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■転性悪役令嬢 ~男になって破滅フラグを回避したいだけなのに、Fクラスの下克上とか溺愛とか知りませんっ!~  作者: 富士とまと


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サーシャの情報どこ情報

「ほいっ」

 カツンと、マージの剣の力の向きを変えてやる。

 マージが勢いを止められず、よろめく。

「はい、ボクの勝ち」

 マージの背中にとんっと、軽く木刀を当てる。

「え?ちょ、ま、今のなし、なしな?俺、ちょっとばかり、足の動き気にして力が発揮できなかったから、もう1回だ!」

 はいはい。いつもなら、もう一回なんて認めないけど、今はいいですよ。

「じゃ、もう1回」

 木刀を構える。

 マージが凝りもせず、分かりやすい剣筋で打ち込んでくる。

 いなしちゃうもん。カツーン。

「はい、ボクの勝ち」

 今度はよろめいたマージのお腹に木刀を軽く当てる。

「え?へ?なんで?ちょっと、俺、調子悪いのかな?」

「……まさか、剣術大会の1回戦……」

 フレッドが驚愕の表情を見せる。

 ん?剣術大会の1回戦?

「あれは、リザークの実力……」

 は?い?

「まぁ、えっと、兄よりは弱かったので、なんとかなりましたけど……」

「え?なんだ?まさか、そうかっ、今見たいに、常勝ブランカにも勝ったってことか!」

 マージが私の両肩をつかんで揺さぶる。

「うん、まぁ、マージよりは動きが早かったけど、ブランカも割と分かりやすい動きだったから……」

 サーシャが頭を下げた。

「ごめんなさい、リザーク……。私も、皆の言うように、ラッキーだったと思っていました……。ブランカが地面に足を取られてふらついたからラッキーだったと……」

 ああ、そういえば、そういう風に言われてたっけ。しまった。そのままラッキーだったことにしておいた方がよかったんだよね……。

「なるほど。おかしいとは思っていたんですよね。あの勝ちにこだわる常勝ブランカが、対戦場所の整備不備で負けたならば、素直に負けを認めるわけはないのに……。なぜかブランカは自分が負けたことにクレームをつけるどころか審判に勝者はリザークだと伝えただろう?」

 はい。なんか審判見てなかったのでね。あ、そういえば、数学テストの監視の先生も見てなかったし、なんなの?役立たずばっかなの?

「今の技で、ブランカも倒したんだね?」

 技というか……えーっと。

「相手の力を利用するんだ。力ではかなわない相手と対峙したときに、その、相手の力を利用することで、その不足分を補えるというか……剣術だけじゃなくて、体術にもそういうのがあったりして……」

 柔道とか合気道とか。小さくて軽くて力の弱い女性が、大きくて重たくて力の強い男性をぽーんと軽々と投げ飛ばしたりする動画は圧巻だよ。

「ただ、相手の動きと呼吸を合わせるというか、その、タイミングだとか合わせるのがすごく難しくて、マージみたいに動きが読みやすい相手じゃないとボクも成功しなくて……兄に相手に練習をしていたんだけど、全然駄目だったんですよ」

 サーシャが低い声でつぶやいた。

「それでも、ブランカに勝った……」

 うん、ブランカの動きは剣道っぽくてね。体がぱーんと反応したのだ。あれは運がよかった。

「本当に、運がよくて……」

 サーシャが首を横に振る。

「運なんかじゃない。リザーク、やっぱりリザークはわたくしの知るリザークです」

 は?サーシャの知るリザークって何?

「騎士になるために、日々鍛錬を積んでいる……」

 いや、騎士になるなんて言った記憶はないぞー!

 どこ情報だ。


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