第97話 朝の核
目が覚める。
穏やかではない。
優雅でもない。
いや――
まるで憂鬱と形而上学でできた新幹線に轢かれたかのように目が覚める。
起き上がり、意識があることをすぐに後悔する。
「私はフィクション…文字通りフィクション…今まさに書かれている――ああ、なんてこった――」
魂がバク転し、脳が爆発し、完璧なコピーでさえPTSDに侵される。
どうやら、そうらしい。
リアルゾーンはすべてをフィクションと見なす。
原始人でさえも。神々でさえも。
創造そのものでさえも。
そして私は、メタ構造という架空の基盤の中にある、架空の概念化として構築された宇宙論の中で生きている――
枕に顔面をぶつける。
「わかった。いや、もういい。宇宙論の話はもういい。あの忌々しい星の山に行って、何も聞こえなかったふりをしたい。」
ベッドから這い出てドアを開けると――
廊下は静まり返っていた。
全てのドアが閉まっている。
全ての魂がトラウマを抱えている。
ああ。パーティー全員がまだ実存的な崩壊を経験している。
「よかった。まだ壊れているんだ。」
私は首を振る。
セレーネはきっとまだ毛布にくるまって、ぶつぶつと呟いているだろう。
「中も外もない、ただ外だけがある――」
ケイルはきっと壁に不可解な図を描いているだろう。
ダリウスはきっと祈りで昏睡状態に陥ったのだろう。
オーレリアは、どうやら第一女神と繋がりがあるらしい誰かにキスをしたことを、まだ理解できていない。
セラフィナ?
彼女は宇宙を脅かすことだけで対処している。
文字通り私の魂に棲みつくシステムの女神、ニャでさえ反応しない。
私は心の中を探る。
Nya.exe が動作を停止しました。
このプログラムを再起動しますか?
はぁ。
「なるほど。創造が情報を詰め込みすぎて、私のAI女神を壊してしまったんだな。」
そして…私はリビングルームに入る。
そしてソファに座って…
私の冷蔵庫から私の残り物を食べている…
創造と永遠。
まるで長居しすぎたルームメイトのようだ。
創造は私のシリアルを神聖な蜜のようにむしゃむしゃ食べる。
永遠はあぐらをかき、足を揺らしながら、宇宙的な無邪気さでプリンカップを食べている。
二人とも私を見上げて、こう言うような顔をしている。
「ああ、おはよう。」
私の目がぴくっと動く。
「…えっと。私…あなたたち、もう行っちゃったと思ってたの。ほら、マルチバース規模の精神崩壊を起こした後でしょ。」
クリエイションは温かく、母のような微笑みを浮かべる。
「ああ、別れを言わずに帰るなんてありえないわ。」
エタニティはプリンのカップを持ち上げて微笑む。
「それに、あなたの料理は美味しいわ。」
私はゆっくりと歩み寄る。
「…冷蔵庫を全部食べちゃったの?」
クリエイションは首をかしげる。
「あれは有限の貯蔵庫だったの? 自動補充すると思っていたんだけど。」
「…どうやら、あなたが『自分』の部分を食べるまでは自動補充していたみたいね。」
エタニティは恥ずかしそうに小さな手を上げる。
「マナバッテリーを食べちゃったかも。」
「えっ、何だって?!あれが冷蔵庫全体の電源なのよ!!」
クリエイションは私の頭を撫でる。
「美味しかったわ。」
食料品のことでパニックになっている。
宇宙の存在たちが、まるで午前2時の大学生みたいに冷蔵庫を襲撃してきたから。
「さて、見て。」
私は鼻の橋をつねる。
「みんな、君の宇宙的なTEDトークの余韻に浸っているところだ。私のシステムの女神は反応がない。パーティーは感情的に死んでる。私は精神的に死んでる。冷蔵庫は文字通り死んでる。」
クリエイションとエターニティは顔を見合わせる。
それから私を見る。
そしてエターニティが囁く。
「しまった…」
クリエイションは空の容器をそっとテーブルに置く。
「ちょっと…君の仲間たちを圧倒しちゃったかもね。」
「ちょっと?!」
エターニティはまた恥ずかしそうに手を上げる。
「私が手を振ったら、猫娘の子供が一人泣き出した…」
「あれはアナだったよ、エターニティ。君が手を振ったら、恐怖で5歳も老けたんだ。」
創造は申し訳なさそうに微笑む。
「ただ、新たな女神に挨拶したかっただけなのに。」
私は椅子に崩れ落ちる。
「おめでとうございます。新たな女神は脳が溶けて、半分植物人間になってしまいました。」
「それは治ります。」
まるで風邪でも引いているかのように彼女は言う。
「精神が安定すれば、実存の重圧に完全に抵抗できるようになります。」
永遠は興奮して頷く。
「宇宙の真理を聞いても、倒れることはありませんよ!」
「やったー。楽しみだ。待ちきれない。」
創造は背もたれに寄りかかる。
「あなたの旅を手伝うために来ました。」
「…星の山の手伝い?」
彼女は頷く。
永遠はソファから滑り降り、私の方へと浮かんでくる。
「これからの道は危険です。
あなたがこれまで直面してきたどんなことよりも。」
創造:
「直接介入はしませんが…
導くことはします。」
私は瞬きする。
「…二人ともここに残るんですか?」
創造は温かく微笑む。
「ほんの少しの間だけです。
あなたとあなたの大切な人が回復するまで。」
永遠は誇らしげに付け加える。
「それと…冷蔵庫を修理しました!」
私は瞬きする。
冷蔵庫が再び動き出す――
ただ、中に…新しい銀河が3つあるような気がする。
「…私の冷蔵庫に星を入れてくれたんですか?」
永遠は満面の笑みを浮かべた。
「星のおかげで、冷たさが格段に良くなるんです。」
創造はうなずく。
「アイスクリームには最高の環境ですね。」
私はじっと見つめる。
そしてため息をつく。
「わかった。パーティーへようこそ。」
創造と永遠:微笑む




