第153話 刑務所の内訳
オーレリアはためらわなかった。
彼女は私の横を通り過ぎた。頬にはまだ乾いた血が残っており、剣は肩に乗せられていた。まるでここが天界の処刑塔の中ではなく、ただの戦場であるかのように。
「リリア、三階はあなたのものよ」と彼女は鋭い目で言った。「エリスとリサはもういいわ。天使たちは私たちが片付けるわ。」
私は彼女の手首を掴んだ。
「オーレリア――」
彼女は私を見て微笑んだ。優しくも、優しくもなかった。
神の名を歴史に刻み込む直前に見せるような微笑み。
「彼らは私の家を破壊したの」と彼女は静かに言った。「彼らは私の友人を鎖につなぎ、救いを求めない人々を裁いたのよ。」
彼女の握りが強くなった。
「私はずっと神を殺したいと思っていたの。」
彼女の後ろで、他の者たちが前に出た。
セラフィナは首を鳴らし、真紅のオーラを漏らした。
フェンリルの笑みは野性味を帯びていた。
ダリウスは肩を回した。
ロナンは斧を床に突き立て、燃えるような目で見つめた。
セレーネは聖なる魔法を、ケイルは高次の呪文を唱えようとしていた。
アニーはすでに大人の姿になっていた。
ナリは既に短剣を抜き、影の中に隠れていた。
恐れはない。疑いもない。
ただの家族だ。
私は息を吐いた。
「…わかった。」
ルーシーの方を向いた。
「行こう。」
私たちが敷居を越えた瞬間、三階は爆発的に動き出した。
天使の衛兵たちが流れ星のように天井から降りてきた。翼を広げ、空中で武器――裁きの槍、凝縮された法の大砲――が形を成した。
ルーシーと私は速度を落とさなかった。
私たちは共に動いた。
双子のベクトル。
私は最初の天使の翼を掴み、くるりと回転し、その勢いを利用して頭から柱に叩きつけた。その瞬間、ルーシーが私の横に現れ、外科手術のような精密さで踵を跳ね上げ、別の警備員の顎に叩きつけた。骨が砕け、光輪が砕けた。
私たちは互いを見ることさえしなかった。
見る必要もなかった。
天使が聖なる大砲に突撃し、グリフが渦を巻いた。
「ニャ」と私は言った。
「バリアを展開した。」
爆発は見えない壁に当たり、無害な光へと崩れ落ちた。
「フィービー」ルーシーが冷静に付け加えた。
「軌道が反転した。」
大砲は内破し、持ち主は悲鳴を上げる神聖な金属の塊へと折り畳まれた。
ルーシーは前に飛び出した。
「私を発射して。」
私は彼女の腕をつかみ、投げつけた。
彼女は銀色の霞と化し、空を切り裂いた。着地する頃には、既に五人の天使が倒れていた。34発の精密な一撃、関節は砕け、コアは破壊され、翼は完璧な順番で引き裂かれた。
私は握手をした。
「まだ怖いわね。」
ルーシーは振り返らなかった。「いつもより遅いわね。」
「黙れ。」
私は彼女を見る前に、その存在を感じた。
エリサ。
彼女の存在は微かだったが、どこか懐かしいものがあった。まるで、かすかに覚えている歌のように。
私は壁に抑制のルーンが刻まれた廊下を、引き寄せられるように進んだ。突き当たりには独房があった。他の牢獄よりも分厚い。幾重にも重なった拘束具。概念の錠前。神聖な再帰の封印。
中では、エリサがかろうじて立っていた。
彼女の髪は絡まり、手首は鎖で繋がれていた。彼女のオーラは弱々しく揺らめいていた。
私は何も考えなかった。
私はドアを殴った。
爆破されたのではない。消されたのでもない。
殴られたのだ。
金属が悲鳴を上げて、濡れた紙のように内側に折り重なった。
鎖は私の触れた瞬間に砕けた。
エリサが前に倒れ込み、私は彼女を抱き上げた。
彼女はゆっくりと顔を上げた。焦点の定まらない目で。そして、大きく見開かれた。
「…先生?」
「やあ」と私は優しく言った。「ただいま」
彼女の平静はたちまち崩れた。
彼女は私のコートを掴み、私の胸に顔を埋めて泣き叫んだ。まるで何週間も我慢していたかのように震えていた。
「あなたはもういないと思っていたわ」と彼女は囁いた。「あなたが全ての原因になったと言われているの…私たちを捨てたって…」
私は彼女を強く抱きしめた。
「遅れてごめんなさい」
私は彼女を仰向けにした。
「動ける?」
彼女は弱々しく頷いた。 「リサの独房はすぐ近くです。でも…先生…」
「何?」
「キャラハウスです。」
私は言葉を止めた。
「…どうしたんですか?」
彼女の声はかすれた。
「破壊されました。侵略の際に。」
一瞬、全てが静まり返った。
キャラハウス。
部屋。
笑い声。
道。
消えた。
私は叫ばなかった。
怒りもしなかった。
ただ…息を吸った。
目が冷たくなった。
「…なるほど。」
私は彼女を掴む手を直した。
「もう一つ作ろう。」
空気が動いた。
重苦しい。
振り返ると、ちょうど二体目のガーディアンが降りてきた。
今度はもっと滑らかで、もっと速かった。その体は鏡面反射の法則の格子のようで、目は適応的な計算で燃えていた。
ターゲット捕捉。
スキル分析開始。
突進してきた。
姿を消した。
背後に再び現れた。
頭を掴んだ。
そして床に叩きつけた。
「邪魔だ。」
衝撃で廊下全体がクレーターのように崩れ落ちた。
ガーディアンは痙攣し、再調整を試みたが、やがて不活性な破片へと崩れ落ちた。
私は振り返ることさえしなかった。
「エリサ」と私は言った。「どちらへ?」
彼女は震える手で指さした。
「あっちだ。」
リサの独房は開いていた。
誰もいなかった。
私は凍りついた。
そして――
「わあ」聞き覚えのある声が物憂げに言った。「随分と時間がかかったね。」
私は振り返った。
リサは壁に寄りかかり、両手を頭の後ろに組んで、まるで監禁ではなく昼寝から目覚めたばかりのようにニヤリと笑っていた。
「…あなた」と私は冷淡に言った。
彼女は首を傾げた。「私が恋しいの?」
私は彼女の襟首を掴み、引っ張って前に出した。
「心臓発作を起こしそうになったわ。」
彼女は笑った。大声で。悪びれる様子もなく。
「落ち着け。宇宙に入った瞬間、君の気配を感じたんだ。」
「なら、どうして抜け出せなかったんだ?」
彼女は肩をすくめた。
「君が来るか見てみたかったんだ。」
私の目がぴくりと動いた。
「…信じられない。」
「なのに」彼女は得意げに言った。「来たんだね。」
私は彼女を落とした。
彼女は首を鳴らしながら伸びをした。
「わかった。リユニオンは確かに可愛いけど、ここはそろそろ飽きてきた。」
尖塔が震えた。
上から爆発音が響き渡る。オーレリアたちも全力で戦っていた。
私は二つの自分の姿を見つめた。どこかで塔を破壊しているルーシー、混沌とした興奮に震えるリサ、そして私の背中にしがみついているエリサ。
私の家族。
「わかった」と私は言った。「移動する」
リサは指の関節を鳴らした。「これから長い旅になるの?」
「ええ」
彼女はさらに大きく笑った。
「よかった。大混乱になると思っていたのに」
審判の尖塔が私たちの周囲で崩れ始める中、私たちは出口へと向かった。
天国が崩れ落ちようとしていた。
そして今回は――
それは私たちのために崩れ落ちようとしていた。




