番外編 ママ視点
リザの母親の独り言
大変だわ!
このままじゃぁ……。
このままじゃぁ……。
最近リザベーナは、剣術の稽古だ、数学の勉強だと、男の子っぽさが増している……気がする。
ど、どうしましょう。
呪いで昼間は男の子として過ごしているとはいえ、リザは女の子なのに……。
最近では、マナーの練習で時々男の子のマナーと間違えてしまうほど……。
困ったわ。
どうしましょう。リザが男の子になってしまったら。
そりゃ、可愛い子供には変わりありませんが……。
ですが、ですが……。
男の子なら、もう十分足りてるんです。
7人もいるんですから。
う、う、う。
せっかくリザは女の子なのに。
しかも、どこに出しても恥ずかしくがない、それはもう可愛い女の子なのに。
ええ、ええ、親ばかと言われても構いませんわ。
ですが、私のこの意見には、家族みんな賛成のはず。
いえ、主人は「どこに出しても恥ずかしくないわけないだろうっ!どこにも出さん!どこにも出さんぞ!」と良いそうですが。
ああ、息子たちも「リザは夜は家にいればいいんだよ」とか「男の姿のときだってどこに出したって恥ずかしくないよ」とか「リザが可愛いのは世界の法則」とかいろいろ言いそうですが……。
と、とにかく、このままでは、リザが男の子になってしまいそうで……。
どうしたら、呪いを解いて女に戻りたいって思うのでしょう。
いつ女に戻っても大丈夫なように、女性が学ぶべきことはおろそかにせず一通りやらせていますが……。
そうそう、先日、クレアが遊びに来ました。残念ながらお茶を飲むだけ。少し話をする時間があっただけですが。
クレアの家は、5人の娘と一人の息子です。
ついつい「女の子うらやましいわ」と愚痴ってしまいました。
「男の子が8人もいるのが私にはうらやましいわ」
と、返されました。そうです。リザは男の子ということで発表してあります。
本当は女の子なんですけど……。うう。これでは婚約者一人探せません。
困りました。
「でも、そんなに女の子が欲しいのなら、いい考えがあるわ」
クレアが声を潜めて耳うちするんです。
「いっそ、女の子になる呪いをかけてもらえば?」
「の、の、呪い?!」
声が裏返りました。
まさか、クレアの口から呪いで性別を変えるなんて話が出てくるなんて。
ば、バレてないですよね?
「その、聞いた話、なんだけど」
心臓がバクバクです。だれから、何を聞いたというのか……。
「その、結構、体つきや顔とかも、本当に女性らしく、同一人物には思えないくらい変わるらしいわよ?」
し、知ってます。
知ってますけど、その話は誰から、どこで聞いたのか!
リザのことがどっかで噂になってるわけじゃないですよね?
「公爵家ならば、呪術師に心当たりがあるんじゃない?」
あります。というか、もう仕事は依頼しましたし。
完璧にリザを男の子にしてくれましたし。
「もう、3人くらい女の子になる呪いをかけてもらったら?」
「へ?」
3人?
クレアの言葉に目が点になった。
盲点だったわ。
女の子が欲しければ、7人の誰かに女になる呪いをかけてもらうという手もあったのですね。
何故、思いつかなかったのか。
長男はすでに剣聖なんて呼ばれて男としての地位が固まってるからだめですよね。
次男……も、三男も無理。四男は……女になってもとても女らしくしてもらえるとは思えない。
筋肉少女など、呪いの無駄遣いでしかない。
となると、五男か、六男か、七男……。
とりあえず、家族会議しましょうか。
ふふ、うふふふふ。
あああ、ママァーン、暴走しちゃう、リザ、兄たちのためにもうちょっと女性らしくしたげて。




