めてるの?」
「そうさ!俺は人間に憧れて憧れて憧れまくって、とうとう動物語と人間語両方を使いこな せるようになったんだ!だがな…」
そこまで意気揚々と話していたディーンは急に肩を落とし言った
「大体の人間は俺を見たら悲鳴を上げて逃げていくんだ。ひどい時には殺しにかかってきた りな。今時の狼は草食だって誰かに言ったことがあるけど今時の狼は俺だけさ
他の奴らは頭の硬い奴ばかりでな、肉ばっか食ってるから狼は怖いもんだって教えが
人間では当たり前だ」
スズメは自分もはじめ悲鳴を上げて怯えたことを悔やんだ
「あ、あの ごめんなさい…僕」
「お前は逃げなかったろ?ちゃんと今もこの俺の話を聞いてくれている。
そんだけで最初の悲鳴はチャラだ」
「ディーン…」
「まあそれで 人間になれば相手も逃げないし仲良くなれるんじゃないかと思ってな」
「今、若竹丸何個あるの?」
「それがな…99個なんだ!あと一つで俺は人間になれるんだ!」
「わあ!!僕も探すの手伝うよ!あ、でもここから出ちゃいけないんだった…」
「ここは一気に若竹丸が3個生えてたんだもしかしたら家の中にも生えてるかもしれないぜ !」
「わかった!探してみる!」
スズメは部屋を見渡してみた、が見当たらない。台所の水場、タンスの角
テーブルと椅子の足 少しカビているところもあったが若竹丸は生えていなかった
「あと探してないのは…ベットか」
上にはないようだ。床に寝そべり下を覗いてみると暗くてよく見えない。
鳥目は相変わらずのようだ 恐る恐る手を伸ばし探ると何かぶにっとした感触があった
「うひゃぃっ!!こ、これかなぁ?」
ぶにっとした物を掴んで手を引き抜くとそれは…怪しい色をしたキノコ、若竹丸だった!
「やった!!若竹丸だ!!」
「うおおおおおおおお!!やったなスズメ!!」
「ディーン!コレで人間になれるね!」
「おう!早速使うぜ!」
スズメはディーンに若竹丸を渡した
最後の一つを受け取ったディーンは4個の若竹丸を並べた
それにに手を向けると若竹丸から怪しい色をした光が出てきた!
光が抜けた若竹丸は至って地味な色になってしまった。
そしてディーンはどこからか怪しい色をした液体が入った透明な小瓶を取り出した
「これが若竹丸96個分の魔力が入った瓶だ。これに今日とった4個分をいれると…」
ほわほわと4つの光が瓶の中に入ると…なんと!爆発してしまった!!
爆発音があたりに響き渡り怪しい色の煙が昇る
「げほっ…ディーン!!大丈夫!?」
「ああ…そっちこそ大丈夫か? …失敗か、まさか爆発するなんてな」
「そんな…」
煙が晴れるとディーンがいたはずのそこには長い灰色の髪の男がいた。真っ裸で
「も、もしかして…ディーン?」
「?もしかするもしないもないだろ ほーらさっきまでと全然変わって、るぅ!!?」
「失敗じゃなかったんだ!!成功だよディーン!どう見ても人間だ!」
「うおおお!!やったぜ!これで俺も人間の仲間入りだぁーーー!!」
二人で喜び合っていると突然家のドアが壊れそうな勢いで開いた
「カインさん!!」
「お、おま!スズメ!!無事か!!こっちから爆発音が聞こえて変な煙が上ってったって
豆腐屋の娘さんが!!」
「僕は大丈夫だよ!家もどこも壊れてないよ!」
「そ、そうか なら良かった…」
どうやら長いこと全力疾走してきたようで、息も絶え絶えなカインのそばに駆け寄って
スズメは自身と家の無事を伝えた
「はー…ところで、そこの男は誰なんだ?見かけたこと無いし…何より全裸だし」
「あ、初めまして ディーンと申します」
「はあ、こちらこそ初めましてカインと申します」
「カインさん聞いて!僕 友達ができたんだ!」
「まさか…」
「あらためて紹介するね!僕の友達、ディーンだよ!」
スズメに友だちができました。
話すことがないので名前の由来を書きます
スズメ 可愛い鳥って言ったら雀だなー みたいな理由です
カイン コーヒー牛乳飲んでて、コーヒーはカフェイン
カフェイン→カインという感じ
ディーン 缶ジュース飲んでて、ハンディー缶って書いてあったんです
ハンディー→ディーンと言った感じ
至って適当です。はい ネーミングセンスがないんでだいたいどっかから持ってきています センスがある人に分けて貰いたいですね!
長々とすみませんでした では次回のろのろ更新ですがよろしくお願いします