第17話 ダークノヴァ
「この時点でコピーは不可能だ」と呟きながら、平原に聳え立つスライム怪獣を見上げた。その体は、呪われたゼラチンの悪夢のように、虹色に輝いていた。「それに、スキルは?役立たずだ。でも、これは?とんでもない」
後ろでは、仲間たちが既に決断を下していた。
ダリウス:剣を鞘に納め、腕を組んでいる。
ケイル:首を振りながら、すでにメモに「死因:スライム事件」と書き込んでいる。
ロナン:町へ戻る途中だ。
セレーネ:意識を失い、祈りを捧げるように痙攣している。
ライラ:顔面を激しく叩くあまり、声が反響する。
ああ。彼らはこれと戦っていなかった。
「もうこいつはスライムじゃない」と私は唸った。「世界終末の脅威だ!」
巨大な塊が再び轟音を立て、ゼラチン状の波が津波のように地面に叩きつけられ、地面が揺れた。小さなスライムが汗のように滴り落ちた。
私は歯を食いしばった。「わかった。もういい。」
私は手を掲げた。私の精霊の力は嵐のように渦巻いた。炎、雷、風、影――すべてが宇宙エネルギーで脈打つ一つの黒い球体へと凝縮した。
「これが」と私は呟いた。「即興というものだ。」
球体は大きくなり、周囲の光を吸い込んだ。空から鳥が落ちてきた。草は縮み、私の髪は周囲に湧き上がるマナの嵐に激しくなびいた。
「これを受け取れ、この生い茂ったゼリーめ!」私は叫び、渾身の力でそれを投げつけた。
球体は音速よりも速く戦場を横切り、スライムのねばねばした胸に激突した。
一瞬、スライムは震えた。そしてそれを吸収した。
スライムの塊が光り始めた。
「…待って」私は胃が落ちそうになりながら囁いた。「だめ。だめだめだめ…」
ドカーン!
爆発は超新星のように平原を襲った。衝撃波は丘をなぎ倒し、木々を蒸発させ、空を暗黒の炎の万華鏡に変えた。
塵が晴れると、怪獣は消えていた。
戦場全体が静まり返った。
しかし…
バタン!
スライムの塊が私の頭に落ちた。
そしてまた一つ。
そして、世界一まずいスムージーのように、緑、青、赤、紫のスライムの粒が戦場一面に降り注いだ。
私は震えながら、全身ベタベタと滴る粘液にまみれ、そこに立ち尽くしていた。「…うーん。気持ち悪い。」
ロナンは吐き出した。「生きたまま食べられるよりひどい。」
ケイルはひび割れた眼鏡を直し、虚ろな声で言った。「あれは…スライムじゃない。環境災害だ。」
ダリウスは塊を吐き出した。「何週間もゼリーの味がするだろう…」
セレーネはようやく目を覚まし、辺りを見回したが、すぐにまた気を失った。
ルーナはただそこに漂っていた。汚れひとつなく、清潔な服には粘液のかけらもなかった。彼女は私の方を向いた。
「…効いた。」
私はうめいた。「あれはダークノヴァじゃない。ダークノヴァ・グー・ディザスターだ。」
ニャの猫アイコンが現れ、尻尾を得意げにピクピクと動かした。
[訂正:あれはダークノヴァでした。スライムが爆発して超新星級のグーの雨を降らせるのは、単なる自然な結果だ。
「…黙れニャ。」




