補佐官の嘆き
そうだ。教師は20名だから10名は2枚ずつ答えを作らないとだめなんだよね。間に合うのかな?
「できました!」
残り時間15分。
Fクラスは半分以上は提出。
「あと10分です」
時計を見て補佐官が声をかける。
「まだ10分あったんだ。焦って損した」
と、Fクラスの生徒が用紙を持ってくる。
「ああ、最後にはならなかった。終わりました」
残り3分。Fクラスはあと5人。
「はい、終了です。すべて用紙は回収します」
最期までテストを続けていたクラスメイトに近づく。
「あー、全部解けなかった」
「最後までよく頑張ったよ。見てたからね。集中力途切れさせず偉かったよ!」
ぽんぽんと背中を叩く。
「うん、ありがとうリザーク。でも、くやしい……あと4問だったのに……」
「本当?すごいよ!だって、クラス分けテストのときは半分も解けなかったんでしょう?すごい、すごい!」
と、お互いの頑張りをたたえあっていると、採点を始めた裁判官から声が上がる。
「これは困りましたねぇ……模範解答がこれでは……」
補佐官が模範解答を覗き込む。
「おや、まだ80問ですか。2枚回答を作っていたので時間がなかったのですかね?」
「いや、2枚目に取り掛かっていたのは3人だけだったはずだ。あとの7枚は、仕方がないからあっちにやらせている」
気が付けば、裁判官のお付きの人たちが問題を必死にといていた。
まぁ、文官としてエリートな人達だから、算数なんてちょちょいのチョイか。
って思ったら、例のなんか計算機を持ち出して解いている。そろばんを20倍くらい使いにくくしたやつ。
でも、使い慣れているのか、ちょちょいのちょーいと、すごいスピードで計算してる。なるほど、ああして使う時に一工夫するのか。って、やっぱ使いにくそうだけどなぁ。
「一番初めに提出したリザーク君、99点」
裁判官がぴらりとみんなに見えるように問題用紙を掲げた。
「ああ、さすがに見直しなしではミスがありましか……」
てへぺろ。
「なんだと、あれほど短時間で1問ミスであとは正解だと?」
「もしかして計算機を隠し持っていたんじゃないのか?」
「いやだが、裁判官や補佐官たちが見ているなかで不正を行うなんてことは……」
教師陣がざわめいている。
「次、サーシャさん100点」
「おお、すごい、さすがサーシャだな!」
見直しなしで満点か!
サーシャがはにかんだ笑顔を見せる。
「スピードではリザークにかないませんでしたが……」
「いや、十分早かったよ。それにやっぱりミスなしのがすごいよっ!」
二人でたたえあっていると、裁判官がふぅっとため息を漏らす。
「フレッド君、98点、続いてマージ君99点……すばらしいですねぇ。これほど優秀であれば将来は高等部の文官コースを卒業して私の部下に欲しいくらいです。将来がとても楽しみですね」
って言葉に、マージがすかさず答える。
「あ、俺、文官コースじゃなくて騎士科志望なんだ!」
サーシャも答える。
「私もですわ。リザークもそうよね!」
え、いや、だから、高等部進学は……。
「僕も騎士科ですね」
とフレッド。
「えええ、そろいもそろって、せっかくこれほど計算が早いのに、文官じゃなくて騎士を目指すって、考え直した方がっ」
補佐官が大声を出した。
大げさだなぁ。それも、計算が早くたって、計算機で変わりができるなら別に必要ない能力じゃん?
さて、ざまぁしますよー。お待たせ!
キラリ




