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第4話 ダンジョンのボス

 十分に体力を回復させたエレルはロニを伴って、ダンジョンの入り口へ向かって歩き出した。


「そう言えば道中の仕掛けは全部あんたが解いたの?」

「仕掛け、ですか?」

「あのね……一応ここは討伐レベル8の最高難度のダンジョンなの。モンスターは魔法でやっつけたとしても、扉の鍵とか見えない壁とか、そういうのなかったの?」


 状況から考えて、エレルは道中の仕掛けをロニが解除してきたと考えていた。


「ああ……そう言えばダンジョンって面倒くさいんだなって思いながら来ただけですよ。変なところに鍵を隠してあったり、わざと進めないようにしているなんて意地悪なんだなあって」

「あ、そう……」


 まともな会話ができないと思ったエレルは追求をやめた。それと同時に、この男が仕掛け解除において非常に優れていることもわかった。


「まあでも、今度ダンジョンに潜る時は必ず経験豊富な冒険者と一緒に潜ることね」

「はい、それはもうわかりました」


 全て仕掛けの解除されている道を歩いて行くと、エレルは前方にざわめく気配を感じた。


「まだモンスターがいたのね……あんたは下がってて!」


 すぐに長剣を構える。現れたのは、数十匹の蟻のモンスターであった。一匹の大きさが猫ほどあり、鋭い顎で捕らえられたらひとたまりもなさそうだった。


「でもね、数さえいればいいってもんでもないよ!」


 エレルは襲いかかる蟻たちの頭部に次々と長剣を突き立てていく。次第に統制のとれなくなった蟻はちりぢりになり、エレルは一匹残らず蟻を粉砕した。


「すごい……」


 エレルの剣捌きにロニはため息を漏らす。


「まあね、私くらいの冒険者になればこのくらいは何とも思わないけど……!」


 急激に膨れ上がった何者かの気配に、エレルはロニを庇ってその場から飛ぶ。


「何!? 何ですか!?」

「来たのよ、でっかい奴が」


 倒した蟻の群れが集合体と成り、一匹の巨大な女王蜂が現れた。ダンジョンの通路を埋め尽くすほどの大きさの蜂が2人をじろりと睨む。


「こいつがこのダンジョンのボスね! なんで今更出てくるの!?」

「それはおそらく、このダンジョンのモンスターを全部討伐したからじゃないですか!?」

「とにかく待避! 一回体勢立て直さないと!」


 エレルはロニを連れて元来た道を一目散に走り出す。走りながら女王蜂を攻略する方法を必死で考える。


「ああもう、あんだけ大きいと剣で攻撃できない!」

「魔法は?」

「どうかな、一応氷の魔法と雷の魔法は残してある!」

「とにかく使って足止めしましょう!」


 エレルは魔法袋から氷の魔法を取り出し、蜂目掛けて投げつける。ダンジョンの壁一面に氷が出現し、女王蜂はそこから先へ一時的に進めなくなった。


「今のうちに、もっと奥に!」


 2人はダンジョンの更に奥へ奥へと戻っていった。



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