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小学5年 春

不定期更新の作品です。

小学校5年生になってすぐ、急な恐怖心で今までできていたことができなくなることが増えた。

その日は走り高跳びの試験の日だった。私は前日までは普通に飛べていた。でもその日、私の前に飛んだ人が思いっきりバーに引っかかって派手にすっ転んだのだ。私は急な恐怖心に苛まれ、走り出すことも躊躇して、やっとの思いで走り出せてもバーの直前でUターンしてしまい、試験はやり直し…

悔しくてしんどくて泣き出してしまった私に、先生は「端で休んでなさい」と言った…

「休めたら端のバーを使って練習しなさい」と言われ、私は壁際で恐怖心と闘っていた…

1番遠いバーではみんなが試験を続けていて、真ん中のバーでは試験が終わった人たちが自由に飛んでいて、私が使うバーは私1人…

悔しくて、惨めで、でも怖くて飛びになんていけなくて、涙はとめどなく溢れ続ける…

そんな時、足を怪我して松葉杖をついていたアイツが泣く私に「使って良い?」と聞いてくる。

私は涙が止まらず、頷くしかできない。

アイツは松葉杖を私のそばに置いて走り高跳びのバーを軽々と片足で飛び越えて笑う。

その笑顔は眩しくて私は涙を流す目をぱちぱちとする。

担任に怪我してるのに何やってるんだと怒られてるアイツも眩しくて目が離せない…

アイツが松葉杖を取りに私の側へ来た。

「簡単じゃん」

それだけ言ってアイツは離れていった。

慰めるでもなく、責めるでもなく、やり方を教えてくれるでもなく、ただそれだけ…

それがどれだけ嬉しかったかアイツは知らない。

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