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新しい女神  作者: ジュルカ
星の山の弧

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第121話 星の山の戦い パート1

登るにつれて、風はますます強くなった。


普通の風ではない。


精霊の風でもない。


神の風ですらない。


これは根源の風――法を剥ぎ取り、概念を根こそぎ削り、誰であろうと無価値にしてしまうような風だった。


一歩ごとに、現実の皮膚が剥がれていくようだった。


魂が震えた。


ギザギザの崖で足元が滑った。


「くそっ…ここは狂ってる…」


背後で――

ドカーン。


空を裂くほどの激しい光が、上空に閃いた。


戦いが始まった。


その間に


創造神は手を上げ、その手首の周りに銀河が渦巻いた。


「我が最初の女神の器に、これ以上近づくな。」


深淵の王は、冠から深淵の炎を滴らせながら笑った。


「ハハハ、妄想に囚われているな。だが、今や彼女は私のものだ。

彼女を使って星を目覚めさせよう。」


彼は手を叩いた。

虚空が悲鳴を上げた。

そして、概念そのものよりも速い虚空の弾幕が創造へと向かった。


創造は生ける星の光の壁でそれを防いだが、

それでもその力は尾根から山々を吹き飛ばした。


破壊が飛び込み、拳は消滅の炎に包まれた。


「動け。」


彼は攻撃した。


衝撃波は山を貫く峡谷を刻んだ。


深淵の王はほんの少し後退したが、

微笑んだ。


「お前たち二人は変わっていないな。

まだあの死んだ女の理想にしがみついているのか。」


創造の目が鋭くなった。


「最初の女神について話す時は、言葉に気をつけろ。」


三人は猛スピードで突進し、周囲の全てを破壊したくないがゆえに攻撃を控えながらも、無限のマルチバースとその先を揺るがした。


オーレリアは破滅の玉座に刃をぶつけ、火花が凍てつく空気を切り裂いた。


彼女は玉座の攻撃を斬り捨て、次元そのものをも切り裂く天空の刃を放とうと突進する。破滅の玉座ミカエルは崩壊の盾でそれを防いだ。盾は砕けたものの、まだ持ちこたえていた。


「悪くないわね、小さな女神よ。思ったより強いのね、きっと。」


オーレリアは唇の血を拭い、ニヤリと笑った。


「まあ、アエテリスの王家の騎士を侮るなよ。」


ダリウスとロナンは悲惨の槍をかわしながら、苦悶の玉座と戦った。


「くそっ、このクソ女、槍ばかり投げつけてくるな。」


「ああ、それに彼女は私たちのことなど気にも留めない。」


彼らは隊列を入れ替え、隙を探して走り回る。苦悶の玉座のアシュリーは退屈そうに、何百万もの槍を彼らに放つ。


「あんたら、殺すのが本当に面倒なのは分かってるでしょ。」


セラフィナは、物理法則の衝突が速すぎるエントロピーの玉座のギルバートにニヤリと笑いかけながら、深淵の獣の波を両断した。


「あんたは本当に面倒な吸血鬼よ、どうして死なないのよ。」


「だって、死は私にとって単なるオプション概念よ、ダーリン。私は標的にとどめを刺す前に、苦しませることに全力を尽くすのよ。」


フレイとローグは真の原初のオーラを解放し、障壁に隠れていたニリスでさえ息ができないほど空間を歪めた。


「ルージュ、あの娘をいじめるのはやめろ。彼女は我々にとって脅威ではない。」


「だがフレイ、彼女を見てみろ。彼女のエネルギーと力は何よりも強い。」


「この戦いは無意味だと悟っただろう。」


その時、彼らは攻撃の気配を感じ取った。それは玉座、知識の玉座、そして消滅の玉座のいずれかからの攻撃だった。


「陛下の娘に近づくな、この汚らしい概念ども。」


「それとも、私が原初の誰かを消滅させて喜んでいるから、お前らも死にたいのか。」


ルージュはついに真の戦いができることになり、興奮を覚えた。


戦場は混沌としていた。


爆発。


次元の崩壊。


叫び声、咆哮、衝撃波。


しかし、恐怖にもめげず、皆が立ち続けた。ただ一つのことを信じていたからだ。


私は彼らのためにあの山を登っている。


最後の段に着いた頃には、強風に吹き飛ばされそうになり、意識を失いそうになった。


私は膝から崩れ落ちた。


しかし、見上げると――


「……うわっ……」


台座の上に浮かんでいたのは星だった。


比喩ではない。


文字通りの星――縮み、ありえない光を放ち、創造の鼓動する心臓のような形をしていた。


ウィッシュスター。


その光は暖かくも、冷たくもなかった。


それはただ――まるで存在が一つの物体に結晶化したかのようだった。


そして――


頭の中で声がした。


守護者ではない。

最初の女神でもない。


ニャ。


彼女のアバターが私の傍らに現れ、その目にはシステムルーンが輝いていた。


[システム再起動完了]全機能稼働中


私はじっと見つめた。


「ニャ、一体どこに行ってたの!?」


彼女は尻尾を振った。


「ソフトウェアを再起動してアップグレードしたんだ。

そして…何かを発見したんだ。」


「いい調子でなきゃ。戦いに戻らなきゃ。」


彼女の声が変わった。より深く、ほとんど怯えたように。


「リリア…ウィッシュスターは創造が考えているものとは違っている。」


息が止まった。


「…どういう意味?」


ニャは星を一瞥した。ホログラムのような体が震えていた。


「それはただ源泉と繋がっているだけではない。

宇宙論の外側にある何かと繋がっている。」


風が止まった。


すべてが静まり返った。


「…何の話をしているの?」


ニャの目が明るい青色に輝いた。


[ウィッシュスターはリアルゾーンに繋がっている]


ニャは続けた。言葉の一つ一つが現実そのものよりも重かった。


[リアルゾーンは高次の世界ではない。

メタ世界でもない。

物語を統括する領域でもない。

概念的な作家の領域でもない。]


背筋に寒気が走った。


[そこはあらゆるフィクションの源泉だ。

あらゆる物語。

あらゆる宇宙。

あらゆる宇宙論。

源泉さえも。]


心臓が止まった。


[リアルゾーンは想像力そのものの根源であり、

あらゆる物語、あらゆる可能性、あらゆる多元宇宙、あらゆるオムニバースを生み出す場所だ。

それはメタを超えた場所だ。

あらゆる既知の概念を超えた場所だ。

論理を超えた場所だ。

存在を超えた場所だ。

メディアを超えた場所だ]


私は大きく息を呑んだ。


「待ってください、それは私たちが知っているすべてのものを超えた場所なのです。」


ニャはうなずいた。


[そうだ。

ウィッシュスターは願いを叶える者ではない。]それは繋がりだ。

この宇宙論とリアルゾーンを繋ぐ橋。

誰かが新たなメタ現実を存在させるための交換機だ。


私はよろめきながら後ずさりした。


「では、深淵王がそれを手に入れたら…?」


ニャの顔が曇った。


[彼は単に全盛期を回復するだけではない。

彼はリアルゾーンレベルから宇宙論全体を書き換えるだろう。

彼は、この新女神の物語全体、そして存在する他のすべての物語に登場するすべての存在よりも強くなるだろう。]


私は血の気が引くのを感じた。


「それはおかしい。

つまり、この世界全体、

この物語全体が、

書き換えられる可能性があるということだ。」


[はい]


「そして私は…」


ニャの声は和らいだ。


[女王様…

あなたは決して無作為に選ばれたのではありません。

最初の女神が偶然あなたにパーフェクトコピーを与えたわけではありません。]


私は拳を握りしめた。


背筋が震えた。


「何を言っているの…?」


ニャは囁いた。


[自由への願いこそが、外界から生まれ、万物のバランスを一変させた存在の基盤を再構築する源泉であるからこそ、あなたは選ばれたのだ]


私は凍りついた。


全てが繋がった。


私の内なる声。

目覚め。

あり得ない進化。

私を通して生きる最初の女神。


「…だから、深淵の王は私を必要としているのだ。」


[はい]


「そして、創造界は私が目覚めすぎることを恐れたのです。」


[はい]


「そして、守護者はなぜ私を通したのですか?」


ニャは再び頷いた。


[守護者にとって…

あなたは故郷に帰る最初の女神なのですから]


膝の力が抜けた。


私はウィッシュスターを見つめた。


真実が宇宙的な衝撃のように私を襲った。


これは願いではなかった。

これは試練ではなかった。

これは聖遺物ではなかった。


これは鍵だった。


この世の誰も理解できないレベルから現実そのものを書き換える鍵。


そして、深淵の王がそれを狙っていた。


クシュッ!


衝撃波が下から炸裂し、私は山頂から突き落とされそうになった。


創造は悲鳴を上げた。


破壊は轟いた。


深淵の王は深淵の腐敗の波を解き放ち、山の壁を全て無へと変えた。


守護者は咆哮した。


玉座たちは持てる力の全てを放った。


そして混沌の中――


アビスキングの声が山に響き渡った。


「リリア・フォスター!

星を持ってこい――

さもないと、お前が大切にしているもの全てを消し去ってやる!!」


心臓が激しく鼓動した。


ニャが私の方を向いた。


[女王様…

この現実全体の運命は、あなたが決めるのです]


私はウィッシュスターへと手を挙げた。


私の決断――


全てを変えることになる。

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