5人の僕2-1
『グエェッ』
声になっていない声をあげながら地べたを転がる。
目の前には直径50㎝くらいのダンゴムシの様なものがこちらの様子を窺っているいる。
いやいやいやいや、何これ。
視界内にいる化け物は置いておくとして、
『僕の体、蛇じゃない?』
「キキキィ」
あ、はい。
目の前の獲物は逃がさないと。その行動、僕は正しいと思うよ。
でもさ…
『今はまだ、混乱してるんだけど…』
気が付くと地べたを転がっていた。
なんでこんなことに……あぁ、思い出した。
簡単に説明しよう。
学校の屋上でいつも通り、ボッチ飯してたんだよなぁ。
そしたら…
「そこだぁぁぁぁ」
って聞こえて頭が痛くなって気が付けばこうなってた。
ガッ
『ヒョエェェェ』
そんなことを考えてる間にも攻撃は続く。
うまく攻撃が当たらないことにしびれを切らしたのか段々と動きが直線的になってきている。
蛇の体に慣れてきたので、回避ついでに尻尾を振るう。
おしりを振るっていうよりかは足を振るってイメージだけどね。
ガスン
おぉ…割といい音が鳴ったなぁ。
でも、ダンゴムシもどきにはあまり効いてなさそうだなぁ。
実際、『元気1倍ダンゴムシ!』って感じだしなぁ。
とりあえず現状を把握することと自身について確認することが大事かな。
そう思った時、視界の右上に水色のウィンドウが現れた。
種族:レッサースネーク 個体名:なし レベル:1
体力:3/8(8) 魔力量:12/12(12) 力:5(5) 頑強:2(2) 魔力4(4)
スキル:ガソリンレイン 確認 検索 覚醒
……な
『なんじゃあこりゃぁ!?』
うん、戸惑ったには戸惑ったけど自分なりに納得したから大丈夫。
どうやら僕は、異世界に転生したらしい。
さて、それじゃあ戦闘に意識を戻しますかねぇ。
あ、こりゃ酷い。外殻が完全にへこんでらぁ。
昔からなんだよなぁ。
考え事をしながら人と甚振っていると気が付けば原形をとどめていないってよくあったからなぁ。日本にいた頃も人を嬲り殺しにしていると集中力が高まったからなぁ。
僕が素早く納得できたのはこのダンゴムシもどきが犠牲になってくれたからといえるのかなぁ。
感謝感謝。
どうでもいい訳ないんだけどさぁ。…お腹減ってきちゃった。
体当たりをかましてくるダンゴムシもどきに尻尾を叩きつけながらあたりを見回す。
…うん、他に生き物が全然いないや。
ため息混じりにダンゴムシ伝うもどきに食らいつく。ダンゴムシもどきの横腹に牙が食い込み、たわしを噛み千切るような感覚を味わう。
『ギギィッ!?』
突然動きを変えた僕にいったん戸惑うも気を取り直したのか、すぐに全力で体当たりをしてくる。すれ違いざまに、同じところに嚙みついて腹を嚙み千切る。
先ほどと同様の感覚を味わうと同時にダンゴムシもどきの動きが目に見えて遅くなる。
油断せずに身構えていると何かに傷口を噛み千切られているようにプツリと息絶えてしまった。
傷口をよく見てみるとおびただしい数の切り傷が付いてるし…考えな様にしよ。
それにしても物凄い腹が減ったなぁ。
実際、体力の数値が1になってるしなぁ。僕の予想になるけれど…体力っていうのは腹持ちとかスタミナを表しているんじゃないかと思っているんだ。
『レベルが上がった。ヤッタゼ。』
機械的な声が聞いてふと思う。
僕の声に似てないかなぁ。
レベルが上がったらしいのでステータスでも見てみるかなぁ。
それじゃ…確認。
種族:レッサースネーク 個体名:なし レベル:14
体力:2/112(8) 魔力量:12/168(12) 力:70(5) 頑強:28(2) 魔力56(4)
スキル:ガソリンレイン 確認1 検索 覚醒
ステータスの上がり方がおかしいことに触れる前にやばい点が一つある。
体力が増えてねぇ。腹一部もないんだからそりゃハラヘリホーなはずだよ。
食わなきゃあ死ぬぅ。
僕は戦っている時よりも素早く死骸にかぶりついた。