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本探し
彼女は古書店で、1冊の分厚い本を手に取った。
妙にいかめしい装丁のその単行本の貢を少し捲って、元に戻す。
戻した時に彼女の手の平と木質の書架が触れた。少しだけ水けを含んだ木が、彼女の手の平に少しの感触を与えた。外の方をふと見ると、雨がかなりの勢いで地面へと衝突していた。障子の要領で、木材とガラスとを組み立てたドア窓が少しだけ開いており、そこから地面へと穿たれた激しい雨たちが侵入してくる。
彼女の靴下に水飛沫が飛来してくるため、彼女は1mほど、店の奥側へと移動した。
移動して、水に濡れることからは逃れたが、降り荒れる雨の音からは逃れられなかった。
季節は夏。中学生の彼女は夏休み。外は蒸し暑く、雨は土砂降り。天気が安定する様子はない。
彼女はひとりでに、本を探す




