表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
新しい女神  作者: ジュルカ
天体アーク
190/218

第188話 最終警告

次の日は静かにやってきた。


あまりにも静かだった。


私は城門の外、死に方を忘れた屍のように石の上に寝そべっていた。夜勤は過酷だった。私のような人間でさえ、ダクトテープと希望でかろうじて繋がっている世界を見守るのは、疲れるほどだった。


かすかに押されるのを感じた。


「リリア。」


オーレリアの声。


片目を開けると、彼女がそこに立っていた。まるで絵画のように太陽の光を背に、コーヒーカップを持っていた。


「…天使みたいね」と私は呟いた。


彼女は優しく笑い、カップを私に手渡した。「寝ている間に神と戦ったみたいね。」


「夜勤は戦争犯罪みたい」と私はうめきながら起き上がった。「衛兵はどうやって毎日こんなことをしているの?」


「訓練。規律。そして実存的な恐怖感の軽減よ」と彼女は私の隣に座りながらからかった。 「みんな起きてるわ。食事も準備もしてる。もうすぐ天界へ出発するわ。」


私は一瞬、凍りついた。


「…本当にやるのね。」


彼女は頷いた。「ええ、やるわ。」


私はコーヒーの湯気を見つめた。湯気は脆い平和のように渦巻いていた。


「その後どうなるか考えたことある?」と私は静かに尋ねた。「神々を殺したら…誰が人類を守るの?誰が祝福するの?誰が祈りに答えるの?」


オーレリアはしばらく黙っていた。


「…もしかしたら、彼らはついに自らを守る術を学ぶのかもね。」と彼女は言った。「あるいは、新しい守護者を選ぶのかもね。恐怖で支配しない守護者を。」


私はゆっくりと息を吐いた。「いずれ分かるわね。」


彼女は微笑んだ。「きっと分かるわ。」


そして…


すべてが変わった。


胸が締め付けられた。


オーレリアの表情が一瞬で一変した――原始的な本能が叫び声を上げた。


「リリア――」


彼女が言い終わる前に――


ニャの声が頭の中で爆発した。


[警告。差し迫った脅威。発生源:天界。標的:あなた。]


「何――」


オーレリアは考える間もなく動いた。


彼女は渾身の力で私を後ろに突き飛ばした。


まばゆいばかりの白い光線が、私が立っていた空間を突き破り――


――そして彼女に当たった。


「オーレリア――!」


しかし、光はそこで止まらなかった。


空が裂けた。


一本の光線も。


何千、何百万。


光は城、大地、地平線――


――そして遥か彼方まで、突き刺さった。


私は恐怖に震えながら、光線が皆を襲うのを見ていた。


ダリウス。

ロナン。

セレーネ。

ケイル。

ライラ。

セラフィナ。

フェンリル。

アニー。

ナリ。

エリーゼ。

ルーシー。

リサ。

精霊たち。

悪魔たち。

モンスターたち。


世界中。


大陸を越えて。


惑星を越えて。


銀河を越えて。


宇宙を越えて。


「何が起こっているの!?」私は叫んだ。


ニャの声は、私が彼女を知って以来初めて震えていた。


[分析完了]

[イベント特定:天空の携挙]


血が凍りついた。


「…彼らは何だって?」


[神々は完全なる抽出を開始した。]

[すべての知的生命体は天界へと強制的に移送されている。]


私は見上げた――


――人々が消えていくのを見た。


死ぬのではない。


爆発するのでもない。


ただ…消え去る。


まるでファイルがフォルダに引き込まれるように、現実から引きずり出される。


「だめだ、だめだ、だめだ、だめだ――!」


私は振り返った――


――そしてオーレリアが消えていくのを見た。


彼女の体は光へと溶けていく。


「オーレリア!!!」


彼女は私に手を伸ばした。目には恐怖と苦痛が浮かんでいた。


「リリア!!!」


彼女の指が私の指をすり抜け――


――そして彼女は消え去った。


ただそれだけのことで。


皆。


すべての笑い声。


すべての口論。


すべての約束。


愛した人は皆、


いなくなってしまった。


世界は静まり返った。


静かすぎる。


私の中で何かが…


…切れた。


ひび割れたのではない。


砕けたのではない。


粉々になったのではない。


私のマナが爆発した。


爆発ではない――


大災害だ。


それはまるで叫ぶ星のように、私から溢れ出た。


惑星が悲鳴を上げた。


大気が引き裂かれた。


宇宙が歪んだ。


衝撃波が外へと駆け抜けた――

銀河を越えて――

次元を越えて――

幾重にも重なった現実を越えて――


あらゆるゾーンがそれを感じるまで。


外なる神々はたじろいだ。

原初の神々は振り返った。

古き神々は硬直した。

創造と破壊さえも、行動の途中で凍りついた。


彼らは皆、それを感じた。


リリア・フォスターは制御を失った。


「ぶっ殺してやる!」私は叫んだ。声は現実を引き裂いた。


「彼らが誰であろうと、構わない!」


私のオーラは存在を粉砕した。


星々は崩壊した。


次元は崩壊した。


源泉さえも震えた。


「消されてもかまわない!」


「追放されてもかまわない!」


「これまで書かれたすべての物語から忘れ去られてもかまわない!」


私の目は、神性よりもはるかに悪い何かで燃え上がった。


「でも誰も…」


現実がひび割れた。


「誰も…」


領域は内側に崩壊した。


「誘拐…」


因果律が叫んだ。


「私が愛する人々…」


虚空さえもひるんだ。


「そして、罪を逃れる!!!」


私は全てを消し去ろうとしていた。


神々。

天界。

歴史。

運命。

物語。


すべて。


そして――


腕が私を抱きしめた。


きつく。


温かい。


本物だ。


「リリア、お願い――!」


ニャ。


彼女は泣いていた。


全身全霊で私を抱きしめながら、本物の涙が頬を伝った。


「落ち着いて」と彼女は声を詰まらせながら懇願した。「これで終わりじゃない。お願い。」


私の力が半秒ほど揺らいだ。


その時、別の存在が私たちのところに現れた。


優しい。


古き良き。


見慣れた。


アテナ。


彼女は私たちのそばに現れ、ひざまずいて、私も抱きしめた。


「愛しい人」と彼女は優しく囁いた。「もう止めなさい。」


私は震えていた。


怒りに燃えていた。


壊れていく。


「連れ去られたのよ」私は息を詰まらせた。 「彼らは全てを奪っていった」


アテナは私の顔を、金色の瞳でしっかりと、揺らぐことなく見つめた。


「彼らは消えてはいない」と彼女はきっぱりと言った。「凍りついているだけだ」


私は凍りついた。


「…何だって?」


「携挙は消滅ではない」とアテナは続けた。「監禁だ。彼らは皆、大天界殿に閉じ込められている」


ニャは素早く頷いた。「彼女の言う通りだ。確認した。時間停止。魂の停止。まだ何も害はない」


息が詰まった。


「彼らは…生きているのか?」


「ええ」とアテナは優しく言った。「だが、神々はこれを望んでいる」


「あなたを挑発するためだ」


「あなたを我を忘れさせるためだ」


「あなたをヌル・ゼロに封じ込めることを正当化するためだ」


私は拳を握りしめた。


怒りは消えなかった。


それは集中した。


冷たい。


鋭い。


恐ろしいほど冷静。


「…そうやって遊びたいんだね。」


崩壊しつつあった現実は、私のオーラが内側に引き込まれ、爆発する代わりに凝縮するにつれて安定していった。


宇宙が息を吐き出した。


私は顔を拭った。涙は蒸発し、生々しい意志へと変わっていった。


「彼らは私が怒ることを望んでいるのよ」と私は静かに言った。


「彼らは私が無謀になることを望んでいるのよ。」


「彼らは私が彼らが恐れる怪物になることを望んでいるのよ。」


私は顔を上げた。目は落ち着いた。


「わかった。」


私の顔に笑みが浮かんだ。


幸せな笑みではない。


優しい笑みではない。


約束だ。


「でも、私は怪物として来るんじゃないわ。」


私は立ち上がった。


「私はリリア・フォスターとして来るわ。」


愛した少女。


守った少女。


一線を越えた時、神々を滅ぼした少女。


「彼らは私の家族に触れた。」


私のオーラは燃え上がった――制御され、絶対的に。


「だから今…」


私は空を見上げた――天界を見上げた。


「…彼らの扉をノックする。」


そして今回は…


許可を求めない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ