発言するときは、挙手
てなわけで、30分経たないうちに、来た。
なんか、黒いフード付きのマントの人と、護衛の人とかお付きの人だかなんだかとか、えーっと、10人くらい。
で、食事時間が終わった食堂に移動。
呪われし裁判官とそのお付きの人たち10人を正面に、右側に教師たち。左側にFクラスの生徒と、ソフィア先生が座る。
でもって、事件の概要を教師側代表して数学科主任が説明。で、Fクラスを代表してフレッドが説明。
「では、不正の主導者を見つければ、トランプを盗んだ者も分かるということですか」
裁判官の隣に立つまだ若い文官が口を開く。兄1と同じ年くらいかな。20歳前後。
若いけれど、裁判官の中でもトップにたつ呪われし裁判官の補佐をしてるんだから優秀なんだろうなぁ。
「裁判官」
ぴしっと手を上げる。
「発言を許します」
おや?裁判官は顔もフードで隠れているからどんな人かわからなかったけど、声は女の人だ。
「そもそも、不正の主導者といいますが、ボクたちFクラスは不正はしておりません」
「まだ言うかっ」
すぐにセルシーオ先生がガタリと椅子を慣らす。
「発言は挙手してから」
裁判官補佐が、セルシーオ先生を一喝。
おとなしく挙手するセルシーオ先生。
「これをご覧ください。Fクラスの今回の数学のテストです。裁判官はご存知ないかもしれんが、わが校のFクラスは入学後のクラス分けテストで最下位の点数を取ったクラスです。それが、わずか2週間後のテストでこのような成績を収められるわけがありません。これが、不正の何よりの証拠になるかと」
セルシーオ先生の言葉に、テスト用紙を眺めながら裁判官が口を開く。
「数学科教師の総意か?」
数学教師が小さく頷きあっている。
「恐れながら……」
手を上げて発言の許可を求めたのは、イリス先生だ。うん、ぽちゃっとして優しそうな先生。
「クラス分けテストで優秀な成績を収めていた生徒が何人もFクラスにはいます。Sクラスの生徒でもなしえなかった満点を取った者もいますし、満点に近い点だった者、点数こそ低かったけれど、教師でもてこずる難問を解いた者など……。もしかすると、クラス分けテストでは手を抜いていただけで、今回のテストで本来の力を発揮した者がいるのではないかと……」
ギクっ。
クラス分けテストで手を抜いた説はやばいって。
顔色変わったのばれてない?と、きょろきょろとすると、フレッドの様子がおかしい。
ああ、やっぱり、おまえ、手を抜いてクラス分けテスト受けたんだな。なぜだ!どうしてわざわざFクラスになったのだ!にゅーっ。
「だとしても、クラスの全員が半分以上解けるのはありえないだろうっ」
イリス先生の言葉を遮って言葉を発したセルシーオ先生を補佐官が睨みつけた。
はい。挙手忘れてますよ。
裁判もイエローカード制だったらいいのにねぇ。もうセルシーオ先生イエローカード2枚だよ。あと1枚で退場。いや、有罪?
とか考えてたら、監視役だった先生が手を上げた。
「トランプを使った不正じゃないとすると、教師が事前に答えを生徒に漏らしていた可能性もあります」
と、私たちをかばうような発言をしたイリス先生をちらりと見た。
ったく。しゃーない。
手を上げて発言の許可を求める。
「不正をしていない証拠を見せます」
いつもありがとうございます。
(-ω-)/




