数学テスト終わりました。
先生の言葉に、ミルガレットがつぶやく。
「Sクラスの生徒は時間内に100問解く生徒が半分……」
そのつぶやきを聞いた先生が一段と楽しそうに笑い出した。
「ふーふっふっふふ君たちはSクラスを抜かすのが目標でしたかくくく。残念ですねぇ。差がまた広がってしまいますねぇ」
いや、違う。
ミルガレットが驚いた声を出したのはそうじゃない。
自分たちが……Fクラスの計算するスピードが、Sクラスの生徒にも劣っていないということを知ることができた驚きだ。
生徒たちはがぜんやる気を出している。……が、そのやる気を、先生は全くといっていいほど気が付いていない。
「さぁ、では問題用紙を配りましょう」
テストが始まった。
100問っていっても、40問が足し算、40問が引き算。のこりの20問が「全部で」だの「あわせて」だの「のこりは」だの分かりやすい目印付きのごくごく簡単な文章問題。えーっと、はい。見直しもして、残り時間何しようかなー。
あ、クラスメイトの様子、背中を見ると、うん。まだみんな解いてる。一心不乱。がんばれー。
で、監視の先生は……うん、鼻ほじってます。いや、実際はほじってないけど、鼻毛抜いてます。いや、実際は抜いてないけど。
肘を机について、その上に頭乗っけて、天井ぼんやり見ながら、今にも寝そう。やる気ねぇなぁ。
っと、チャイムが鳴ったとたんに、先生は目を見開いた。
「終わりだ!終わり!お前らにとっても時間が足りないだろうが、ここから先ペンを動かした者は失格だ!」
はい。失格者探しは楽しそうですね。
みんなペンはすでに置いてます。チャイムの1音目に。……いや、もう解き終わってたからね。ほとんど。見てないから分からないか。
「はっ。なんだ、すでにペンは机の上に置いてるとか、そろいもそろって……解く前から白旗か?ああ?諦めが早すぎるんじゃないのか?これだからFクラスは!」
と、見下したような目を向ける。
「ほら、お前から用紙を持ってこい」
裏返した答案用紙を順に先生の机の上に乗せていく。席順。つまり、クラス分けテストの成績順。
「はいはい、じゃ、発表を楽しみにしてるんだな。午後に発表だ。まぁ、お前ら、どうせ最下位だろうから、順位を気にしてドキドキして食事ものどを通らないなんてことなくていいなぁ~。さぁ、これから2年生の数学テストの監視だよ。2年はSクラスの担当だから、彼らはテストの前も後も緊張感があって、お前ら、おい、聞いてるのか?机に突っ伏して、やる気がないにもほどがあるっ!」
先生が怒って出ていった。
いや、違うよ。机に突っ伏してるのは、力を使い果たしただけだよ。
みんな全力で取り組んだんだよ。
「お疲れ様」
2限目開始のチャイムで、ソフィア先生が教室に入ってきた。
「うーん、本当に疲れているみたいね……。じゃぁ、えーっと、2限目は剣術の授業だけど無理そうかしら?」




