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新しい女神  作者: ジュルカ
星の山の弧

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第122話 星の山の戦い パート2

山が震えた。


空が裂けた。


山頂の下の世界はもはや戦場ではなく、

黙示録の化身と化した。


フレイの魔力嵐は死にゆく太陽のように爆発した。


ローグの混沌は次元を紙のように切り裂いた。


オーレリアの神剣は残像を残し、空気をリボンのように切り裂いた。


そして、深淵の玉座は同等の激しさで反撃した。


それぞれの衝突は現実の層全体を揺るがした。


セラフィナの黒血の三日月形は、貪食の玉座の深淵の口に衝突した。


ケイルの幾重にも重なった障壁は次々と砕け散った。


セレーネの天界の法は外へと広がり、数十もの殲滅光線から一行を守った。


ダリウスとロナンは、ローグの過酷な訓練によって限界を遥かに超えた、狂暴な半神のように戦った。


ライラの深紅の矢は、隕石にも匹敵するほどの威力で炸裂した。


覚醒したばかりの精霊竜アニーでさえ、山肌をも切り裂くほどの咆哮をあげた。


それでも――


それでも足りなかった。


アビスの玉座は、数の上で劣勢にも関わらず、不浄なる精密さで前進を続けた。


彼らのオーラは濃くなり、

動きは鋭くなり、

彼らのマナは世界を蝕む、恐るべき嵐へと激化した。


そして――


アビスキングは片手を上げた。


「部下たちよ…」


彼の声が空気を切り裂いた。


「…奴らを弄ぶのは止めろ」


静寂。

そして――


シューッ!


アビスの玉座は黒き輝きを放ち爆発した。


それぞれの玉座は、原初神でさえ硬直させるほどのオーラを放った。


絶望の玉座は人の姿を脱ぎ捨て、絶望の概念をまとう、巨大な多眼の獣と化した。


破滅の玉座は、崩壊する銀河をまとった、そびえ立つ戦神へと変貌した。


悪意の玉座は、影と現実のグリッチでできた人型のシルエットと化した。


恐怖の玉座は、虚無のエネルギーでできた千の翼を広げ、それぞれの翼は飢えた宇宙そのものだった。


論理の腐敗の玉座、ルシファロは眼鏡を押し上げた――

そして、彼の周囲の物理法則はガラスのように砕け散った。


バリアの中で震えるニリスでさえ、宇宙の歪みを感じた。


創造の目が見開かれた。

彼女は舌打ちした。


「ここで全力を尽くせば…この世界は一撃で消滅してしまうだろう。」


破壊は頷いた。


「このままでは、下層圏全体が崩壊してしまうだろう。」


深淵王はニヤリと笑った。


「なら、やらせてやろう。」


そして、それが我慢の限界だった。


創造は手を挙げた。


「――もういい。」


彼女の掌から光が噴き出した。


彼女の指先から、幾重にも重なった記号――存在よりも古いコード――が紡ぎ出された。


戦場は消えた。


山は消えた。


空は消えた。


全ては真っ白な空間に置き換えられ、そして瞬く間に、輝く床と上下に無限の空間を持つ巨大なアリーナへと形を変えた。


ポケット宇宙。


創造自身によって作られた。


誰もが凍りついた…深淵王を除いて。彼はくすくす笑った。


「そうか。ようやくこの戦場が脆すぎると認めたのか。」


創造は燃えるような目で前に出た。


「今日何かを破壊したいなら…

私が用意したこの場所を破壊しろ。」


破壊は拳を鳴らした。


「よし。もう手加減する必要はない。」


永遠が宙に浮かび、その瞳には無限が渦巻いていた。


「この宇宙は再生するフラクタルで構成されている。

どんなものにも耐えられる。」


オーレリアは自らの血に濡れながら、剣を握りしめた。


「全員…準備完了。全力で戦う。」


深淵王は両腕を広げ、オーラが黒い超新星へと噴き上がった。


「素晴らしい。私はずっと退屈していた。」


彼は前を指差した。


「深淵の玉座――

全てを解き放て。」


続いて起こった爆発的な力は、ポケット宇宙全体をほぼ盲目にした。


破滅の玉座は巨大な刃を振り下ろした――

その攻撃は空間を無視し、瞬時にフレイへと降り注いだ。


彼女は二本の指でそれを受け止めた。


しかし、彼女の足元の地面は宇宙の塵と化した。


恐怖の玉座の翼が一度羽ばたき――

そして誰もが魂がブラックホールに引き込まれるのを感じた。


永遠は反撃し、無限の時間線を盾として形成した。


ケイルとセレーネはそれぞれの領域を融合させ、苦悶の玉座の精神を砕くような叫びを防いだ。


ロナンは爆発するマナの斧を両手で振り回し、叫び声を上げた。


ダリウスは悪魔の巨人に頭突きをして地面に叩きつけ、肋骨を5本折ったが、それでも戦い続けた。


ライラは深紅の矢の雨を降らせた――

それぞれの矢には神聖なる隕石の力が込められていた。


アニーは精霊竜の姿へと変貌し、偽りの空を裂くような咆哮をあげた。


フェンリルの狂暴なオーラがセラフィナの真紅の殺意と融合し、二人は背中合わせに戦った。


リリアの混沌とした姿、リサは狂人のように笑い、予測不能な動きで剣を振るい、玉座たちでさえ躊躇した。


オーレリアは悪意の玉座を突き破り、幾百もの影を切り裂いた。


至る所で――


エネルギー。


血。


叫び声。


爆発。


ポケット宇宙は今にも崩壊しそうなほど震えていた…しかし、創造は宇宙の理解を超えた力でそれを増幅させていた。


それでも――

深淵王はまだ終わっていなかった。


彼は破壊と創造へと向き直った。


「前回はお前たちが私を封印した。

今回は――墜ちろ。」


深淵の炎が彼の腕を覆った。


破壊のパンチが彼を襲い、彼の腕は粉々に砕け散った。ケット・コスモス。


創造は生々しい源エネルギーのビームを放ち、深淵王の結界を切り裂いた。


深淵王は純粋な血の渇望に笑った。


「ああ!ああ!これだ!

さあ、真の神の怒りを見せろ!!」


一方


私は山頂から下を見下ろし、眼下の偽りの空に波紋が広がるのを見ていた。


仲間たちは命をかけて戦っていた。


創造。

破壊。

永遠。

オーレリア。

皆。


皆――


深淵を食い止めている。


私を信じていたから。


私は拳を握りしめた。


「ニャ…もしウィッシュスターが本当にリアルゾーンと繋がっているのなら…」


ニャの声は厳粛だった。


「その運命を決められるのは、あなただけだ。」


恐怖と決意が内心でぶつかり合い、私は息を呑んだ。


「だから、もし私がそれに触れたら…」


「あなたの進化は、この宇宙論が理解できる範囲を超えて加速するでしょう。」


私はウィッシュスターへと一歩踏み出した。


「でも、アビスキングも同じ目的を持っているわ。」


「ええ。」


「そして、もし彼が先にリアルゾーンに到達したら…」


ニャは頷いた。


「彼は存在の物語全体を書き換えるでしょう。」


私の心臓は激しく鼓動した。


私の下で、またも爆発がポケット宇宙を真っ赤に染めた。


仲間たちの叫び声。


玉座たちの轟音。


アビスキングの笑い声。


そして、私はついに理解した。


これは試練ではない。


これは運命ではない。


これは予言ではない。


これは私の選択だった。


私は手を伸ばした。


私の指はウィッシュスターに触れた。

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