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蟲喰学園  作者: 椿 冬華
第一章 梅田ダンジョン編
3/17

二匹目 前編 【クロコゲグモ】


 嫌悪するものを前に、人間は人間性を見失いがちである。




 二匹目 【クロコゲグモ】




 雀蜂によって理事長室から連れ出された後も、不亞武流はしばらく放心状態にあった。一度は怒りで自我を取り戻したとはいえ、所詮は怒り。(しぼ)むのも早い。


「歩けますか?」

「……あ、ああ」


 蜂蜜色の美しい眼差しに見つめられて、そのあまりにも神秘的で透明度の高い色合いに不思議と、落ち込んだ気分に落ち着きを見出せるようになった不亞武流は数回深呼吸を繰り返して、最後にひとつため息を吐いてから頭を乱暴に掻いた。


「……なんなんだ、あの蜘蛛って女」

「姉様はこの学園随一の蟲遣いですわ。大人も顔負けの蟲遣いですのよ。なので政府や警察からの信頼も厚くて、わたくしも百足も〝フェイズ3〟までしか発現できていないのですけれど、姉様は十歳の時にはもう〝フェイズ4〟に達しておられて……」

「政府や警察……?」


 後半の意味が全くわからない言葉は聞き流して、気になった部分に突っ込む不亞武流に雀蜂は気を悪くするでもなくにこやかに答えた。


「はるかな古来より〝蟲遣い〟は治安維持のために様々な組織と繋がっているのです。ここ蟲喰学園卒業後の進路は自衛隊が最も多くて、次点で研究施設、医療施設、製薬会社、警察、官僚と拮抗します」

「ンだそりゃ……エリートさまのガッコかよ」


 ますますもって自分とは縁ない場所だ、と不亞武流は舌打ちする。と、そんな時であった。鬼灯館から彼岸館へと通ずる渡り廊下から少女の甲高い泣き声が聞こえてきて不亞武流は眉を顰める。


「うあぁ、ああぁ、うああぁああぁん……」


 雀蜂とともに渡り廊下に出ると、彼岸館の入口付近で頭に立派な一本角を生やした女生徒が人目を(はばか)ることなく大声を上げて涙を流していた。そのちいさな手のひらには、潰れてぐしゃぐしゃになった〝何か〟があった。


「あぁあ……誰かが気付きもせんと踏み抜いていきよったんかいな。あーあー、そない泣くなってかぶ子!」

「ぺちゃんこなのです……」「ぺちゃんこなのです……」

「ぶっちゃけさせてもらうとな、かぶ子! こらあんさんが悪いで! 踏んだヤツのせいやない! 蟲っちゅうんは虫と同じですぐ死ぬひ弱な生き物や! それを守ったるのがわいらや!」

「ヤンマ、言い過ぎなのです」「ヤンマ、言い過ぎなのです」

「黙ってろやツインズ!」

「まぁまぁ……でもヤンマの言う通りだぜぇ? 孵化したての蟲は俺様たちが守ってやらにゃすぐ死んじまう」


 クラスメイトだろうか。見るからに個性豊かな面々が少女を囲んで口々に励ましたり、(いさ)めたり、(なだ)めたり、(たしな)めたりしている。だがしかし、不亞武流の目にはそんな奇天烈な面々は映っておらず──ただただ一心に、無心に、全身から血の気が失せた蒼白な状態で少女を凝視していた。

 少女が手のひらに載せている物体。

 それはつい先ほど、不亞武流が踏み潰したカブトムシであった。

 少女の泣き声が鋭利な剣となって容赦なく不亞武流の体を切り裂きにかかる。少女は、本気で悲しんでいた。手のひらにあるちいさないのちの消失を、心から悲しんでいた。

 つい、と不亞武流の足が一歩前に踏み出る。


「何をなさるおつもりですか?」


 踏み出しかけた不亞武流の足を、雀蜂のそんな冷淡な声とともに──見るもおぞましい、足の(すね)ほどもある巨大なスズメバチが押し留めた。不亞武流の喉がひゅっと鳴って、けれど悲鳴を上げることもできず凍り付く。


「わたくしは風紀委員長の蟲喰雀蜂──あなたの行為は、余すことなく拝見させていただいておりました。その上で、問います。()()()()()()()()()()()()?」

「な、なにって……」

「謝罪なさるおつもりですか? 謝罪なさって、どうするのですか? 罪を償いますか?どうやって?」

「そ、それは……」


 雀蜂の声が、無機質に響き渡るスズメバチの羽音のように不亞武流の脳を容赦なく揺さぶる。


「今、かぶ子さんは誰も責めておりません。犯人捜しをする気もございません。あのちいさなカブトムシが失われたのは己の監督不行き届きだと自覚しておられます。己の未熟さが原因であり、己の甘さが招いた不幸であると自責しておられます」


 ぐっと、不亞武流の足を拘束するスズメバチの肢の力が強くなる。

 雀蜂が、恐ろしいほどに透き通った蜂蜜色の眼差しで──不亞武流を、まっすぐ射抜く。


「かぶ子さんに謝罪すればあなたはスッキリするでしょう。罪を償う行為でもすればあなたは罪悪感から逃れられるでしょう。ですがかぶ子さんは? あの方は、己の大切なものを故意に、悪意でもつて殺されたと知ることになります。──虫明不亞武流くん」


 雀蜂の、蜂蜜を溶かし込んだような髪に()()()()()()()()()、と(おびただ)しい数のスズメバチが這い回る。スズメバチたちの無機質な両眼が一心に、不亞武流を見据える。


「今、あの子に謝罪することはこのわたくしが許しません。あなたの行為はこのわたくしが知っていて、絶対に許しません。──それをしっかり心に留めた上で行動なさってください」


 不亞武流は、何もできなかった。

 それを見て満足したか、あるいは妥協したか──雀蜂はにこりと微笑んでスズメバチたちを下がらせた。

 そうこうしているうちに少女がクラスメイトたちに付き添われながら彼岸館の中へ入っていき、不亞武流の視界から消える。

 〝罪悪感〟という感情を残したまま。


「……その罪悪感とて、かぶ子さんがあんなに泣いたからこそ抱いたものでございましょう? カブトムシを踏んだこと自体に、本当に罪悪を感じていますか?」

「っ……」

「不亞武流くんが虫嫌いなのは仕方のないことですわ。わたくしとて苦手なものくらいはありますもの。ただ……どんな嗜好の人間であれど好きなものを(ないがし)ろにされれば、傷付きます。それは不亞武流くんも同じでしょう?」


 不亞武流は答えない。

 答えず、罪悪感とも後悔とも混乱とも形容しがたい複雑な感情そのままに、胸元にぶら下げているアクセサリーに埋もれたお守りを握り締めていた。


「では、参りましょう。百足たちが待っておりますわ」

「…………」


 抵抗する気力もなく、為すがまま不亞武流は彼岸館へ入っていった。

 虫明不亞武流。

 昆虫学者である虫明隆の息子でありながら虫嫌いに育ち、父親への反発ゆえに非行に走った少年。中学時代はほとんど登校しておらず、町の不良高校生たちに〝悪いこと〟を教えてもらっては問題を起こし、補導されるを繰り返していた。タバコや酒なんてかわいいもので済むわけもなく、〝ものを盗むということ〟〝人を殴るということ〟〝人の尊厳を踏みにじるということ〟を教わり、忠実に学習していった不亞武流は次第に、それらに対する罪悪感を失っていた。ものを盗んでも怒られるだけで済む。人を殴ったら殴り返されはするが、さらに殴り返せばいい。人の尊厳を踏みにじったって自分には関係ないから何とも思わない。

 中学二年生の時、学校のクラスメイトである男子生徒が何かを大切そうに抱えながら下校しているのを見かけて、奪った。大切そうにしていたのが文芸部で作った文芸誌の原稿だと知り、焼いた。男子生徒は泣き叫んでいたが、不亞武流は笑った。嗤った。背後に〝仲間〟の高校生連中がいたのもあり、不亞武流の気は大きくなっていた。自分が壊してやったという全能感で快感に酔いしれていた。

 だから、彼には理解できなかった。

 今、こうして自分が諸々に対して抱えている〝血の気が失せるような感情〟が一体何であるのか不亞武流には理解できていなかった。まっとうに人生を歩んだ高校生であれば、それを罪悪感と、あるいは恐怖感と、もしくは劣等感と、ないしは現実感と──そう自己分析できたかもしれない。

 だが不亞武流は、これまでちゃんと人と向き合ったことがなかった。

 百足が蟲を置いて追い掛けてきた瞬間、初めて〝人〟と向き合ったのだ。不亞武流の人生において、不亞武流のことをひとりの人間として認めてくれる存在などいなかった。父親は色んな意味で奇天烈であったし、小学校ではファーブルになぞらえて虫をけしかけられ続けていたし、中学校ではグレた不亞武流を腫れ物のように扱う者ばかりであった。

 だから不亞武流は、どうすればいいのかわからなかった。

 わからないまま──雀蜂に促されて、教室に入る。

 入って、不亞武流は呆然とした。


「やあ、おかえり不亞武流」

「お~! 帰ってきた! よっすファーブル! 虫嫌いならそうってはよ言えって! うちら最悪なことしてたじゃん! バカウケなんですけど」

「ファーブルくん……よかった。大丈夫? さっきはごめんねぇ……」

「帰ってきた……とりあえず、一安心」

「遅かったですね。帰ってこなければどうしようかと相談していたところでした。先ほどは驚かせてしまい、申し訳ありません」

「大丈夫でん? でんも蟲じゃなくて虫は苦手でんからキモチ、わかるでん」

「あー、俺っちのこのツノはただのカチューシャなんだけど……ダメ?」


 クラスメイトたちが、普通になっていた。

 百足は先ほどと変わらないが、さそりは全身にあれだけ付けていたアクセサリーを軒並み外していて、髪飾りも外して髪を下ろしていた。派手な髪色とメイクのおかげでギャルっぽさはあるものの、それでも先ほどに比べると幾分か地味だ。

 てふてふはあの奇妙な羽と触角を仕舞っていて、それさえなければごくごく普通の、おかっぱが可愛らしい素朴な少女であった。

 モグラは不気味な薄ピンク色のもじゃもじゃがどこかに消失していた。それでも全身黒タイツの奇人ではあったが、悪目立ちするもじゃもじゃがなければ田舎町育ちの純朴な少年に見える。

 灯籠もカマキリの着ぐるみが消失していて、眼鏡がよく似合う詰襟の優等生という風貌に様変わりしている。

 でんでん丸はあの巨大な殻が消失していて、かつヌメっていた皮質も普通の人間のそれになっていた。こうなると垂れ目がチャームポイントな普通の少年に見える。

 ハサミはクワガタムシの角を模したカチューシャ片手に、先ほどと変わらず裏表のない素朴な笑顔を浮かべている。


「あん? また固まってるんですけどファーブル。マジウケる」

「あ……え? あ……おまえら……」

「大丈夫? みんなに事情は説明しておいたよ。みんな、不亞武流に蟲を近づけないようにしてくれるって」


 百足の言葉で不亞武流はようやく、クラスメイトたちが自分のために〝普通〟になったのだと知る。知って、しかしそれでも不亞武流はどうすればいいのか全然わからず、押し黙った。


「でもヤバくね? 虫明博士の息子なのに何も知らないってヤバくね?」

「だからこれから知るのでしょう? ここはそのための場所でもあるのですよ。モグラさんとハサミさんだって蟲遣いとしては初心者ですしね」

「うん……いろいろ、びっくり」

「うん。ファーブルっち気にすんなっちゃ! 俺っちも虫と蟲の違い、実はまだよくわかってねーっちゃ!」


 不亞武流ひとりのために自分たちの在り方を変えさせられたというのに、クラスメイトたちにそれを気にする様子は微塵もない。それが何だか胸に詰まる、と不亞武流は感じていたが残念なことに──彼にその感情を言語化ないしは客観視できるほどの経験がなかった。


「不亞武流、とりあえず座りなよ。顔色悪いし」

「ブルー通り越してオフホワイトで美白みたいな? 梅茶飲む?」

「何で梅茶……アナタ、水筒にお湯入れてきているんですか。梅茶淹れるギャルって聞いたことありませんよ」

「うちおばあちゃんッ子だし? このネイルもおばあちゃん力作だっつーの」

「え……さそりちゃんのおばあちゃん、すごいねぇ」

「俺っちのカチューシャ、実は俺っち力作っちゃ! 早く〝フェイズ2〟に行きてーなぁ」

「おらも……」


 好き勝手喋りまくるクラスメイトたちに何とも言えないまま、不亞武流は戸惑った視線を彷徨わせる。しかし先ほどまで不亞武流にぴったり付き添っていた雀蜂はいつの間にか、いなくなっていた。別に頼りにしていたわけでもないというのに急激に心細くなって、不亞武流は唇を引き締める。人といがみ合うのも、人に嫌われるのも、そして人を人と思わないのも得意であったはずの不亞武流は──人に気遣われ、人に受け入れられ、人に守られる初めての経験を前に、路頭に迷っていた。

 いやそういえば、と不亞武流の手が無意識のうちに胸元のお守りへ伸びる。雑多にぶら下げられたアクセサリーに埋もれて潜む、古びた白いお守り。()()が広く作られているところを見るに、お守りというよりは巾着袋のようにも見える。表には〝おまもり〟といびつながらも人の真心が感じられる刺繍が施されている。

 不亞武流の人生において唯一、不亞武流と向き合い愛し付き添ってくれた母からのプレゼントであった。

 幼いころに病死した母の姿を不亞武流はもう朧げにしか覚えていない。だがそれでも、このお守りを首にかけてくれた母の優しさは今に至るまで忘れられずにいた。忘れられなかった。どんなにグレても、忘れなかった。

 何故かそれを今思い出して、不亞武流は神妙な面持ちになる。相変わらず自分の感情を言語化できはしなかったが、それでも不亞武流の混沌としていた感情の波が落ち着いてきたのを自覚して、不亞武流は改めて教室を見回した。

 蔓に浸食された教室。だが虫──いや、この学園においては〝蟲〟──は一匹もいない。羽音さえひとつもしない。ロッカーや黒板、机など日常的に使うであろうものには蔓が這っていなくて、このあたりの管理はどうしているのだろうと不亞武流はぼんやり考える。机は生徒用のが八セット、教卓がひとつ。と、そこでようやく教卓に人がいることに気付いた不亞武流は片眉を上げた。


「お、やっと気付いてくれたね~どうもどうも、先生ここの」

「なーファーブル、アンタ虫嫌いっしょ? 逆に好きなモンはあんの? ホラ犬とか猫とかあるっしょ」

「え? あ、ああ……犬が、好きかな」

「犬! 俺っちも犬好きっちゃ! 犬飼ってるのか?」

「い、いや……」


 教卓にいる人間を思いっきり遮って話しかけてくるクラスメイトたちに面食らって、さしもの不亞武流も押され気味に大人しい答えを返してしまう。


「ぼくは苦手かな……犬。飛び掛かってくるから」

「ワタシも苦手ですね。何度うちの子を喰われたか……」

「おらは好き……一緒にどろんこになって、遊べる」

「わ、わたしもどっちかっていうと……苦手かなあ? 追いかけられて……こわい目にあったこと、あるからぁ……」

「でんはどっちでもないでん。でんが一番好きなのはカエルでん」

「カタツムリじゃねーのかよ」


 そう言ってから、不亞武流ははっとしたように自分の口を押さえる。さもクラスメイトたちとの談笑に耽ったような自分の態度に、嫌悪感ともとれる羞恥を覚えたのだ。慣れ合いは弱者やお優しい善人たちのやるくだらないもの、と考えている〝不良〟にとって、自分のその行いはとても恥ずかしいものだった。


「それな! ファーブルもそう思うっしょ? コイツ普段あんなヌメってんのに家はカエルグッズの巣窟なんよ! もうカエル遣い名乗れっつの!」

「オススメゆるキャラはくまモンでん」

「カエルどこ行った」


 またもや飛んだ不亞武流のツッコミにクラスメイトたちが屈託のない笑い声を上げる。羞恥に近い嫌悪感を抱いていることを自覚していながら、不亞武流は不思議とこの状況を好ましく思っている部分があるのも自覚していて、それがさらに嫌悪感を醸し出していて──だからといって反発してクラスメイトたちに罵詈雑言を浴びせる気にもなれず、不亞武流はただただ戸惑う。


「カタツムリは好きでん! それよりもカエルが好きでん! ゆるキャラはくまモンイチオシでん! でも虫は苦手でん」

「……虫、苦手なのか?」

「でんでん。蟲は意思疎通できるでん。虫はできないでん。蟲は仲良くなれるでん。虫はなれないでん。だから苦手でん」

「わたしもぉ……全部の蟲や虫がへいき、ってわけじゃないかな……苦手なのも、いるよ」

「うちもうちも。ゴキブリとかマジ無理だし」


 虫好きでも、全部大丈夫なわけじゃない。

 当たり前のことであった。犬好きとて、小型犬は平気でも大型犬は苦手という人間がいる。画一的に物事は見れない──当然の摂理であった。だが不亞武流はようやくそれに思い至ったような顔で、そういえば自分が虫狂いと言って毛嫌いする父親にもそんな側面があったことを思い出す。

 たまに──本当にごくごくたまにであったが、不亞武流の父親が一心不乱に、それこそ狂ったようにハエを潰している様子を見たことがあったのだ。親の仇でも見るような眼差しで一心にハエを潰し続ける父親に不亞武流は何も言えず、何も聞かずそっと扉を閉めた。蓋をするように。父親もまた人間である事実に、蓋をするように。


「あのー。そろそろ先生の話、聞いてくれませんかね」

「お? センコーまだいたん」

「忘れているみたいだけどまだホームルーム中だからね一応。終わったって言ってないからね一応」


 そこでようやく、スポットライトが教卓に移り生徒たちの視線が集まる。


「どうも。他のみんなには言ったけど、もう一回。先生は音鳴(おとなり)蟋蟀(こおろぎ)。ここの担任で、〝蟲学〟と〝数学〟を担当することになっている。とは言っても、実はまだ大等部二年で教員免許持ってないんだけどね」


 一見、どこにでもいそうなごく普通の青年──音鳴先生はここ蟲喰学園の圧倒的な人材不足を受けて、学生でありながら今年度から教師としても働くことになったと軽く説明する。


「そゆわけでヨロシクな、虫明」

「あ……っす」


 それから音鳴先生に時間割表や校内図、年間行事表などひと通りの書類を手渡されて、あっさりとホームルームは終わりを迎えた。


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