第12話 時空の女神に会う
ちくしょう。もう考えるのも、ためらうのもやめよう。タイタンはここにいる。
私は金髪ツインテールの少女へと振り返った。彼女はまだ宇宙の冷蔵庫のように、かすかに唸り声を上げながらそこに立っていた。「…あなたを『女神』と呼ぶのは無理だ。えーと…」頭の中が混乱した。「ル…ルナ。ああ。あなたの名前はルナだ。」
彼女の光る目が一度瞬いた。「…ルナ。了解。」
「よし。わかった、ルナ、聞いて…」私は窓の外を指差した。摩天楼ほどの大きさの影が近づいてきて、一歩ごとに城壁を揺らしていた。「…あそこにいる巨大な怪物を始末してほしい。でも…殺しちゃだめ。消さないで。まだコピーが必要なんだ。」
初めて、彼女の目が鋭くなった。彼女は、私が人生で見た中で最も冷酷な視線を向けてきた。まるで、多元宇宙の法則そのものが、私が彼女に命令する勇気があると私を裁いているかのようだった。
そして、凍てつく星の光のような声で、彼女は言った。
「…お望みどおりに、女主人様」
「お、女主人様!?」私は甲高い声で言った。
冒険者たちは皆、一斉に私の方へと頭を振り返った。
「女主人様!?」ロナンは息を呑みそうになった。
ダリウスの剣が床に落ちた。
セレーネはまるで聖母マリアがプロポーズされるのを見たかのように口を覆った。
「え、待って、そんなわけないわ!私は…彼女はただ…」
遅すぎた。ルーナは消えた。
光でも、音でも。彼女はもうそこにいなかった。
私たちは心臓をドキドキさせながら外へ駆け出した。
そして、そこに彼女がいた。
アエテリスの上空に浮かんでいた。迫り来る巨体を背景に、彼女は小さく見えた。巨体は今や地平線全体を覆い尽くすほど近くにそびえ立っていた。
ルーナは繊細な手を挙げた。
パキッ。
タイタンは歩みの途中で凍りついた。
ためらいでも恐怖でもない。まるで彫像のように。
周囲の空気、マナ、そして動きという概念そのものが、その周囲で止まった。
私は息を呑み、胸を押さえた。「兄貴…彼女はタイタンの時間を凍らせた…まるで子供の遊びみたいに。」
ケールの眼鏡が顔から落ちそうになった。「こ、そんなことは…そんなことは…ありえない!」
セレーネは膝をつき、囁いた。「女神…女神がリリアの呼びかけに応えたのです…」
理解する暇もなかった。ルナは既に再び姿を消していたからだ。私の目の前にテレポートし、女王の前に立つ騎士のように深く頭を下げていた。
彼女の声は冷たく、揺るぎなく、絶対的だった。「女主人。タイタンはあなたの御心をお待ちしています。」
私は彼女に瞬きをした。自分より何十億倍も強い存在が、私の足元にひれ伏している。
「ああ、そうだ…あー…ありがとう。」
心臓がドキドキと高鳴りながら、凍てつく黙示録へと振り返り、手を上げた。
「ニャ。スキャンして。」
私の目は青く燃えるように輝いた。宇宙規模の設計図のように、データの奔流が巨人の体を流れていた。
[完全コピー発動]
[獲得対象: エルダータイタン]
[習得スキル:]
マナ操作 → 無限マナウィーブ
魔力感知 → 全知
魔力操作 → 概念呪文制御
重力操作 → 絶対重力
予知 → 真因果知覚
タイタンの力 → 無限の力
頂点の本能 → 原初の戦闘論理
[全スキル完成]
頭がくらくらした。魂が悲鳴を上げた。崩れ落ちる星を飲み込んだかのように、力が私の中に流れ込んだ。
「私は…」私は息を呑み、拳を握りしめた。「…やった。コピーした。」
私はルナを見た。「わかった。好きなようにすればいい。」
彼女はためらわなかった。何も尋ねなかった。彼女はただ、凍りついた月ほどの大きさの怪物の方を振り返り、再び指を鳴らした。
ドカーン!
悲鳴も、抵抗もなかった。
エルダー・タイタンが爆発した。
一瞬、そこにあった。次の瞬間、それは何もなかった。塵と化した。灰と化した。一瞬の仕草で忘れ去られた。
私は膝から崩れ落ち、光る手は震えた。「…兄貴…彼女はエルダー・タイタンを倒した…まるで何でもなかったかのように。」
アエテリスの街全体が沈黙し、司祭と兵士たちは、不可能を召喚した少女を見つめていた。
私は?ただ吐き気をこらえようとしていた。
どうやら、私は今や時空の女王なのだ。