いざ、勉強会!
「どれくらいで忘れるかな……」
フレッドが幸せそうな顔を見せる。
「なぁ、リザーク、相手の子さ、フレッドの顔見たと思うか?」
マージが耳元でひそひそと話かけてきた。
「見てたらさ、代表であいさつしてるし、銀髪なんてめずらしいし、第二王子だって向こうはもう知ってるんじゃないか?」
はい。知ってますよ。
「だったらさ、そう簡単に忘れると思えないんだけど……だったら、忘れるのを待つなんて無理だって教えてやったほうが……」
うっせーな、マージ!
いいんだよ。高等部終了の18歳まで第二王子の婚約者って悪役令嬢の役割が回ってこなきゃ、発狂死フラグは回避できるんだっつの!
「どうかなぁ。動揺して見てないかもよ?まぁ、少なくともしばらくは様子見がいいんじゃない?同じ学校なら食堂で偶然見かけるかもしれないし。その時、その子がフレッド見て顔を反らすとかなんとか反応次第?」
「おう、そうだな。運命なら、嫌でもまた会うよな」
運命ってむごい。
嫌だけど、がっつり同じクラスになったもん。
涙目。
っていうか、女体化リザと学校で偶然会うなんてないけどな。ひひひ。
「じゃぁ、また明日な~」
次の日。
勉強会ということで、持ち物として数学の教科書とノートと筆記具。あとは差し入れのおやつ。……クラスの人数分のおやつって、すんごい大荷物なんですけど。
「リザがお世話になっているんだ!これでも少ないくらいだ!」
って、パパァンがあれもこれも持たせようとするんだもん。
「参考になるか分からないけれど、僕たちが受けた数学のテスト問題を思い出せるだけ思い出してメモしたから」
兄たちからはとても素敵なものをいただきました。
ちなみに、問題も答案用紙も生徒の手元には戻ってこないらしい。
何をどんな風に間違えて、次に間違えないためにはどうすればいいのかとかいう勉強にはなりませんね。本当に評価するだけが目的のテストってことか……。
学校の校門には、負けず劣らず大荷物の生徒たちが待っていた。
いやいや、今からみんなで修学旅行ですか!っていう荷物ですね……。
馬車がガラガラと、5台やってきた。
6人ずつぎゅうぎゅうになりながら馬車に乗り込む。あ、子供が6人って本来余裕なんだけど、いかんせん荷物が……。
馬車が屋敷に到着すると「うわー、でかい」「す、すごい」「本当に私なんかが入ってもいいのかな」的な庶民と「警備の立ち位置が」「屋敷の窓の形が」という自分の屋敷と比べてしまう貴族とか、反応は様々だった。が、屋敷の入り口の扉が開くと、「マナーどうだっけ」と緊張が走った。
「おーい、こっちこっち」
けれど、学校にいるときとまるっきり変わらない、いつものマージの態度で、すっかりクラスメイト達の緊張も解ける。
「机といすを適当に並べて置いたけど、全員入れるよな?俺の家庭教師が午後には来るから分からないことがあれば聞けるぞ」
と、何やらいろいろ準備をしていてくれたようだ。
「これ、兄たちが、過去の数学の問題を思い出せる限り書き出してくれた。それから教科書も、家にあるもの持ってきた」
さっそく自分が用意したものも、取り出す。
「過去の問題、いいですね。僕も教科書は全員には足りないけれど、あるだけ持ってきました」
と、フレッドが5冊教科書をだした。うん、何人かで一緒に見れば十分足りる数になったね。




