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■転性悪役令嬢 ~男になって破滅フラグを回避したいだけなのに、Fクラスの下克上とか溺愛とか知りませんっ!~  作者: 富士とまと


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いいか、数学じゃねぇよっ、算数だよっ!

「ああ、それから、これは皆さんでお茶の時間にでも」

 と、フレッドがケーキを取り出す。ホールケーキ5つ。イチゴの乗った美味しそうなやつ。よく崩さずに運べたな。

「僕も持たされたよ」

 ガトーショコラをホールで5つ。

「あ、私も」

「俺も」

「わたしも」

 ……次々に出てくる差し入れのお菓子たち。

 なんというか、連帯感がこんなところでも発揮され、クラス全員なんか持ってきた。あわわ。

 そこに、ノックが響く。

「マージ様、お茶のご用意が整いました」

 侍女さんが3人、ティーカップやティーポットが満載のカートと、3段ケーキを乗せたカートを押して入ってきた。

「あ」

 思わず声が出る侍女さん。

 ですよねー。

 勉強会のはずが、お菓子博覧会みたいになってる。

「あとで、バイキング形式で食べない?小さめにカットしてもらって、食べたいものを食べたいだけ皿にとって食べるんだ」

「お、いいねぇ!立食パーティー形式だね!」

 てなわけで、侍女さんたちにはお茶だけ残してお菓子は運んでもらいました。

「ふふふ。お菓子楽しみ」

 女子の一人が嬉しそうに笑った。

「数学苦手で、勉強も嫌いだけど、来てよかった。お菓子が待ってると思うと頑張れそう」

 それはよかった。

「じゃぁ、まずグループ分けしましょうか。みんなの実力もよくわかりませんし」

 と、サーシャが声を上げる。

 そういえば、まだ教科書まともに見てなかったんだよな。

 ぺらり。

 ん?足し算と、引き算。

 2桁、3桁、4桁、5桁……おーい、これ、11歳の勉強?

 あ、初等部の復習から入るのかな?

 しかし、文章題が面白いな。誰が考えるんだろう。

 それから、掛け算。1桁、2桁、3桁。割り算もある。

 ああ、3桁の掛け算だと……小学校3年か4年くらいの内容だっけ?そうすると、9歳か10歳か。11歳で学習するには、まぁ、少し遅いくらいと言えなくはないか。

「せっかくだから、リザークのお兄さんが用意してくれた過去の問題で実力試ししてみよう。紙と筆記具出して、問題を読み上げるよ。5問、解いてみよう」

 と、フレッドが仕切りだした。

 で、みんな適当な席について紙と筆記具を用意する。

「じゃぁ、まずは5問全部読み上げるから問題を書いてね。解く時間はそれぞれだと思うから」

 第一問、25+13

 第二問 318+1259

 第三問 1000-12

 第四問 2865-2398

 第五問 378+13+26

 うん。まずは足し算引き算か。簡単ですね。

「じゃぁ、終わったら採点するから持ってきて」

 と、なぜか自然に先生役になっているフレッドとサーシャの元に、紙を持っていく。

「え?もうリザークは解いたの?」

 サーシャがびっくりした顔をして、3問目を解いている手を止めた。

 ん?だって、簡単だよね?

「ああ、もしかして、家で一回解いてみた?」

 と、フレッドが、5問目を解き終わって顔を上げる。

 はい?

 たぶん、普通の速度だけど?

「全部、合ってる。でも、これ何?」

 フレッドが、メモしたひっ算の式を指さした。

「え?まだ習ってないっけ?」

「まだ?いや、高等部の教科書にも載ってないけど」

 まじかっ!

 ひっ算ないの?そりゃ不便だわ。

 ちらりとフレッドやサーシャの紙を覗き込むと、それぞれ別々の何かが書いてある。自分なりの計算方法?人によってバラバラ?なの?え?


らーらららー。


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