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8話



なんてことない休日になるはずだったのに、何故か俺の隣にはよそよそしい態度でちょこんとソファに座っている千紗がいる。


うーん。いつもなら、会話が弾むはずなのに、今日はおかしいと言っていいほどぎこちない。俺もだけど。


一緒にゲームしているけど、いつもよりもテンションが低い。お互い意識しているからなのか、煽りプレイもまともにできないのだ。


「あ〜負けたぁ〜」


微妙な反応。おかしい。前はもっと自然体だったのに、自然に接そうとしているのにこの空気がそれを許さない。


なんでなんだ………


自分でもこれに関してはよくわからない。


「なあ、千紗。なんか、もうちょっと自然体にならないか?」


「え??私、いつも通りじゃなかった!?」


「いつもはそんな強張った顔してねーよ」


「え?私、そんなに強張ってる?そんなにいつもと違う??」


「違いまくりだぞ。はっきり言って空気が重い。意識しすぎてるな。俺もお前も」


「確かに、そうかも………お家デートって一括りにまとめるけど、実際には何をやればいいのか全くわからないね」


苦笑いをしながら、いう千紗を見て、俺もそれについては同意していた。だって、お家デートしたことないんだもん。

やったことある人からすれば、「えwwわかんないの?さすが童貞ww」と言われるのだろうが………


「確かにな、俺も実際のところ1ミリもわからない。だけど………」


「だけど??」


「楽しいことをすればいいと思ってる……」


「楽しいこと?」


「ああ、俺は無理に気を使わずにその時に楽しいと思えればいいけどな……」


「確かに、私もそう思う……」


「じゃあ、俺たちがするべきことはわかるよな?」


「うん、いつも通り思いっきり―――」


「「楽しむ!!!」」





「うわぁ〜〜いっぱい遊んだぁ〜!!」


夕方。日課のゲームを一緒にして遊び疲れた千紗が背伸びをしながらそう言った。


「確かにいつも以上に盛り上がったな」


「宏太のクソ雑魚プレイが目立ったからなぁ〜〜w」


「お前のゲーム並みの戦略プレイもどうかとおもうけどなあ?」


「あ〜あ!お家デートするはずだったのに、普通に遊んじゃったね〜〜」


「まあ、楽しめたから俺は全然、よかったけどな?」


「私も楽しかったけど……」


「どうした?もしあれだったら、もう一回お家デートの練習するか?」


確かに俺たちは遊びすぎた。いつも通りに。

これは、俺たちの遊びであって、世間一般的のお家デートではないかもしれない。


「どうする?もう一回、お家デートするか?」


するなら、映画鑑賞とかもうちょっとロマンティックにするとか、色々あるけど。


「うんん。しなくていい……だけど……」


「だけど?どうした??」


「私と―――キスしてくれない??」


突然放たれたその言葉は、辺りの空気を一変させ、俺の反応速度まで、奪っていき。俺はただその言葉を0.1秒再生の世界から聴いているような気がした。

あと、二話です。


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