発狂死フラグは断固拒否っ!
私はうかつか!
そうだよ。そうだよっ。
「だな。そうだよ。ってことは、これで堂々と会えるじゃん」
やだー。堂々と探して、堂々と会いに来るとか、辞めなさいっ!全力で逃げるわ!ってか、探しても見つからないってのっ!
「むしろ、もう会う理由ないじゃん。もともと、フレッドは謝りたいと思ってたんだろ?覚えてないなら謝る必要ないし。な?だから、もう、彼女のことは忘れればいいんだよ!」
な?そうだろ、フレンズ!
フレッドがキラキラ目を輝かせた。
「責任を取りたいという気持ちは変わらない。だけれど、直接言わずに、その、何らかの方法で彼女に……」
嫌がらせ王子と呼ぶぞ。やめろぉ。
「んな難しいこと考えなくたって、トランプ届けてくれたお礼がしたいって言えばいいんじゃね?」
マァーーージ!余計な知恵をさずけんな!
「そうだな!マージ、ありがとう!」
「やめろ!やめとけ!絶対やめるべきだ!」
悪役令嬢にこれ以上近づくな。感謝してるのは、今私が、その気持ち受け取ったから。それ以上は必要ないっ!
「なんでだよ」
マージの疑問に答えよう。
「彼女の迷惑になるからだよっ」
ああ。迷惑。迷惑。関わりたくないの。全力で。
「迷惑って?」
「いや、だって、迷惑だろう?」
「なぜ?」
最悪、死ぬんだよ?迷惑に決まってんじゃん。
「あなた、何様のつもりなの?フレッド殿下に近づける立場だと思っていらっしゃるの?」
口をついて出た言葉。
「大方、拾ったなんて嘘で、恩を売るために盗んだに決まっていますわ!」
すらすらと出てくる罵詈雑言。
「薄汚い泥棒猫!恥を知りなさい!殿下が迷惑しているのも気が付かないなんて!」
「おい、ちょっと、リザーク何を言っているんだよ」
マージがおびえた顔を見せる。
「あ、うん、だから、たぶん、そうやって、フレッドと仲良くする女の子は他の子からいじめられちゃうんじゃないかなって思うんだけど……」
マージが頷いた。
「フレッド王子だったな、そういえば……しかし、ずいぶんリアルだな、リザーク、さっきの」
ギクリ。
悪役令嬢の血が流れていますから……って、違う、違う。前世でゲームやってただけ。私の血は悪役令嬢に染まってなんてないよっ。
「その、兄たちがモテるので、時々、兄を取り合って……女性たちのその、争いを目にするというか……年が離れているので、ボクが聞いているのを平気で争うこともあったので……」
うん。実際あったよ。5歳のときとか。兄16歳でさ。5歳児なんて何聞いてても覚えてないと思ってんのか、それとも見えてなかったのか。ドレス姿の女性3人に囲まれていろいろ言われている女性とか目撃したりな。まぁ、その時の感想。
悪役を極めるには、まだまだですわね。……って、違う、いや、うん。忘れよう。
「と、いうわけで、フレッド、彼女にお礼がしたい気持ちは分かるけど、迷惑になるから、近づかないほうがいいと思うよ?」
「迷惑……僕が、第二王子という立場だから……迷惑をかけると言うのならば……」
唐突に、思い出した。
第二王子は、高等部に進学できなかったら臣下に下るとか誰かが言っていなかっただろうか?
いやいや、いやいやいや……。
まって、やめて!そんなことで王籍を抜けるとか、だめ。結局悪役令嬢のせいで王子の座を捨てさせられたとか途中でゆがんで発狂死とかなりそうだもん。やだ、もうっ!




