勉強というよりは、クラスのための準備、しもべは兄?
「リザーク、じゃぁ、数学の勉強一緒にしようか」
兄2が胸に本を抱えて嬉しそうに立っています。
「私も手伝いますから」
と、兄6もきりりと目を輝かせている。
「うっ、しかたない、しばらくは、兄貴とお前にリザのことは任せる……」
兄4がうなだれて、兄2と兄6の肩をぽんぽんと叩いた。
「兄貴、練習に付き合ってくれっ!」
そして、兄1を引っ張って鍛錬場へと移動しました。
残されたのは、戦術にかけては右に出る者はいないという兄2と、学術全般知識量にかけては誰にも負けない兄6。二人とも体よりも頭を使うことに長けていますが……。
剣術と違って、数学は……。
「初めのテストの範囲は加算と減算なので、とくにお兄様に教えていただくことは……」
ないから大丈夫ですと言う前に、兄2の目に涙がたまっている。
お、お兄様……。いやいや、20歳になろうというお兄様が、そんなことで涙してどうするんですか!かわいいけどっ!
兄6もすんごく寂しそうな顔してる。
「私は、アルフお兄様ほど役に立てない……」
としょんぼり。
あーうー。
「じゃ、じゃぁ、問題作りのお手伝いをお願いしても……」
「問題?」
「はい、クラスメイトが計算の練習をするための問題なんですが……答え合わせをするための答えの準備とか……」
と、紙に100マス計算用のマス目を仕切る。
「リザ、これは何?」
「これで足し算の練習をするんですよ。まだ計算の得意ではない子用には、マス目を少なめで、数字も1から5まで。少しすすんで、6~9までの数字を少しだけ入れたもの。計算が比較的得意な人には、マス目を増やして、数字も1~9まんべんなく」
と、上のマスと左のマスに適当に数字を入れる。
「で、この縦と横の交わったところに、それぞれの数字を足した数を入れるんだよ。こうすることで、とてもたくさんの計算練習ができる」
ふんふんと話を聞いていた兄2と兄6が作った問題を1枚ずつ手に取る。
「今日は、誰が一番早くできるかとか競争するところまではできなかったんだけど、競争したりしてもたの……」
うわっ。
兄2と兄6がお互いを見て、それから100マス計算をすごいスピードで解き始めた。
うん、兄2も兄6も計算早いんだよ。私レベルに。だから、この世界の計算早いも、それくらいは当たり前だと思ってたんだよね。
「できたっ!」
兄2が紙を掲げる。
「ああ、負けたっ」
兄6がガクッと肩を落とす。
「お兄様、同じ問題ではありませんので、その……勝負としてはフェアではないので……」
しまった。言葉選び間違えた。
「では、フェアに、同じ問題で勝負しよう」
兄2の目がギラリと光る。
「お、お兄様、クラスメイトのために問題と模範解答をたくさん作りたいので、手伝っていただけるんですわよね?」
兄2がはっと表情を戻す。
「そうだったね。リザ。ごめんごめん」
その後、兄2と兄6は100マス計算をガンガン解いてくれた。
「次に勝負するときに負けるわけにはいかない……これはいい訓練だ……ぶつぶつ」
「なんだかもっと私は計算を早くできそうだ……ぶつぶつ」
鬼気迫るとは、このことなのだと……ひぃーっ。
怖い。そ、そうだ。
「えーっと、お兄様、じゃぁ、2桁や3桁の問題の模範解答作りもお願いしても?」
と、問題を作って兄に渡す。
「繰り上がりがないものは、こう書いて、繰り上がりのあるものはこう書いていただけると……」
と、ひっ算の式の書き方も説明する。
読んでくれてありがとう!
兄だよ?そりゃ、一筋縄でいくわけないじゃん。
ほらみたことか……(´・ω・`)




