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第51話 ベテラン冒険者②

 俺達はブラッドラプトル討伐の為に北へ向かって歩いている。


 道中は両親についての話をきいた。

 ギルバートさんは、ほとんど母さんの話しかしない。

 曰く、母さんは相当に人気者だったらしい。


「あの、そんなに俺の母さんは凄かったんですか?」


 ギルバートさんは俺の質問にいちいち大げさに反応してくれる。

 俺の肉親の話をしてくれるのは嬉しいが。偏ってるんだよな。


 それにさっきから母さんの話ばかりだ。父さんは嫌われてたのだろうか。

 でも贅沢はいえない。彼の話す母さんは生き生きとしている。


 シャルロットが「彼もストーカーね、あなた、お母様のストーカーのおっさんと話してるのよ?」とか、酷いことを言ってる。

 でも、それでいい、仮にストーカーだとしても……いいのか?


「カイル様、良いと思いますよ? それにこの人も天国までストーキングしなかったのでまともだと思います。

 それに多少は付きまとわれるくらいが一般的な女性としては嬉しいものですよ? もちろん限度はありますが」


 セバスティアーナさんがいうと説得力がある。現在進行形でストーカーされているのだ。

 でも、未だに宰相の首が繋がっているということは、彼もギリギリの一線は超えてないのだろう。


「おい、カレンの息子よ、そのメイドはやめとけ。同じ黒髪とはいえ、お前の母ちゃんと比べたらなんだっけ、月と……」


「すっぽんですか? 失礼な話ですが確かにカレン様は美しかったですね。そこは素直に認めましょう」


 そういえばセバスティアーナさんも両親と一度、冒険者パーティーを組んだことがあると言ってた。

 けど、そんなに会話をしなかったと言って特に詳しいことは聞けなかった。


「あのギルバートさん、両親はどういう冒険者だったんですか? 道中暇ですし教えてくれると嬉しいんですが」


「ああいいぜ。そうだな、俺がカレンに会ったのは確か20年以上も前の話だ。ちょうどお前さんと同じくらいの年齢だったような――」


 曰く、ギルバートさんはまだ駆け出しの冒険者だった。


 彼は地元では負け知らずの若者で、腕力一つで大成しようと首都ベラサグンに来て冒険者になったそうだ。

 彼は若さに任せて無茶な討伐任務もおこなったそうだ。


 そんな最中、バシュミル大森林から魔物の大移動があり、その討伐任務に参加した。


 最初は敵を倒しては倒しまくり、前へ前へ進んだ。しかし体力が尽きてしまい危うく命を落としかけたそうだ。

 そのときに母さんが大盾をつかって守ってくれたのだそうだ。


 そしてギルバートさんは母さんに一目ぼれをしたとのことだ。そして彼も命を救ってくれた大盾に興味をもち防御担当になったそうだ


 だが、母さんは結局同じ冒険者パーティーだった父さんと結婚してしまい。気持ちの整理を付ける前に両親が死んでしまったのだそうだ。


 人にはいろんな人生がある。この人は幸せなのだろうか。

 俺は複雑な表情をしていたのか、隣にいた大剣のオズワルドさんが突っ込む。


「純愛みたいな話してるが、こいつには女房も子供もいるぜ、惚れた女の息子の前でカッコつけてるだけだよ、がっはっは」


 なんだ、カッコつけてただけか。


「そろそろ目的地だ。ここからは警戒して進もう。リーダーもいつまでも昔の女、いやただの片思いを拗らせてんじゃねえって」


 大戦斧のヘクターさんからも突っ込まれると、ギルバートさんも切り替える。だらしない顔から一気に歴戦の戦士の顔になった。


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