表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

減量したいボクサーにホットケーキを

 とある閉店後のカフェで、一組の兄妹が顔を合わせていた。

「お兄ちゃん、チャンピオン防衛おめでとう!」

「フフフ、余裕だよ。天才だからな」

 本田|悟の二五才のプロボクサー、デビューから全試合KO勝ち。最年少で世界チャンピオンとなった天才だ。

 そんな(サトル)の悩みの種は、――妹だ。

「じゃあ行くよ。今回の新作ホットケーキ」

「おう、……お手柔らかに」

 二〇才の妹、天音(アマネ)はお菓子職人、両親が経営するカフェで看板メニューのホットケーキ作りを任されている。

 悟は月に一度、新メニューの試食に付き合っている。

「一皿目は黒蜜苺大福ホットケーキ!」

「……いただきます」

 ふっくら生地のホットケーキの間に、薄いお餅が挟まっている。フカフカとモチモチ、相反する触感が共存してる。

 苺の甘酸っぱさとケンカしないよう、独自にブレンドした黒蜜ソースのほろ苦さに加え、ホイップクリームのマイルドな口当たり。それらが見事に調和している

「さあ、まだまだあるからね。新作ホットケーキ」

 悟が一皿たいらげると、天音は満面の笑みで次のホットケーキをキッチンから持ってきた。

「今回もまた、ずいぶんたくさん作ったんだな」

「いやぁ~、最近なんだか創作意欲が止まらないもんだから。あれ? もしかして、もうお腹いっぱい?」

「……いや、いけるけど」


 一時間後、合計五皿のホットケーキをたいらげた悟は、罪悪感にさいなまれつつ岐路に立った。

「……はあ、またやってしまった。今夜も寮まで、走って帰りますか……」

 体重制限のあるボクサーにとって、太ることは仕事にとって致命的。

 ましてや、甘いものは天敵といっても過言ではない。

 しかし、かわいい妹が一生懸命に作ったホットケーキを断るわけにはいかない。

 試食を引き受けた次の日からは、過剰摂取したカロリーを燃焼するべく、過酷なトレーニングに励む悟なのであった。


 一方そのころ、天音は一人店内に残り、ある人に電話をしていた。

「もしもし、トレーナーさんですか? 今回も言われた通りにガッツリ食べさせましたよ! お兄ちゃん強すぎるせいで、すぐサボりますから、こうやって追い込まないと真剣にトレーニングしないんですよねぇ。困ったものですよ」

 妹たちの思惑によって、自分がチャンピオンの道へと導かれていることを、悟はまだ気づいていなかった――。


一カ月と少し振りの投稿です

これまであらすじだけを書いて終わりにしていた

短編でしたが、これからはオチも意識して

ちゃんと完結するように心がけよう思います

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ