7話
「昨日のデートはどうだった?」
ファミレスで昼食のポテトを食べていた時だった。西村くんがファミレス一番人気のナポリタンをグルグルフォークに巻きつけながら、俺にデートのことについて尋ねてきたのは。
「どうってなんだよ?」
そのままの意味である。別に良くもないし悪くもない。西村くんが言っていたことを注意しながらデートしたつもりなのだが、西村くんの言葉の意味は理解できたとは言えなかった。
「そのままの意味。感想は?」
「楽しかった??」
「ふざけてんの?」
「なんでそうなる……」
感想を言えと言ったのはそっちのはずなのに………
「だから、意識改革はできたのか?」
「ああ、やってみたさ。だけど、よくわからない」
「なら、デートの時、どんな感じだったのか、教えてよ?」
「なに?もしかして、内容知りたいの?劣等感抱いた感じ?」
「殴られたいの?」
「すぐに話しますね?」
俺は、昨日あった出来事を隠さず全て、話した。
「なんか、微妙だね」
それが西村くんの感想だった。
「ホントに雑だよな」
なんか、もっとないのかよ?
「別に悪くわないと思う。幼馴染さんも楽しんでいたみたいだし。だけど、決定的に欠如してるのは……」
「してるのは?」
「自分の意識」
この言葉を聞いた時、なんなんだよ!!!それ!!
と心の中で叫んだ。だって意味わかんないもん。
「意識って言われてもピンとこない。もうちょっとなんか、」
「自分を評価できてない。一歩下がりすぎてしまうかな?」
「なんだそれ……」
「これ以上は自分で気付かないと後々大変だと思うから、言わないけど、宏太はもうちょっと自分に自信を持ってみた方がいい」
「自信?」
「そう」
幼馴染の一番信頼できる男という自信ならとうの昔にあるはずなんだけど、もしかしたらそれが足りないのか?
「なんとなくわかった気がする」
「なら、来週のデートは完璧だね。どこでやるの?」
「確か、お家デートだった気がする」
「それ、いつもの二人じゃないの?」
実はそれ、俺も思っていた。だけど、千紗はそれをやってみたいと言う。ならば、やってやるまで。
自信を持って、取り組むことにしよう。
予定を変更して、10話完結になりました。
もう、既に最終話を書いています。
明日には完結いたします。ブックマーク、評価よかったらお願いします。