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新しい女神  作者: ジュルカ
始まりの世界編
5/25

第5話 私は放火犯ではありません!

トロルは咆哮を上げ、体がさらに熱くなり、彗星のように炎をたなびかせながら頭を下げ突進してきた。


ニャのちび猫顔が目の前に現れた。


[警告:スキル検知 - ファイアチャージ]

[致命傷確率:100%]


「何だって?!今さらそんなこと言うの!?」


棍棒を振り上げ、燃え盛る炉のような目で迫り来るトロルに、地面が揺れた。


私は歯を食いしばり、腕に炎が渦巻いた。「私が見ている間は許さない!」


足を踏み鳴らし、足元で炎が爆発した。

「食らえ、クソ野郎!太陽の星だ!」


私はそれを投げつけた。


小さな燃え盛る太陽が私の手から飛び出し、戦場を轟音とともに駆け巡った。


トロルは咆哮を上げ、燃え盛る棍棒を振り回し、まるで悪魔のような野球選手のようにそれを叩き落とそうとした。


大間違いだった。


ドカーン!


世界が爆発した。


炎が森を飲み込んだ。木々は瞬時に蒸発した。衝撃波は何マイルも地面をなぎ倒した。鳥も、虫も、あらゆる不運な生き物も、消え去った。


塵が晴れると、静寂が訪れた。


灰は雪のように降り積もった。木々は?炭になった。地面は?黒焦げのガラスになった。森は?…もはや存在していなかった。


私はそこに立ち尽くし、息を切らしながら、自分の光る手を見つめていた。


「…しまった。しまった。しまった!しまった!!」


私は目を大きく見開いて、その場でくるりと回転した。「おい、あの攻撃、どんだけ威力があったんだよ!」


ニャは小さな猫耳をぴくぴくさせながら、私のそばで静かに浮かんでいた。


[説明:火の支配とは、火という概念そのものを絶対的に支配することです。あなたは火を操るのではなく、あなた自身が火なのです。無限のマナと融合することで、その破壊力は惑星の限界をはるかに超える規模になります。]


私は凍りつき、口がぽかんと開いた。


「…待って。つまり、生態系を核爆弾で破壊したってことか…」


[肯定]


「一撃で?!」


[正解]


私はくすぶる空に向かって叫んだ。

「ちくしょう、生態系ジェノサイドを犯してしまった!」


ニャは無邪気に首を傾げた。


[訂正:初心者ゾーンの生態系ジェノサイド]


「…それってマシじゃない!」


私は凍りついた。


ガリガリ…ガリガリ…


足音。いくつも。近づいてくる。


「しまった!人間だ!?」頭がショートした。


辺りを見回した。森――いや、かつての森――は焼けた土と灰で覆われているだけだった。文字通り、隠れる場所などどこにもなかった。


「しまった、しまった、しまった。もし見られたら、私が仕組んだと思うわ!」


私は燃え盛る、火を噴く自分の手を見下ろした。


「…ああ、そうか、もしかしたら私が仕組んだのかもしれないけど、それでも!」


私はくるりと回転し、荒野を駆け抜け、命がけで逃げた。トーガが風になびき、長い銀髪が後ろになびいた。


「だめだ、だめだ、放火罪でここに残る気はない!」


[冒険者の視点]


5人の冒険者小隊が、残った樹木の間から慎重に這い出てきた。


戦士、魔術師、僧侶、盗賊、そしてレンジャー。典型的なパーティ構成だ。


「なんてこった…」戦士は剣を下ろしながら呟いた。


魔術師は顎を緩め、眼鏡を直した。「ここは…ここは初心者の森だったのに…」


僧侶は両手を握りしめた。「天上の女神よ…消え去った。全部。」


盗賊は焦げた瓦礫を蹴った。「一体誰がこんな森を核爆弾で燃やしたんだ?これは火事じゃない。消滅だ。」


レンジャーはしゃがみ込み、地面に触れた。地面はまだ温かく、ほとんど溶けているようだった。


「…これは自然現象じゃない。魔法だ。」


彼らは皆、背筋に寒気が走りながら顔を見合わせた。


戦士は剣をぎゅっと握りしめた。「災厄級の怪物にしか、こんなことはできない…」


魔術師は息を呑んだ。「ならば…神よ、我らを助け給え。」


[我に返れ]


私は1マイルほど離れた、半分燃えた丸太の後ろにしゃがみ込んだ。息を切らし、額から汗が滴り落ちた。


「…よし。危機は回避。目撃者はいない。」


ニャが瞬きしながら目の前に現れた。


[不正解。現在、グラウンド・ゼロを調査している冒険者は5人いる。]


私は顎が外れそうになった。「何だって?!どうしてもっと早く警告してくれなかったんだ!?」


[こうすればもっと面白いと思ったのに。]


私は顔面を激しく叩き、気を失いそうになった。


「なんてこった、この世界に来た初日に災厄の怪物の烙印を押されてしまうなんて。」

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