11
久しぶりに起動した古いパソコンのようなか弱い機械音を上げながら、相手のマシンは徐々に力を失っていく。
最終的に全ての光を失い先ほどまであれほどの力強さを感じたマシンはただの鉄の塊と化した。
『勝負あり、20秒39で勝者 C・B!!!』
先ほどの声が再び力強く声がそう告げる。
『お疲れさまでした。先ほどの通路からお戻りください。』
それとは別の整然とした女の声が続けてそう告げる。
「すげぇな あんた」
元居た部屋へと戻ると興奮した様子のユーリがそう話しかけてくる。
「ミドルクラスを20秒って あんたとんでもねぇぐらい強いじゃねぇか」
「そんなにか?」
「あぁ しかも初出場だろ これは仕事の依頼が、、、」
「一応俺の経歴でっち挙げといてくれ」興奮気味にそう続けるユーリをさえぎって俺は告げる。
「えー できなくはねぇけど なんかもったいねぇな」
ぶつくさ何か言ってたのを無視して俺は時計に目をやる。時刻はちょうど8時をまわったところだった。
「やべぇ もうこんな時間か」そうつぶやくと。
「なんか用事でもあんのか?」ユーリが尋ねてくる。
「用ってよりかはおもりみたいな」
「なんだよそれ お姫さまでもかっぱらってきたのかよ」
あながち間違ってはいない指摘だったわけだが、
「とりあえず、頼まれてた銃だ」ユーリがそう言いながら茶色い紙に包まれた物体を差し出してくる。
「あんま表では出さないようにな ヤマトとは言えここは日本。一般人は銃持ってるだけでもアウトなんだから。」
「さすが 仕事が早いな それと、」
「情報だろ。用意しとくよ、きっかり一週間後に取りに来な」
「りょーかい 一週間後ね」
そう言って俺はユーリと別れ、教えてもらったルートから奈落を後にする。
地上からここへ来るためのルートはいくつもあるらしく、特定をさけるための工夫が何重にも施されているとのことだった。
行きと同じように無料の地下交通ネットワークでホテルに帰る。
部屋に仕掛けたトラップに作動した痕跡はなく、エリは相も変わらずぐっすりとベットの上で気持ちよさそうに熟睡していた。




