表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
新しい女神  作者: ジュルカ
始まりの世界編
4/25

第4話 最初の戦い

森は静かだった。


静かすぎる。


その時、影が動いた。


ドカーン。


何かが踏み出し、踏み鳴らすたびに地面が割れた。


私は凍りついた。


狼でも、ゴブリンでも、トロルですらなかった。


トラックほどもある棍棒を持った、燃え盛る巨大なトロルだった。


「一体全体、何だ、これは!?」と私は叫んだ。


トロルは咆哮し、マグマを飲み込んだかのように口から炎を噴き出した。


「おい、あれはシュレックの鍛えた従兄弟か!?」


違う。違う、違う、違う、違う、違う。


「絶対に違う!」


私は踵を返して、ステロイドを打ったウサイン・ボルトのように走った。


枝が折れ、背後で火の玉が炸裂し、森全体がバーベキューのように燃え上がった。


「なんで火の玉を撃ってるんだ?一体どんなトロールがそんなことをするんだ!」


私は身をかがめ、転がり、燃え盛る炎の流星をかろうじて避けた。巨大な岩の後ろに身を潜めたとき、肺が息を切らして悲鳴を上げた。


ドカーン!


一秒後、岩は瓦礫と化した。


「ちくしょう、あそこが隠れ場所だった!」


トロールは足音を立てて前に進み出た。皮膚からは溶岩の汗のように炎が滲み出ていた。


「おい、こいつ火山でも浴びたのか!」


そして再び咆哮を上げ、棍棒を回転させた。巨大な火の玉が生まれ、まるで地獄から飛び出した野球ボールのように、棍棒で叩きつけられた――


そして、それはまっすぐ私めがけて飛んできた。


「待って――待って、いや――」


ドカーン!


森が揺れ、炎が木々を突き破り、すべてが白く染まった。




私は咳をした。耳鳴りがした。服は焦げたが――


「私…私…生き残ったの?」


私はかすかに光る自分の姿を見下ろした。私の神聖な体はまだ無傷だった。


「なんてことだ。本当に生き残ったんだ。」


しかし、トロルはまだ終わっていなかった。咆哮を上げ、口から燃えさしを雨のように吐き出し、再び私に向かって突進してきた。その目は悪魔の炉のように燃えていた。


「…ああ、もうだめだ。」


私の手は震えた。全身が震えた。しかし、私の中で何かが切れた。


「もうだめだ!」私は叫んだ。「シュレック強化なんて、死ぬほど嫌じゃない!コピー!」


視界がちらついた。


世界の動きが遅くなった。


私の目は青く輝き、燃え盛るトロルの体をデータのような流れが流れていった。私はそれを見ることができた――その本質、核、プログラムのように書き込まれた存在そのものが。


そして――


[完全コピー発動]


[スキル習得:炎操作 → 炎支配にアップグレード]

[パッシブスキル習得:溶岩耐性 → 絶対耐熱にアップグレード]

[隠し特性習得:トロルの血統 → 原初の炎の体格に完成]


情報が私の中に溢れ出した。体が燃え上がった――だが、燃えるわけではなかった。何かがしっくりきた。


炎が手袋のように私の手に巻きつき、髪は溶けた銀のようにきらめいた。


拳を握りしめると、皮膚から炎が噴き出した。


「…真似しただけだよ。」


トロルは突撃の途中で止まった。燃え盛る目を見開いた。


「ああ、そうだ。」私はニヤリと笑った。「お前の炎を真似したんだ。」


周囲の炎はより高く、より熱く、より強く、うねった。いや、ただ強くなっただけじゃない。完璧だ。


「もう火の玉は持ってない…」


私は手を上げた。巨大な炎の嵐が渦巻き、手のひらの上に燃え盛る太陽を形作った。


「…炎の支配を手に入れた。」


トロルは挑発するように咆哮した。


私はニヤリと笑った。「第2ラウンド、溶岩のブレスだ。行くぞ。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ