小学5年 夏
その日の午後の授業は道徳と総合。
…だったはずが、クラス担任が「今日は暑いからみんなでプール掃除で水遊びしよう!」とか言い出した…
普通学生がプール掃除する時は水着を着てやったり、着替えやタオルを持ってきて濡れても良いようにと万全に準備するのだが、その日突然言われた私たちは体操着に着替えるのみ…
クラスのみんなはそれでも楽しそうに準備する中、私はスポーツ用タオルはありながらも着替えがないこの状況を戦々恐々とする…
(みんな濡れた後のことは考えてないのかな…)
そんなことすら考えていた…
プールに移動してみんなは苦笑いする。
プールサイドには雑草が生えていて、プールは水が抜いてあるとはいえ、そこにはびっしりと苔が生えていた…
先生がブラシにたわし、水切りワイパーにバケツとみんなに適当に配る。私はデッキブラシを持ってプール内に降り立つ。
先生が「水出すよー!」と声かけてきて、ホースからプール全体に水を撒く
先生が空に向けて水を放ち放物線を描いて遠くの方まで水を撒けば、綺麗な虹も現れる。
そんな中、私は極力濡れないようにと先生の放つ水の動きを見極めつつブラシでプールを掃除していく。
ふと目線を上げると、濡れることも厭わずみんなは先生がかけてくる水をしっかりかぶっていた…
(着替えどうするんだろう…)
私はみんなのキラキラしい笑顔とは対称に楽しめない自分に嫌気がさしてきてデッキブラシで一心不乱に苔落としを頑張った…
それからしばらくしてのことだった。
女子たちの甲高い悲鳴が聞こえたのは…
私は慌てて顔を上げると、アイツが先生からホースを奪い取りヒャッホー!とテンション上げてクラスメイトみんながビショ濡れるように水量も上げ、思いっきり人に向けてホースを振り回してるのが見えた…
女子たちが般若の表情でアイツの名前を呼ぶが、アイツに水をかけられると怒りつつ満更でもない表情を見せて、「むしろここまで濡れたら今更じゃない?」と言いながら友達同士での水のかけあいまで始まってしまった…
私は呆然とその光景を見つつ、真面目にプール掃除をする。むしろ掃除してるのは私くらいで先生も笑いながら見守っていて、少しの苛立ちと混ざれない自分の性格への虚しさを感じ、1人苔と戦っていた…
そんな周りの声も聞こえなくなるくらい集中してた時だった。頭からバシャーと水をかけられたのは…
何が起こったのか分からなかった。一瞬の間の後顔を上げるとアイツの眩しい笑顔と手には水が入っていたであろうバケツ…
私は一瞬の内に理解してアイツにデッキブラシを向けてガチギレた。そこからはもう仲のいい女子も加わって男子対女子の水や汚水のかけ合いでみんなしてドロドロのビチョビチョに…
先生は流石に叱ってきて、最後にアイツからホースを奪い取ってプール全体を綺麗にしつつ、私たちの汚れた手足を流してくれて、保健室から借りてきていたバスタオルやスポーツタオルをみんなに配ってくれた。
みんなが帰っていく中、私やアイツ、私たちに加勢した友だちたちは先生に罰として片付けもやるという…
アイツが仕掛けてきて乗った私も悪いけど、理不尽すぎません…?
先生は私たちに着替えたら帰っていいと言われ、教室に戻った私たちは濡れて汚れた体操着から私服に着替え、濡れた髪も自分のスポーツタオルでしっかり拭いていく。そんな中、廊下で着替えてたアイツたちが入ってきて、私たちは大慌て。着替えは全員終わってたからまだ良かったけど、女子が着替えてるんだから確認取れと私が怒ると、アイツと男子たちはおせぇんだよと口を尖らせる。
「それよりさ、見ろよこれ!パンツまでぐっしょりなんだぜ」
とズボンを下げてパンツを見せてくる男子たちに女子は阿鼻叫喚…
「サイテー!!!」
と女子が叫ぶも、男子はそれが楽しかったのか、さらにはパンツも下げる始末…
私はサッと後ろ向いてアイツにどうにかしろ!と叫ぶとアイツは近くに寄ってきて
「見る?」
と自分のズボンに手をかけようとしてきたのでバチンッと背中を叩いてやった…
結局女子が男子の方を見ないようにして慌てて帰る準備をして脱兎のごとく教室から出ていく羽目になったのだった…
不定期投稿のため、次回更新は未定です
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