第160話 その真実スピリッツ
宮殿――いや、枢軸――に近づくにつれ、空気は重苦しくなっていった。
重苦しいわけでもない。
敵対的でもない。
濃密な。
まるで現実が自らに意識を向ける場所に足を踏み入れたかのようだった。
通りは狭くなっていった。物理的にではなく、概念的に。精霊たちは何気なく漂うのをやめ、意志を持って動き、その姿はより鋭く、より明確になっていた。高位精霊たちは静かな番兵のように道に並び、目を持たない視線で私たちを追いかけていた。
ロナンが私に寄り添い、囁いた。「それで…えーと…もしここの支配者が私たちのことを気に入らないと思ったら、どうするの?」
私は歩調を緩めなかった。「じゃあ、話そう。」
「もし話してもダメだったら?」
私はエターニティを横目で見た。彼女は星の光を髪に編み込みながら、陽気に鼻歌を歌っていた。
「…じゃあ、責任を持って即興でやるわ。」
ケイルは鼻で笑った。「その言葉は皆を怖がらせるはずだ。」
軸は、普通の意味での建物ではなかった。
それは点だった。
遠くから見ると宮殿のように見えるそびえ立つ建造物だったが、近づくにつれて、世界そのものが内側に折り畳まれ、その中心にある不動の何かを認めているように感じられた。
扉はない。
警備員もいない。
壁もない。
ただ、地面が地面のふりをやめ、意味を持つようになる境界があるだけだった。
ニャの声が私の心の中で静かに響いた。
警告:あなたは根本的な精神的定数の収束点に近づいています。
推奨:感情の安定を保ってください。
私は息を吐いた。「やってみます。」
私の足が境界線を越えた瞬間――
世界は止まった。
時間ではない。
空間でもない。
意図。
すべてが息を止めた。
すると、目の前の空間は、一滴の雫がかき乱した静かな湖のように広がった。
人影が現れた。
背が高く、性別がなく、幾重にも重なる半透明の層でできている。まるで記憶でできたガラスのようだった。一歩ごとにその姿は微妙に変化した。形が変わるのではなく、視点が変わるのだ。まるで見る人によって少しずつ存在のあり方が変わるかのようだった。
彼らの声は空気を伝わってはいなかった。
それは届いた。
「大きな声で歩くな、新たな女神よ。」
ダリウスは硬直した。
セレーネは杖を握り締めた。
ライラはそれを感じ、息を呑んだ。
私は一人で前に出た。
「なるほどね」と私は正直に言った。「ここ数ヶ月、大変だったんだ。」
その存在は私をじっと見つめていた。
私はそれを感じた。プレッシャーとしてではなく、認識として。
「君は…場違いだ。」
エタニティは元気を取り戻した。「彼女はよくそう言われるのよ。」
真なる精霊の視線が、まさに一瞬、永遠へと向けられた。
「…継続の子よ。」
永遠は微笑んだ。「こんにちは。」
そして、彼らの視線は再び私へと戻り、より深く向けられた。
「あなたは形なき自由を携えている。
物語なき作者性を帯びている。
分類の及ばない場所に立っている。」
ケイルは小声で呟いた。「それはまずい。」
「違います。」私は静かに言った。「ただ…正確です。」
私は真なる精霊の視線を正面から受け止めた。
「私の名はリリア・フォスター。神々が下層世界に制圧塔を建設しているため、ここに来ました。私たちは彼らを阻止するために同盟を結んでいます。真なる精霊が必要なのです。」
空気が動いた。
怒りではない。
重み。
「神族は、バランスとは服従であると信じている。」と真なる精霊は言った。
「彼らは秩序と調和を取り違えている。」
セレーネが前に出た。「そして、彼らはそれを強制するために世界からエネルギーを奪っているのよ。」
ロナンが付け加えた。「それは…悪いことだ。とても悪いことだ。」
沈黙が広がった。
そして――
軸が開いた。
物理的にではなく。
概念的に。
私たちの周りの世界が内側に重なり合い、突然、私たちは宮殿でも街でもない、光の川が虚空を静脈のように流れる広大な空間にいた。
中心には巨大な構造物が立っていた。それは、根源的な力を象徴するシンボルで構成された、絶えず回転する曼荼羅だった。
時間。
記憶。
成長。
衰退。
静寂。
変化。
そしてその前に――
もう一つの存在。
見覚えのある。
私はそれを見る前に感じた。
骨の中で時計が刻むような圧迫感。
そして、あまりにも長い間聞いていなかった声が、乾いた、楽しげな声で言った。
「本当にトラブルから逃れられないのね?」
思わずニヤリと笑ってしまった。
「まあ」と、タイムスピリットの顕現を見上げながら言った。
「私を逃したなんて、さりげなくなかったわね。」
タイムスピリットの姿が安定した。背が高く、鋭い目を持ち、幾重にも重なる時間の紋章に包まれていた。
彼らはしばらくの間、私をじっと見つめていた。
「…あなたは違う。」
「ああ」と私は認めた。「長い話だ」
彼らは永遠を一瞥した。
ニャを。
他の者たちを。
それから私の方を振り返った。
「そして、あなたは助けを求めに来たのですね」
私は頷いた。「女神としてではなく、権威者としてでもなく」
私は胸に手を当てた。
「故郷を守ろうとする者として」
時の精霊は目を閉じた。
彼らが再び目を開けると――
マンダラが回転した。
光の川が応えた。
「では、真の精霊の意志を聞きなさい」と支配者は言った。その声は軸のあらゆる層に響き渡った。
「支配を秩序と取り違える神々に、我々は屈服しない」
エネルギーの脈動が外へと波打った――穏やかで、絶対的な。
「他の者たちを召喚しろ」
私はゆっくりと息を吐き、安堵感が胸に溢れた。
「ありがとう」
時の精霊はかすかに笑った。
「まだ礼は言わないでくれ。」
彼らは私をまっすぐに見つめた。
「神族に挑むなら…
彼らの軍勢よりもはるかに恐ろしいものと対峙する必要がある。」
光がわずかに暗くなった。
「神の法そのものに立ち向かう必要がある。」
ロナンは瞬きをした。「…問題がただの怪物だった頃が懐かしい。」
エタニティは所有欲を込めて私の腕を握った。「手伝う。」
ニャの声は落ち着いていて、自信に満ちていた。
評価:精霊王国との同盟――成功。
次の段階:ハイリスク・エスカレーション確認。
私は決意に燃える目で微笑んだ。
「わかった。」と私は言った。
「天と戦おう。」




