希望
ソフィア先生が教頭を睨みつける。
「はっ。じゃぁ、ソフィア先生の言うことを信じて差し上げるとしましょう?卒業するときは、このFクラスが学年で1位になると言っていましたね?」
え?信じる?
「きっとできますよ。できるでしょう」
ニマニマと教頭が笑う。
ぞわっと背筋が寒くなる。何だろう、嫌な悪寒。あ、予感と悪寒をかけてみた。
「もし、できなかったら、先生の指導力不足ということになりますからねぇ?先生をやめて私と結婚してもらいましょうか?」
なっ!
うわー。教頭と結婚なんて冗談じゃない。
「まさか、嫌だとは言いませんよね?だって、ソフィア先生は生徒たちは金の卵だというんでしょう?みんな能力があり、必ず1位になれると信じているんでしょう?」
なんてことだ!
生徒を前に、教頭への結婚を断るということは、私たちが卒業時に1位が取れないと思っていると言うようなものだ。
ずるい。
卑怯だ。
辛そうな顔をしながらでもここは分かりましたってソフィア先生は了承するしか……。
「もちろんです。その代わり、もし1位で卒業できたら、教頭先生は何をしてくれます?」
え?
ソフィア先生ったら、すんごく嬉しそうに逆条件を出そうとしてます。
「私が教師の首をかけるなら、教頭先生も首をかけますか?私たちが1位で卒業するなんてこれっぽっちも思っていないんでしょう?」
今度は教頭が口をつぐんだ。
「幸いにして、証人となりうる伯爵家以上の家の人間がここには3名以上いますから、口約束だったと私は言い逃れしませんよ?」
教頭の額から一筋の汗が垂れた。
「いいでしょう。所詮はFクラスの生徒です。どれほど頑張ろうと、せいぜい順位を1つ2つ挙げるのがやっと。Sクラスはそんなに甘くはありませんよ?」
そうだよ。教頭の言う通りだよ。
「では、4年後には結婚誓約書を持って卒業式に臨みましょうかね。はははははは」
教頭が部屋を出ていった。
……ちょっと、葬式みたいな雰囲気になってますよ。教室がっ!
「せ、先生……」
涙目の女生徒たち。
うん。自分にソフィア先生の立場を置き換えて、教頭と結婚するというあまりにもおぞましいことを想像して涙しているんだよね。
「大丈夫だって。暗くなってる暇があれば、早速勉強しようぜ?」
マージがドーンと胸を叩いた。
マージの言葉に、我に返ったように、皆が席で姿勢を正す。
「ふふふ、そうですわよ。ねぇ、ほら、見てください。模擬テストの採点が終わりました」
ソフィアせんせいは輝かんばかりの笑顔で、答案用紙を生徒たちに向けた。
「なんと、満点が8人。90点以上が4人、そして、クラス全員が70点以上ですっ!」
まぁ、なんだ。足し算引き算だけの40問テストで、時間は1時間となれば……。
しかし、先生は生徒たちの点数を見たから、Fクラスが卒業までにSクラスに勝てると思ったのかな?
ううん、違うよね。だって、剣術大会の前から、第一訓練場を目指すって言ってるもん。
「う、うそ、私が、数学で70点以上……」
生徒が1人立ち上がる。
「そうですよ、ほら」
じゃーん。
模擬テストの……結果とかじゃなくて、
なんかもうずいぶん懐かしい話だなぁ……。
あ、第一部完結分まではずいぶん前に書き上げてあります。
でもって、第二部執筆には着手してないのでーす。
めっちゃ楽しく書いたんだけどね。
楽しくて楽しくて、楽しくて面白いのに反応いまいち……っていうなんか、世間との面白い基準の乖離を感じて、なんか書けなくなった。




