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新しい女神  作者: ジュルカ
フェスティバルアーク
211/221

第209話 フェスティバルの女王

穏やかな朝だった。


鳥のさえずり。


そよ風。


カーテンを優しく差し込む陽光。


そして私は?


私はぐっすり眠っていた。


完全に意識を失っていた。


アリスがくしゃみをして生態系を蒸発させないように、半夜かけて気を配り、ようやく――ようやく――夢見心地の、レム睡眠レベルの深い眠りに落ちた。


でも、人生は私を憎んでいる。


突然――


ノック。


私は無視した。


ノック!ノック!!


私は枕に顔を埋めてうめき声を上げた。


ニャが実体化し、ホログラムの目が細められた。


[奥様。誰かがドアの前にいます。]


「まさか…」私は毛布に顔を埋めて呟いた。


[正体:ダリウス。]


片目を開けた。


「また奥さんから逃げているの?」


[たぶんね。]


深くため息をつき、ベッドから這い出た。隅でまるで霊妙なルームメイトのように静かに瞑想しているルナにつまずきそうになりながら、よろめきながらドアへと向かった。


ドアを開けた。


そして…


…兄貴。


兄貴。


ダリウスはまるで19の現実を駆け抜け、自分のクローンと戦い、負け、蘇り、また戦い、そして母親に説教されたような顔をしていた。


髪は逆立っていた。

目は充血していた。

表情は純粋な後悔のエッセンスで満ちていた。


まるで3日間寝ていないかのようだった。


「あの」と私は瞬きしながら言った。「大丈夫?まるでアフロディーテとセックスして、奥さんにメールするのを忘れたみたいね。」


彼は笑わなかった。


ニヤリと笑うこともなかった。


彼は瞬きさえしなかった。


彼はただ、水晶球のプロジェクターを私の手に押し付けた。


「見て」と彼は囁いた。


「…いいかい?」


私は球体をタップした。


ホログラム放送が部屋を満たした。


アナウンス


世界評議会のシンボル。

トランペットの音。

多言語で話すニュースキャスター。


そして…


テキストが表示された。


世界祭典のお知らせ:

救済の祝典。

新女神の時代の始まり。


私は瞬きをした。


「…新女神?誰?」


ダリウスは唾を飲み込んだ。


「あなたです。」


「私ですか?」


「あなたです。」


「なぜ?」


「あなたが世界を救ったからよ!」


「あれは3ヶ月前のことなのに!!」


放送は続いた。


新たな女神の祭典

―下層地帯を救った者を称える世界祭―


私はじっと見つめた。


ぎゅっと。


そして次の一文が、まるで神の平手打ちのように突き刺さった。


新たな世界宗教の創設:リリアリズム

下層地帯の救世主、リリア・フォスターに捧ぐ。


私は凍りついた。


ダリウスも凍りついた。


ニャも凍りついた。


ルーナでさえ眉を上げた。それは彼女にとって衝撃の叫び声のようなものだった。


「…リリアリズム?」私は囁いた。


ニャは私の目の前に定義ウィンドウを投影した。


[リリアリズム:下層圏の新たな女神、リリア・フォスターを称えるために形成された信仰体系]


「私は…え、え、え、えっ?!」


私は頭を抱えた。


「リリアリズム?!一体全体、何だって?!」


ダリウスは顔をしかめた。「ああ。お前ならそう反応すると思ったよ。」


「なぜ私の名を冠した宗教があるんだ?!なぜ誰も私に尋ねなかったんだ?!なぜ誰も止めなかったんだ?!なぜ…なぜ私なんだ?!」


ダリウスはどうしようもなく肩をすくめた。


「世界の指導者たちが投票したんだ。どうやら君の承認は…暗黙の了解だったようだ。」


「誰が暗黙の了解だって?!」


ダリウスはため息をついた。


「全世界だ。」


私は再びホログラムを見つめた。


至る所に人だかり。


横断幕が掲げられている。


彫像が作られている ― 私の彫像だ。


おもちゃの剣を持って走り回り、「新しい女神!」と叫ぶ子供たち。


聖職者たちが賛美歌の練習をしている。


私の顔がプリントされた商品を売る商人たち。


私の顔。


旗に。


祈祷書に。


ろうそくに。


「なんてこった!グッズまで作られてるなんて!」私は叫んだ。


ニャは買い物リストを読むかのように頷いた。


[正解。世界市場でリリアリズムの商品が大量生産され始めている。]


「Tシャツがあるなんて!?」私は息を詰まらせた。


[肯定。]


「なぜTシャツが存在するんだ!」


「みんながあなたを愛している」ダリウスは弱々しく言った。


「違うわ、彼らは私のことを気に入っているのよ! 私のことなんて知らないのよ! 私は神なんか…神なんかじゃない! 聖典すら持っていないのよ!」


ニャはまた何かを投影した。


[間違い。既に複数の国があなたの戦闘演説に基づいて聖典を起草しているわ。]


「…私が何を?」


[戦闘演説。神に向かって叫んだあれ。聖典になったのよ。]


「『彼女を蒸発させるのをやめろ』と叫んだあの時のことが、今や聖典になっているなんて!?」


ニャはうなずいた。


[ええ。]


私は膝から崩れ落ちた。


これだ。


こうして私は死んだ。


恥辱による死。


[不安レベル:最大]


ダリウスが私のそばにしゃがみ込んだ。


「よし…深呼吸して。」


「この家では呼吸は禁止だ」と私は呟いた。「呼吸は停止している。」


少し時間が経った。


彼は咳払いをした。


「まだ…ある。」


私は彼を睨みつけた。


「何?まだ。」


彼はまた別のクリスタルを掲げた。


それを鳴らす。


アナウンサーがさらに登場。


紙吹雪がさらに舞う。


歓声を上げる人々が増えた。


そして…


見出しが。


「第1回リリア・フェスティバル、明日開幕!」


女神リリア・フォスターを称える世界的な祝日。


「…明日?」と私は囁いた。


「明日だ」とダリウスは繰り返した。


私は彼を見つめた。


「冗談でしょ」


「そんなつもりはない」


「いや、でも覚悟はできているはずだ」


「そんなつもりはない」


「いや、ダリウス、まだ休暇の準備なんてできていない!」


「分かってる」


「休暇の準備に使えるヘアケア製品は、この世に足りないんだ」


ダリウスはこめかみをこすった。


「そんなことを言ったら、彼女に殺されるよ」


私は凍りついた。


オーレリア。


オーレリア。


私がゼウスに勝ったと聞いて気を失ったあの女。


前回世界が私を称賛した時、誇りのあまり再び昇天しかけたあの女。


今でも私が彼女の手を握ると顔を赤らめるあの女。


ああ、だめだ。


ああ、とんでもない。


「オーレリアの王国では最大級の祭典が開催されているんだ」とダリウスは優しく付け加えた。


私は叫んだ。


ルーナはため息をついた。


ニャの表情は変わらない。表情がないからだ。だが、彼女の口調は同情に満ちていた。


[女王様、統計的な予測によると、抵抗は無駄です。世界はすでにあなたを神格として受け入れています。]


「私は神格になりたくないんです!」


「なら、やめろ」とダリウスは言った。「ただ…現れろ。」


「現れる?!何に?!」


彼は指折り数えた。


「パレード、祝福の儀式、スピーチ、ろうそくの儀式、ゼウスとの戦いの再現――」


「え、何だって?!」


「――そして花火も。」


「……花火は――?」


「あなたの力よ。」


私は顔を両手で覆った。


逃げ場はない。


走ることもできない。


隠れることもできない。


異次元にテレポートすることもできない。


「偶然」ヌルゾーンに落ち込むこともできない。


私は正式に世界の新しい宗教になった。


まだ髪をとかしてもいなかった。


その時――アリスが現れた。


背後のドアが開いた。


アリスが顔を覗かせた。


寝ぼけたブロンドの髪。


青いドレスはわずかにしわくちゃだった。


彼女の瞳はまだ温かく、柔らかだった。


「……リリア?」彼女は静かに尋ねた。「どうして叫んでいるの?」


私はゆっくりと彼女の方を向いた。


「どうやら」私は真剣な顔で言った。「世界中が私のためにお祭り騒ぎをしているみたいね。」


アリスは瞬きした。


「…誕生日パーティーみたいな?」


「それよりひどいわ」と私は言った。「祝日なのに。」


彼女はまた瞬きした。


「…いい誕生日パーティー?悪い誕生日パーティー?」


「わからない!まだ実感が湧かないの!」


アリスは首を傾げた。全く無邪気だった。


「…行ってもいいの?」


私はじっと見つめた。


「行きたいの?」


「ええ。」彼女の声が明るくなった。「楽しそう。」


ダリウスは咳払いした。


「ああ、きっと楽しいわね。」


アリスは微笑んだ。


「じゃあ…行きましょう。」


彼女の答えの簡潔さに、私は凍りついた。


まるで誰かが温かい太陽の光を胸に注いでくれたようだった。


アリスは宗教を見なかった。


政治も。


世界の圧力も。


彼女が見たのは…


お祭り。


食べ物。


音楽。


光。


幸せに暮らす人々。


そして、故郷と呼べる世界を持ったことのない彼女にとって…


もしかしたら、それが彼女には必要だったのかもしれない。


私は深く息を吸い込んだ。


ゆっくりと息を吐いた。


そして立ち上がった。


「…わかった。」


ダリウスは瞬きをした。「え、本当?」


「ああ」と私は呟いた。「世界が私のためにパーティーを開くなら…別に構わないわ。

それに。」


私は指の関節を鳴らした。


「…私も乱入するわ。」


アリスは嬉しそうに手を叩いた。


ルーナは一度頷いた。


ニャはチェックリストを映した。


ダリウスは安堵の笑みを浮かべた。


私は?


私は覚悟を決めた。


だって明日は…


世界中が私の名前を呼ぶのよ。


笑うべきか、泣くべきか、それともオーレリアの後ろに隠れて彼女に任せるべきか、私には分からなかった。

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