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第1話「俺は死んだ」

授業は退屈だ。俺はそう思いながら窓の外を眺めていると

「おい白川、ここ答えろ」

先生が俺にそう言った。

当然、話など聞かずに外を見ていたので

「すみません、わかりません」

俺がそうと周りは大笑いしだした。

「白川、なんでこんな簡単な問題も解けない?」

先生がそう言い、俺は黒板を見て見ると、小学生でも答えられそうな内容だった。

多分先生は、俺が外を見ていたことに気づいてわざと簡単な問題を出したんだろう、俺はそう思った。本当にムカつく周りも周りだ、いつも俺と話さないくせにこういう時だけ馬鹿にしてくる、そんなことを思っていると、すっかり帰りのSHRショートホームルームの時間になった。

「えー、じゃあきをつけて帰るんだぞ」

先生がそう言うと周りのやつらはカラオケ行こ!だの色々言いながら帰っていった。

俺は、高校の中で目立ってるわけでもなかったので、特別帰る人がいない。今日も一人で帰ろうと思い鞄を背負おうとしたとき

「まって!」

後ろのほうからそう聞こえた。なんだ?と思い振り返ってみるとそこにはクラスメイトの斎藤真城さいとうましろがいた。斎藤は、金髪でザ・1軍!って感じの女子だ、普段関わることのないタイプだから俺は少し警戒気味に反応した。

「斎藤さん?どう」

俺が言い終わる前に斎藤は俺の鞄に指をさしながら言った。

「それ!あの異世界転生が何とかのキャラクターだよね?」

斎藤が俺にそう聞いてきた。俺は、大の異世界転生もの好きだ、家に何千冊と本があるくらいに好きだ。斎藤からの言葉に、俺は少し興奮気味に

「このアニメ知ってるの?」

と聞いた。斎藤は少し悩むような顔をしていた。俺は、少し興奮気味に言ったのが悪かったか?そう思っていると、斎藤から

「見たことないけど、そのキャラクター好きなんだよね!」

その言葉を聞いて俺は安心した。斎藤にキモがられて周りのやつらに言われたら俺の学校生活は終わる。そんなことを考えていると、斎藤は俺の顔を覗き込みながら

「そのアニメ、教えてよ!」

そう言ってきた。俺は今まで女子とあまり話したことがなく、戸惑いながらも斎藤とアニメの話をした。思いのほか悪いものじゃなかった。いや楽しかった俺はこんなに、長時間女子と会話したことがなかったからか時間を忘れてひたすら話していた。斎藤から見たら、ただの陰キャオタクがひたすらアニメの話をしている、そんな風に見えていただろう。

ひたすら話をしていると教室の入り口から

「おい!まだいたのか?早く帰れよ」

先生にそう言われた。

「もう遅いし、まだ話聞きたいから一緒に帰ろ?」

斎藤が俺に言う。

「帰ろう」

俺はそう言った。斎藤と話していると心地よかった、1軍女子でもいいやつはいるんだな、そんなことを思っていると、

「良一って他にどういうアニメ観てる?」

斎藤は、ちゃっかり下の名前で呼びながら、そう聞いてきた。

「ほかにもいろいろ観てるよ」

俺はそう言った。そう言うと斎藤も『アニメ観てみようかな~』と言いっていた。もしかすると、斎藤となら気が合うかもしれない。そんなことを思っていると、斎藤がビクビクしながら茂みのほうを指していた。茂みのほうを見てみると、そこにはナイフを持ったかなり大柄の男がいた。間違いなくヤバイ俺はそう思いとにかく斎藤と逃げようとしたが、斎藤は腰を抜かしていた。

「斎藤!」

俺が呼んでも斎藤からの返事はなかった。そんなことをしているうちに、男に気づかれた。

男は狂った顔をしながら俺たちのほうに走ってきた。俺は、死を感じた。だが斎藤は守りたい。そう思い斎藤を押し、なるべく男から離した。よし!あとは俺が離れるだけそう思い逃げようとしたらもう男が目の前にいた逃げられる距離じゃないそう思っていると、俺はあっけなく刺された。なぜだか痛みは感じなかった。とにかく斎藤を守れてよかった。至って普通の俺の人生は終わった。


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