ダイエット
で、ハンバーガー5個なんて食べられるわけもなく。……残った。残ったものはスタッフがおいしくいただくので大丈夫だそうだ。
そういやぁ、貴族が夜会とか開いてもそうだよな。食事が足りなくなるのは恥とかで、大量に用意する。現代日本じゃ食品ロスが問題になってるけど、この世界は、食べ残したものは、働いている人たちの食事になる。普段よりおいしいものが食べられるので、残り物という意識もなく、ごちそうの日という位置づけだったっけ。確かに、たかがハンバーガーとはいえ、挟まれたハンバーグはめちゃジューシーで、甘みのあるふわふわのパン、それとシャキシャキのレタス……もう、サイコーでした。とはいえ、なぜ人を招くのにハンバーガーなんだろうね。
え?勉強しながら食べられる?持って帰ってお土産にもできる?いろいろ考えられてるのか。と思ったら、俺の一番の好物だからって、マージよ……。好物だけど、めったに食べさせてもらえないから、庶民もマナーを気にせず食べられるものじゃないと、友達が迷惑するとかなんとか説得した……はぁ、そうですか。そういえば、私も、ハンバーガーなんて前世でしか食べたことなかった。うん、マージ、ナイス!
食後、ちょっとしたリクリエーションで、トランプ。とはいえ、足し算練習ね。かるたみたいに、トランプ並べて、3人グループに分かれる。読み手(侍女さんに手伝ってもらった)がランダムに数字を言うので、足して10になるトランプを見つけて早く取った人の勝ちみたいなやつ。
「もう1回、もう1回やろうぜ!」
っていうやつのせいで、食後の腹ごなし以上の時間を費やした。ああ。お前のことだよ、マージ!
「次は負けませんわ」
っていう女子もいたな。君のことだよ、サーシャ。
「今度は、チーム戦にしてみませんか?」
って提案始めるやつもいたな。フレッド……。
「お茶の用意が整いました」
って、昼ご飯のあと、トランプしかしてなーいっ!
えーっと、みんなが持ち寄ったケーキとかケーキとかケーキとか焼き菓子とか焼き菓子とか焼き菓子とか。
やばい、これ、夢のケーキバイキングだあぁ!素敵。素敵。
「これも、美味しそう!こっちもいいな!」
山もり皿に取っている横で、サーシャが飲み物に手を伸ばした。皿には小さな焼き菓子が一つだけ。
「あれ?食べないの?」
「ええ。あまり甘いものは……」
「ふぅーん。女の子はみんな甘いものが好きだと思ってたよ」
と、口にしてはっとする。
あれ?私、こんなに甘いもの山盛りにして、女の子みたいだとか思われちゃうやつ?やっべ。
サーシャがぎくりと身を固くしている。
ん?
なんでサーシャのほうがぎくりとしてるの?
あ、もしかして……もしかして、本当はいっぱい甘いもの食べたいけれど、ダイエット中だったとか……。そ、それは悪いことを言ってしまった。
「あー、女の子って、大変だよなぁ、ダイエットとか……」
「え?あ、そ、そうなんです、本当は甘いもの大好きなのですが、ダ、ダイエットが……」
サーシャが目を反らした。
しまったぁっ!
女の子の気持ちが痛いほどよくわかるからって、ダイエットしてるの肯定するようなこと言ってしまった。
お前太ってるから、ダイエット必要だって言ってるようなもんじゃないかぁ。
ダイエットなんて必要ないからいっぱい食べたらいいって言うべきだろ。
あああ、私、男として最低じゃないかぁぁぁ。
そこに、マージがやってきた。
お、な、か、す、い、た……




