第162話 その精神戦争パート1
精霊界は燃え盛った。
炎ではなく、
法によって。
裂けた空から黄金の印章が降り注ぎ、天使たちは整然とした隊列を組んで降り立ち、翼は刃のように空を切り裂いた。彼らが踏み出す一歩一歩が神聖な秩序を課し、精霊の法を抑圧し、存在を厳格な服従へと縛り付けた。
しかし、精霊たちは跪かなかった。
最前線では、戦士の精霊たちが押し寄せた。戦闘の意志によって鍛え上げられた存在であり、記憶と誓いによって生み出された武器を振るった。結晶化した意志の槍が聖なるハルバードとぶつかり合い、マナと光の爆発が街の外の平原を波打った。
次に高位の精霊たちが立ち上がった。
風が唸りをあげる中、空中の精霊たちは避難通路を形成し、人々を空間の襞へと運んだ。地の精霊たちは街路を盾へと作り変えた。水の精霊たちは生きた壁のように流れ、神聖な炎を吸収して霧へと拡散させた。
それらすべての上に――
大精霊たちが降り立った。
彼らの存在だけが戦場を歪めた。
そして、現実そのものが錨を下ろしている街の中心に――
真の精霊たちが立っていた。
最内聖域――現実の守護者
天使たちが内部から侵入し、聖なる刃が精霊の建築物を紙のように切り裂くと、宮殿の第三層は粉砕された。
空間の精霊、アッシュボーンが先に動いた。
彼は逃げなかった。
彼が足を踏み入れた場所で、空間はただ消え去った。
天使の一隊全体が消え去った――非座標空間の間で折り畳まれ、圧縮され、消去された。
「陣形を維持せよ」アッシュボーンは静かに言った。声はどこからともなく、あらゆる場所からこだました。「彼らは母を狙っている。」
彼の後ろには精霊女王マリア――現実の精霊そのものであり、穏やかで輝かしく、彼女の存在が崩壊しつつある精霊界の層を安定させていた。彼女は戦わなかった。
彼女は耐え抜いた。
成長の精霊ヴィクターは杖を地面に叩きつけた。無限に繰り返される蔓が噴き出し、飛行中の天使たちを縛り上げ、聖なる炎が彼らを焼き尽くすよりも速く成長した。
「適応が早すぎる」ヴィクターは唸り声を上げた。「我々の法則を学んでいる」
愛の精霊アシュリーは両手を上げた。彼女の胸から光が溢れ出た。圧倒的な感情が押し寄せ、天使たちは攻撃の途中で凍りついた。疑念。後悔。忘れ去られた優しさ。
武器を捨てる者もいた。
叫び声を上げて自らを燃やして自由になる者もいた。
腐敗の精霊マーキュリーは薄く微笑んだ。
「ならば、腐らせておくがいい」
エントロピーの波が押し寄せ、老朽化した聖なる鎧は塵と化し、後光は腐って死んだ信仰の破片となった。
静寂と変化の精霊、デズモンドは攻撃の合間に足を踏み出した――彼の存在は一瞬凍りつき、次の瞬間には加速した。天使たちは彼を攻撃し、もはや存在しない未来からの反響にぶつかっていることに気づいた。
それでも――
さらに天使たちがやって来た。
上から。
下から。
内側から。
「これは粛清よ」マリアは静かに言った。「彼らは霊界の自治権を抹消しようとしているのよ。」
アッシュボーンは鋭い目で振り返った。
「そうすれば、彼らは記憶を持つ世界と戦うことの意味を学ぶことになるわ。」
三階 ― 逃げることを拒んだ人間たち
警報が街中に響き渡った。
ダリウスは走った。
恐怖からではなく、計算から。
「左の通路が崩壊した!」ケイルは叫び、追跡してきた天使を空中で起爆させる呪文を放った。
「奴らが我々を追っている!」セレーネは警告した。抑制されたバフを維持しようと苦闘するセレーネは、神聖な印章を明滅させた。
ライラは次々と矢を放った。一矢一矢は、かろうじて抑えられた力で震えていたが、天使たちは迫り続けた。
永遠は彼らの頭上に浮かび、表情は読み取れなかった。
「交戦なしでの逃走の可能性:低下」と彼女は冷淡に言った。
ダリウスは立ち止まった。
他の全員が3歩ほど進んでから気づいた――
彼はついてきていない。
「…ダリウス?」ロナンは振り返った。
ダリウスは剣を抜いた。
彼の手は震えていた。
恐怖からではない。
怒りから。
「あんなに生き延びたのに、家畜のように狩られるなんて」と彼は静かに言った。
天使が翼を広げ、刃を振り上げ、彼の前に降り立った。
ダリウスは前に踏み出した。
彼の手の中の剣は燃えていた――神の力ではなく、喪失によって研ぎ澄まされた決意で。
彼は切りつけた。
天使はよろめいた――本当によろめいたのだ。
ロナンは目を見開いた。「あいつ、切った!」
ダリウスはもう一歩踏み出した。
そしてもう一歩。
「もう逃げるな」彼は唸った。
天使は反撃し、ダリウスを壁に叩きつけた――しかし彼は血を吐きながら、立ち上がった。
エタニティの中で何かが動いた。
「…面白い」と彼女は呟いた。
彼女は降りていった。
時間はためらった。
エタニティは手を上げた。
天使は凍りついた――ありとあらゆる未来が、一つの、動かない今へと崩れ去った。
彼女はまるで空気中の塵を絞り出すように、それを軽々と押し潰した。
エタニティは他の者たちに振り返った。
「ここで死ぬのは許されない」と彼女は静かに言った。「リリアが不機嫌になるわ」
ロナンは荒々しく、無謀な笑い声を上げた。
「ちくしょう」と彼は斧を持ち上げながら言った。「戦うしかないか」
ケイルの笑みが戻った。「やっとか」
セレーネは杖を掲げ、燃えるような目で見つめた。「信じて、この世界を奪うことはないでしょう」
ライラは輝く矢を抜き、その先端がブンブンと音を立てた。「標的を捕捉」
天使たちが廊下の両端から押し寄せてきた。
エタニティが前に出た。
「交戦承認」
そして人間たちは突撃した。
戦火は拡大する
精霊界全体で、戦線は曖昧になった。
精霊たちは適応することを学んだ。
天使たちは恐れを知った。
そして、その中心のどこかで――
二つの巨人は依然として激突していた。
力と自由。
神と、檻に閉じ込められることを拒む何か。
霊界はもはや自らを守るだけではなかった。
反撃していた。
そして神々は――
気づき始めていた――
彼らは過ちを犯したのだ。




