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俺の試合まであと15分となった。
「確認だけど、向こうは飛び道具なし こっちは12発まで」
控室で待つ俺にユーリが話しかけてくる。
「ほかの武器は?」
「何でもいけるぜ ナイフでも刀でも あとは、モーニングスターなんかもあるぜ」
「じゃあナイフを2本くれ」
「オッケー伝えとくよ」
「それと、覆面とかある?」
用意された安っぽいフルフェイスのマスクを身に付けて俺は会場に続く通路に通される。腰には懐かしくすら感じる銃をしっかりと感じる。会場は先ほど映像で見た通りの場所だった。硬い砂交じりの床の上に障害物としての数本の柱。円形に金網が設置された会場をカメラが隅々までとれるように設置されている。こちらの目の届く位置に観客はおらず場所は静まり返っていた。足を一歩踏み入れる。
先ほど聞いたところによると俺の勝ちに対するオッズは20倍ほど、引き分けでも6倍ほどの高倍率となっているようだ。生半可な対決にはならないだろうという覚悟を持って目の前からくるであろう敵を待ち構える。
反対側の通路から赤い一点の光が目に映る。
会場の煌々とした白いあかりにさらされてその躯体の全貌が明らかになる。
美しいとさえ思わせる黒光りした表面と弧を描いて地面に接する4本の足がそれが自然界から一線を画すものだと思わせた。大きさは1.5m程だろうか。
『ミドルクラス m₃ギャンビット VS. 覆面の挑戦者 登録名 C・B』
上から声が勢いよくそう告げる。
『レギュレーションD 10分間』
音とともに会場の上に5つ設置されたライトが左からひとつづつ赤くともっていく。
3.2.1.
それに合わせ心の中でそう言いながら、はやる気持ちを落ち着かせる
ゼロ
重い起動音とともに向かい合ったマシンが青い光を灯す。
俺は即座に銃を抜きその目とも呼べる位置に一発弾丸を打ちこんだ。
青い光の中央、唯一赤く光ったセンサーに向かって打ちこまれた弾丸をマシンは一本の足で即座に弾ぐ。
チッ 流石に無理か
傍の柱にいったん身を隠し次の行動に備えようとする、が
その瞬間、地面に打ちこんだ4本の細い足を弓のようにしならせ、マシンが一気に距離を詰めてくる。
咄嗟にナイフを取り出し、反撃を試みる。振り下ろされた足を躱しつつ、足の節に逆手で持ったナイフをねじ込む。ナイフがつっかえになって動かせなくなった足をよそに、本体と足の付け根に向かって、銃口を入れ3発弾丸を打ちこんだ。




