第198話 終わりの始まり
玉座の間に辿り着く頃には、王国の上層は血で染まっていた。
大理石の廊下はひび割れ、柱は肋骨の折れたように傾き、黄金の天井には、私を止められると考えた神々の焦げ跡が残っていた。
しかし、止めることはできなかった。
スカーフは破れ、ベストは神聖なる精液で染まっていた。ジョワユーズは私の背中で空腹に鼻歌を歌っていた。ニャの存在は私の傍らで安定し、銀色の髪はデジタルの星明かりのように揺れていた。
「バイタルは?」私は静かに尋ねた。
[安定。怒りのレベルは高まっているが、抑えられている。]
「よし。」
私は玉座の間の扉に手を置いた。
扉は巨大だった。オリンポスが勝ち取ったあらゆる勝利が刻まれていた。鎖につながれた巨人。征服した世界。跪く人間。
私は押した。
扉が爆発して開いた。
玉座の間は広大だった。まるで空全体が屋内に吊り下げられているかのようだった。星座が描かれた丸天井の天空の下に雲が渦を巻いていた。柱に沿って稲妻がちらちらと光っていた。その中心には――
ゼウスが。
何気なく座っていた。
まるで結果そのものを支配しているかのようだった。
彼は驚いた様子もなかった。
「それで」と彼は言った。声は封じ込められた嵐のようにこだました。「異常現象が到来した」
私はゆっくりと前に出た。
「あなたがオリンポスの王なのですか?」私は首を傾げた。「見分けるのは難しいですね。下層地帯のあらゆる生命体を誘拐し、私の友人を凍らせ、私の恋人をキューブに閉じ込めました。それで『上層』からの拍手喝采を期待しているのですか?」
私はジョワユーズを抜いた。
剣が歌った。
「あなたが得る唯一の功績は、千切れた死だけだ」
ゼウスは立ち上がった。
彼は過剰な筋肉質ではなかった。派手さもなかった。ただ、堅固で、絶対的だった。彼の目には抑えられた雷鳴が走っていた。
「お前が来るとは思っていた」と彼は冷静に言った。「天使を殺し、神々を屠る異端者。神殺しだ。」
稲妻が彼の腕に巻き付いた。
「でも、どうせ退屈だったんだ。」
彼は指を鳴らした。
空気が裂けた。
そして彼らは現れた。
一人ずつ。
あらゆる神々から。
真の神々。昇天した神々。原初の権威者。
まず10人が前に出た。
ラー ― 絶対的な輝きを放つ太陽の君主。
オーディン ― ルーンと運命の全父。
アマテラス ― 永遠の炎の太陽の女王。
ハデス ― 冥界の支配者。
シヴァ ― 抑制された姿をした宇宙の破壊者。
トール — 嵐の処刑人。
アテナの下等な顕現 — 戦略の化身。
イシュタル — 戦争と欲望の女神。
テュール — 誓約を束縛する神。
マルドゥク — 神聖な秩序の設計者。
そして彼らの背後には —
さらに数百もの神々。
神の圧力が重なり合い、ついには現実が歪められた。
ニャの声が即座に割り込んだ。
[警告:ゼウスは認知操作アーティファクトを使用。パンテオンの総意は覆された。彼らは強制されている。]
当然だ。
神格アーティファクト。
精神支配。
典型的な、不安を抱えた暴君の行動。
ゼウスは純粋な稲妻の刃 — サンダーブランドを掲げた。
「彼らはこの天界の神々だ。それぞれが宇宙を創造し、あるいは消滅させることができる。」
彼はかすかに微笑んだ。
「もうすぐ終わるぞ、坊や。」
私は肩を回した。
「もっとひどいものも見てきた。」
ゼウスは剣を振り上げた。
「突撃だ。」
そしてオリンポスが爆発した。
ラーが先に動いた。
太陽の爆発が部屋全体に広がり、小さな星が私に向かって崩れ落ちてきた。
私は消えた。
その上に再び現れた。
「究極の物質創造。」
私は星を大理石ほどの特異点に凝縮し、弾き返した。
ラーが盾を掲げる間もなく、爆発は彼の黄金の戦車の半分を蒸発させた。
トールのハンマーがすぐに続いた。
私はジョワイユーズを横切った。
衝撃。
衝撃波は神聖な大理石を数キロメートルにわたって粉砕した。
オーディンのルーンが発動し、空間が閉じ込められた。運命の糸が私の手足に巻きついた。
「かわいい。」
「コレクションを書き換えろ。」
糸が切れた。
私はテレポートし、トールを回し蹴りで三本の柱に叩きつけた。
アマテラスはまばゆいばかりの白い炎の柱となって降臨した。
シヴァの第三の目が開き始めた。
ハデスは骸骨の手を伸ばし、冥界の鎖が上へとうねり上がった。
私は息を吸い込んだ。
「エレメンタル・トゥルー・アルファ。」
炎が私に向かって伸びてきた。
稲妻は方向を変えた。
死の鎖は空中で凍りついた。
万能のシルクメーカーが起動した――
私の指先から黄金の糸が噴き出し、詠唱中のイシュタルとティールを縛り上げ、向かい合う壁へと投げつけた。
シヴァは目を完成させた。
消滅光線。
私はジョワイユーズを横切り、斬りつけた。
光線は分裂した。
シヴァはよろめいた。
トールは大気層を粉砕する雷鳴とともに戻ってきた。
私はその中へと足を踏み入れた。
「無限の力。」
雷鳴は霧のように消え去った。
マルドゥクは戦場の法則を書き換えるため、宇宙のグリフを放った。
私は瞬きした。
「完全な法則の創造。」
彼のグリフは消え去った。
ゼウスは、彼の神々が私と戦うのを静かに見守っていた。
玉座の上空に嵐の雲が渦巻いた。
オーディンはグングニルを振りかざした。
私は突き刺そうとする槍を受け止めた。
ねじり、
折れた。
オーディンは信じられないという表情で、砕けた聖遺物を見つめた。
ハデスは冥界の精霊の軍団を召喚した。
「星喰いの者」
私は息を吸い込んだ。
全軍が跡形もなく消えた。
トールとラーは力を合わせた。太陽と嵐が融合し、消滅の超巨大空間が生まれた。
私は避けなかった。
私はその中を踏み抜けた。
彼らの目は大きく見開かれた。
私はトールの顔を掴んだ。
彼をラーに叩きつけた。
二人の神が玉座の横のバルコニーから墜落した。
部屋が激しく揺れた。
ゼウスはついに動いた。
ほんの一歩。
部屋全体が凍りついた。
時間が遅くなった。
重力が逆転した。
雷鳴は一筋の、集中した刃へと集まった。
「お前は素晴らしい」とゼウスは認めた。「だが、まだ玉座の下にいる。」
彼は姿を消した。
再び私の前に現れた。
サンダーブランドが降りてきた。
私はジョワユーズと交差した。
衝突はオリンポスのスカイラインを破壊した。
稲妻は存在の層を切り裂いた。
私たちの刃が交差した。
「お前は自分が神よりも上だと思っているのか?」と彼は唸った。
「信じない」と私は冷静に答えた。
私は彼に頭突きを放った。
雷鳴が外へと爆発した。
ゼウスは後ろに滑り込んだが、倒れなかった。
彼の後ろで、残りの神々が再集結した。
シヴァは部分的に宇宙の姿へと変容した。
ハデスは冥界の領域を拡大した。
オーディンはラグナロク級のルーンを唱えた。
ゼウスは手を挙げた。
「完全な支配。」
全ての神が同期した。
彼らの力が繋がった。
万神殿統合アレイ。
玉座の間全体が神聖な処刑場と化した。
10のアセンドレベル・シグネチャーが融合した。
現実が内側へと崩壊し始めた。
ニャの声は鋭くなった。
[警告:複数神々への収束攻撃。推定出力:階層崩壊]
ゼウスは私を指差した。
「彼女を消せ。」
光線が降り注いだ。
光ではない。
雷ではない。
権威。
概念層を越えた存在の否定。
私は目を閉じた。
一息。
そして――
「解放された複製。」
一瞬のうちに、私は収束アレイの構造をスキャンした。
パンテオンの同期。
権威の階層化。
神の合意。
コピー完了。
完成。
進化。
「解き放たれた混沌。」
彼らの攻撃は私に届き――
そして分裂した。
半分は上へ、
半分は下へ。
光線はオリンポスの天井を突き破り、虚ろな神層を蒸発させた。
神々はよろめいた。
彼ら自身の攻撃が彼らの陣形を崩した。
私は目を開けた。
「合体すれば、予測可能だ。」
私は電撃攻撃を仕掛けた。
無数の残像が噴き出した。
ジョワイユーズが閃光を放った。
まずトールが倒れた。
次にイシュタルが。
ティールが崩れ、神の誓いは断ち切られた。
ラーの太陽核が揺らめいた。
シヴァは防御のために目を引っ込めた。
オーディンは運命の逆転を試みた――
「論理の異端者。」
それは失敗した。
ゼウスは咆哮した。
彼の体から惑星のような弧を描いて稲妻が炸裂した。
彼は今、独りで突撃した。
王ではない。
策略家でもない。
ただ父が激怒しただけだった。
我々は空中で衝突した。
サンダーブランドとジョワユーズは互いに叫び合った。
嵐と異常が対峙した。
「天に逆らうとは!?」ゼウスは雷鳴を轟かせた。
「お前は私の家族を誘拐したのだ。」
私は再び彼の頭突きを放った。
彼は12本の神柱を突き落とす雷撃で応戦した。
我々は玉座の台座を突き破った。
雷雨は制御不能に渦巻いた。
残りの神々はためらった。
恐怖が忍び寄ってきた。
ゼウスはサンダーブランドを地面に叩きつけた。
床は神聖な深淵へと崩れ落ちた。
「跪け」
私は落ちてくる大理石の真ん中で直立した。
「だめだ」
私はジョワユーズを掲げた。
刃が動いた――銀の刃先が、芯で黒く輝いた。
アテナの囁きがかすかに響いた。
「ジョワユーズは勝利を認める」
ゼウスは再び突進した。
私もそうした。
衝突はオリンポスの地平線を爆破した。
そしてこれは――
これは始まりに過ぎなかった。




