表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
水の中の戦争  作者: 葉月 優奈
四話:天下無双のクロコノイド女将軍
50/56

050

半魚人軍の王、ナスチュンはいつ現れても威圧感があった。

そしてナスチュンは、私をはっきりと睨んでいた。

だが、変わった状況はそれだけではない。


「水魔砲を、お前は打ったのか?」

「はい、打ちました」私は正直に答えた。嘘をつく必要は、これ以上無い。


何より、ナスチュンはこの状況を知っていた。

だが、私は一つ心に決めていたことがあった。


「精度が悪いと、聞いたのだが?緊急事態以外は、禁止したはずでは無いのか?」

「今は緊急事態かと思いますが……」

「いえ、今は緊急事態を表明しておりませぬ」言い返すのはビンナガ。

眼鏡を駆けたマーマンが、ナスチュンに離していた。


「ギマよ、勝手にやったのか?」ナスチュンが、私に問いただす。

「我が軍が、ライタルクまで奪われる寸前です。

ここで使える武器を使わなければ、勝つことはできません」

「それでも、水魔砲を許可した覚えは……」

「あなたは愚かだ」

私は不敵に笑った。

そんな中、城門付近に兵士の姿が見えた。


「どういうことだ?」

それは、半魚人軍の兵士達。

だか、それよりも多いクロコノイドの兵士が一緒に来ていた。

この軍団を、率いているのは二人。


一人は赤毛のマーメイド。

金属鎧を着ていて、大剣を背負ったマーメイド。

そいつは、四天王のテトラだ。だが、違和感はそいつと一緒にいたヤツだ。


「なぜ、イエンツーユイが……」

テトラと一緒に出てきたのは、イエンツーユイだ。

赤い鱗に、鰐頭と女の顔。黒いコートを着ていて、冷めた顔をして私を見ていた。


「お前が、ギマ・ジョンソンか?」

イエンツーユイは、私に問いただした。

いや、私もイエンツーユイを知っていた。

知っていたし、彼女は危険だ。ここで、殺さないといけない。

水魔砲で仕留め損なったが、単軍でイエンツーユイはやってきた。これは好機だ。

ここには四天王も二人、おまけのナスチュン王もいた。


「ああ、だが……」

「半魚人軍の王、ナスチュン王もいるのか」

イエンツーユイは、私の後ろのナスチュン王に気づいた。

だが、ここにはテトラも私もいる。水魔砲の射程外だけど、強い半魚人が揃っていた。


「そうだ。イエンツーユイ将軍。その前に……少しやるべきことができた。

お前の相手をする前に……」

ナスチュンのすぐそばに、二人のマーマン兵が姿を見せた。

二人のマーマンは、大きな一本の鉄の槍を持っていた。

だが、それは重そうに大事そうに泳いでナスチュン王の前に運んでいた。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ