ユーグレナモールの歌姫
翌日、ユーグレナモールでフリーマーケットがあるので美香子は11時頃宿を出た。
本で観た島バナナやドラゴンフルーツ、青いパパイヤなど珍しいものがいろいろ売っている。美香子が泊っている民宿には自由に使えるキッチンがあるので、いろいろ買って料理をしようと思った。
いつものように荷物が重くなったので美香子はいったん宿に帰り、宿の無料の自転車を借りてスーパーサンエーに行った。ソーキと八重山そばの麺を多めに買った。宿では多めに作っても誰かが食べてくれるだろう。
宿に帰ってさんぴん茶を飲みながら美香子はソーキを柔らかく煮た。その煮汁とかつおだしを合わせてそば出しを作った。ソーキは砂糖としょうゆで味をつけた。鍋に『そば、ご自由にどうぞ』と書いた紙を貼った。
夕飯までまだ時間があるので、美香子は歩いて山田書店に行った。けっこうな品揃えだ。
ゆっくり店内を見て回っていると耳が恋をしそうな歌声が流れてきた。お店の人に聞いてみると、今日夕方6時からユーグレナモールで無料ライブをするから行ってみたらと教えてくれた。その声は空のようで海のようで大地のようだった。美香子はいっぺんでファンになった。
時計を見るともう5時だった。慌てて宿に戻り八重山そばを温めて食べた。