愛い 憂い-ui-ui-
『通り雨が降って マイマイ
濡れた地固まって 幸い
繋いだ手を離して バイバイ
揺れた瞳閉じて グンナイ』
書きなぐったペンを置いて
空 仰いで 目を覆った
ちがう こんな歌じゃないやい
歌いたかった想い write lie
誰もが口ずさむような
キャッチーでメロウなナンバー
そんなストーリーばかり
溢れ溢れ溢れ
溺れてしまいそうだ
きらり煌びやかな波の音に飲まれ
息継ぎも出来ないの
吸える酸素求め 開けては閉める口に
紡ぐ歌はないの
うねり躍る渦に飛び込んでしまえたら
いっそ楽になるの?
いいえ
渦に引きこまれ もみくちゃにされながら
助けてと歌うのでしょう
『独り雨に遭って cry cry
濡れた髪絡まって 痛いや
番いの鳥飛んで fly sky
触れたはずの君の手 ないや』
書きなぐった文字を消して
パソコン閉じて 突っ伏した
ちがう こんな歌じゃないやい
伝えられなかった 未来 light
誰も彼も羨むような
一握りのサクセスストーリー
こんなプラ製の靴じゃ
シンデレラだって
探せはしないだろうな
ふらり華々しい街の灯りを外れ
坂道を駆け登った
息切らし登りきって振り返る先に
遮るものはないの
ひとり踊り狂い つんのめって転び
なんだか可笑しくなった
笑い泣いて寝転んだ 灰の地面は
やけに温かかった
悲しいって気持ちを
キレイな詩にしないで
苦しいって言葉を
包んで甘くしないで
腹の中で ぐるぐる回る
この わだかまりごと歌って
胸の中で ぐるぐる唸る
モンスターにだって愛を
きらり煌びやかな波の音に飲まれ
息継ぎも出来ないの
吸える酸素求め 開けては閉める口に
ありったけの 愛を
ふらり華々しい街の灯りを外れ
いつか登った坂路
息切らし登りきって振り返る先に
差し出された手握った
そういう気分のときも、あるのですよ