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3話



「と、まあ……こんな感じです……」


俺は昨日の出来事をすべて西村くんに伝えた。印象が強かった場面から思い出していき、ゆっくりと伝えている時、西村くんの表情は険しかった。それだけで、これは簡単ではないと俺も察せてしまったのだ。


「ふーん。なるほど……なんか色々と……うーん。そうだね……一言で表すとめんどくさいかな?」


西村くんは少し考えた後、そう言った。


「話聞いといて、それは雑じゃね?」


もっと他に何かあっただろう。こんなにも苦しいのに感想がめんどくさいは、流石にこたえる……


「じゃあ、なに?慰めて欲しかったの?男に??」


「その言い方やめろ」


「まあー結果論的にそう言ってしまったけど、この問題には、ちょっと力になれないかもなぁ……」


「マジかよ……」


「マジだけど??……冗談言うように見える?」


「冗談しか言っていないように見える」


「とんだ色眼鏡なこと……」


「わりぃ……俺コンタクトだわ……」


「ちょっと、黙ろうか?」


西村くんがここまでノリのいいツッコミをするのは……日常茶飯事か……俺がここまで乗るのが珍しいんだ…………

最近は嫌がっていた、西村くんとのジャレ合いをするまでに俺の精神は削られていたらしい。


「だけどさ、本当に協力とかできないのか?」


「例えば、なにするの?」


「千紗の好きな相手を俺の方に向けさせるとか……」


「残酷だね……」


「お前どっちの味方なの?」


「この言動に対しては二つの意味で残酷と言った」


「は?意味わかんない。ストレートに言えよ?」


普段はうるさいほど喋る西村くんだが、今日というか、この話を聞いてからやけに口数が少なくなったというか、確信を突く言葉を言わなくなった気がする。


「一つ質問がある」


「なんだよ?」


「ラブコメ主人公で一番嫌いな奴は?」


「鈍感野郎」


「惜しい!!」


「は?意味わかんない。なんだよ?急にどうした?なんか今日のお前いつも以上に気持ち悪い」


「それはお前に言われたくない」


普通にカウンターを食らってしまった。しかし、なんか妙に効いたな今のは……


「俺はこの問題には、一切関与しないからな。一つ解決の糸口になるのは………」


「なるのは?」


「お前の意識改革と、昨日の出来事の状況整理、それと……」


「全然一つじゃないんだが?」


「別に言わなくてもいいけど?」


「すみませんでした。もういいませんご教示ください」


「デートとかの時に注目することだと思う。これをやって一つの答えを出せばハッピーエンドが待ってるよ!!」


「(千紗とその男が無事に結ばれる)ハッピーエンドな?」


はっきり言ってそんな未来なんて想像したくないんだが……


「なんか、勘違いしたない?」


「いや、まったく」


「なら、いいけど……それで、デート練習だっけ?それはいつからなんだ?」


「今週の休日からだな……つまり明日」


「hard schedule!!!」


「授業始まってないからネイティブにしなくていいよ!」


「まあ、頑張れよ……」


少しふざけた後、少し真面目になった西村くんがそう言った。


「適当だな……」


「それくらいしか、言えない。再三言うけど、お前の意識改革に掛かっているからな!忘れんな?」


「ああ、了解」


こんな感じで、話を終えたのだ。だけど、ぶっちゃけ意識改革でどうにかなるなんて思っちゃいない。

けれど、どうすればいいかわからないから、取り敢えず明日のデートの時は、そのことを意識してみることにしよう。

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